猫と暮らす
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猫はどれくらいの時間トイレを我慢すると注意が必要? 獣医師が解説
どのような原因で猫はトイレを我慢してしまうのか、そしてどれくらいの時間我慢してしまうと体へ影響が出てしまう可能性があるのか、ねこのきもち獣医師相談室の獣医師が解説します。
猫がトイレを我慢する原因は?
「たとえば…
- トイレが汚れている
- トイレの場所が変わった(もしくは、生活環境そのものが変わった)
- トイレの周囲が騒々しい
- 新しい猫を迎えた
トイレに対する不快感や、落ち着けない気持ちを感じた際に、トイレに行くことを避けたり我慢したりしがちです」
猫がトイレを我慢していると判断するポイントは?
「猫がトイレを我慢している際に変化するのは、尿の回数や量です。トイレに行くことを我慢している分、回数は少なめになる傾向があります。
また、我慢することで尿が普段一回に排泄する量を超えて、膀胱に溜まり続ける分、一回に排泄する尿量は多くなりがちな傾向があります。
食生活や飲水量に大きな差はないものの、いつもよりトイレに行く回数が少ない状況や、一回に排泄する尿の量が今までに比べて多くなったりする状況がある際には、愛猫がトイレを我慢している様子がないか、改めて様子をよく見直してあげるとよいでしょう」
猫がどれくらいの時間トイレを我慢すると注意が必要?
「トイレの我慢による健康への影響については、もしも半日以上我慢をするような状況が続いた際には、膀胱炎や尿結晶などの泌尿器疾患のリスクが気がかりです。
また、丸一日以上我慢をしてしまうような状況は、膀胱への負担だけではなく、腎臓への負担や尿毒症など、さらに重大な体調不良の心配もありますので注意が必要です」
猫がトイレを我慢しないような対策は?
「まず、トイレはこまめに掃除して、清潔なトイレ環境を保ちましょう。
家に用意するトイレの最低数は、“家にいる猫の数+1”が目安です。これは、愛猫が1匹なら2つのトイレが、多頭飼育で2匹なら3つ、3匹なら4つ、という考え方です。
留守の時間が長いなど、どうしても掃除が行き届かないタイミングがある場合は、トイレをさらに1~2個多めに設置するのも、留守中に我慢をさせにくい工夫になります。
なお、昨今では自動清掃の機能が付いている高機能なトイレなどもあるので、愛猫が負担なく受け入れてくれるようなら、そういった便利な家電を使うのもひとつの選択でしょう」
「そうですね。トイレそのものの環境(トイレの形状や砂など)や、トイレ周囲の環境(設置場所など)をできるだけ変えないことも、愛猫にトイレの我慢をさせない配慮のひとつです。
愛猫を家に迎えた際、まず一番初めにトイレの設置場所を決めるときに、人が頻繁には通らない、静かな環境をあらかじめ選んであげることが大切です。
さらに、トイレの中が外から伺いにくいように、設置する際の入り口の向きや、衝立などの目隠しをしてあげる工夫なども、トイレを我慢せずに入りやすくする効果が期待できます」
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/柴田おまめ
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