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しっぽが無くて丸い猫「マンクス」|発祥の歴史や特徴を徹底解剖!

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しっぽが無くて、まん丸体型の猫、マンクス。日本ではあまり見かけない種類かもしれませんが、独特の丸い容姿が愛らしく、多くのファンを獲得しています。今回は、そんなマンクス発祥の歴史や性格、特徴についてご紹介します。

マンクス発祥の歴史

マンクス発祥の地「マン島」

マンクスの発祥の地は、「マン島」という島だと言われています。マン島とは、アイリッシュ海にある孤島で、古くからのお城や要塞、繊細な彫刻が施されたケルト十字など、歴史を感じる遺品が現在でも保存されています。かつて孤島に住んでいた猫たちは、他の猫との交流が少ないため、島の中で近親交配が行われていました。その結果、突然変異としてしっぽのない猫が生まれ、長い年月をかけてマンクスの遺伝子が確立されたと考えられています。

マンクスにまつわるユーモラスな伝説も

マンクスは、数々の伝説でも知られています。たとえば、「急な雨に見舞われたノアの箱舟の船員が急いで扉を閉めようとしたところ、急いで飛び乗った猫が、船の扉に挟まれてしっぽを切られてしまった」、「1588年にスペイン船が嵐で難破したときに、しっぽのない猫たちが、脱出してマン島に泳ぎ着いた」といった、ユーモラスな伝説が語り継がれています。

イギリスで人気となったマンクスは、19世紀の終わりごろからアメリカに輸入されます。当時のマンクスは、今とは違って体も足も長く、すらりとした体型でしたが、アメリカのブリーダーたちによって、丸くずんぐりとした今の形に改良されました。

1920年代には、CFA(THE CAT FANCIERS' ASSOCIATION, INC・各種血統猫の健康促進などを最大の目的とした世界最大の愛猫非営利団体)によって、猫の血種として公認されます。なお、以前は、ふわふわとした長毛が特徴の種類を「キムリック」と呼んでいましたが、現在では、マンクスの「ロングヘア部門」として統一されています。

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マンクスの身体の特徴

とにかく丸い体

マンクスの体重は3kg~5kg。ずんぐりとした丸い体型が特徴で、しっぽがありません。丸い頭部に、マズルとウィスカーパッド(猫の鼻の横にある、ひげの生えた膨らんだ部分のこと)も丸く、ウィスカーブレイク(頬とウィスカーパッドの間にあるくぼみのこと)が明確にあります。頬が特に目立ち、ジャウル(えらのような部分)が張っているので、顔の丸さが強調されています。大きな顔にある目もまた大きく丸く、くりくりとしています。耳の大きさは中くらいで基部は広く、先端は丸くなっており、耳と耳の間は離れています。

中くらいのサイズのマンクスは、短胴で固く筋肉質で、コンパクトな印象を与えます。背は丸くカーブしており、胸はぶ厚く幅広くて、脇腹にも豊かな厚みがあります。そして、尻尾が無いことと同様に特徴的なのが、非常に幅が広く丸いお尻です。マンクスは、前足が短く後ろ足の方が長いため、自然とお尻を高く上げるような姿勢になり、走る時は、ウサギのようにぴょんぴょん飛び跳ねることもあります。ポー(足先)ももちろん丸みを帯びています。

マンクスの毛質と目色

マンクスの丸い体は、豊かな短毛と長毛に覆われており、首回りと腹部の毛が特に長めになっています。短毛は厚みがあり、やや硬めのダブル・コート。長毛は中くらいの長さのダブル・コートで、手触りは柔らかく、シルクのようです。瞳の色はカッパーを基本とし、ブルー、グリーン、オッドアイなど、毛色に準じています。

しっぽのあるマンクスもいる?

しっぽが無いのが一番の特徴とも言えるマンクスですが、実は短いしっぽがある種類もいます。わずかに短いしっぽがあるマンクスを「スタンピー」、中尾のマンクスを「ロンギー」、しっぽがまったくないマンクスを「ランピー」といいます。いわゆるキャットショーなどに出ることができるのは、ランピーだけとなっていますが、繁殖には両方が必要です。

なぜなら、ランピー同士の交配では致死遺伝子が働き、子猫は死産となるか、何らかの障害により生後4か月頃までに死んでしまうことが多いためです。しっぽが無い遺伝子は優性のため、母猫か父猫のどちらかがランピーであればランピーの子猫が生まれます。いずれにせよ、繁殖には、十分な知識と重大な責任が伴います。

尾曲がり、無尾の猫について

もともと、日本の家猫は、1980年代半ばまでは短くて曲がったしっぽを持つ猫が多い傾向にありました。しかし、近年ではまっすぐで長いしっぽを持つ猫が、主流になってきています。これは、血統猫などとの交配が進んだ結果だと考えられます。欧米の家猫の多くは、長くてまっすぐなしっぽを持ち、東南アジアの家猫ではしっぽが曲がった猫が多くみられるため、血統猫とのハーフの猫が、まっすぐなしっぽであることが多いようです。

猫のしっぽが曲がる原因はいくつかありますが、その原因の1つは、「仙椎(せんつい)」の数だと考えられます。仙椎とは、脊椎と尾椎(びつい)をつなぐ椎骨(ついこつ)のことで、通常は3つの骨が連なっています。この仙椎の数が3つあると猫のしっぽは長くなり、自然に下がる形になります。仙椎が2個だと、しっぽが短かったり、曲がっていたりすることが多く、胴も短くなります。

なお、しっぽの短い猫は臀部の筋肉が発達することで、しっぽとしての役割を補っているようです。しっぽの無い猫、マンクスにも、しっぽの形跡(1個の仙椎)がわずかに存在します。

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マンクスの性格

丸っこい体が可愛らしいマンクス。性格も、体型に沿うような、とても穏やかなところが特徴です。また、マンクスは忍耐強い部分も兼ね備えています。飼い主さんを信頼してくれるなど、まるで犬に似たような部分も持ち合わせた性格のマンクス。他の動物とも良好な関係を築きやすいでしょう。

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マンクスの毛色

マンクスの毛色は、レッド(赤みのある薄い茶色)、タビー(縞模様)、トーティシェル(黒と赤系統の色がモザイク状になった柄)、キャリコ(3色の毛。一般的に3毛といわれる種類で、基本はホワイト・ブラック・レッドの3色)やホワイトなど、多種多様です。

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全体的に丸い容姿でしっぽが無かったりと、個性の強いマンクス。発祥の歴史を辿ってみると、面白い発見もあり、マンクスの存在に少しだけ近付けた気分になりますね。穏やかで飼い主さんを信頼してくれる性格なので、猫好きはもちろんのこと、犬好きさんにもおすすめしたい猫種です。

監修  高野八重子先生

CFAオールブリード国際審査員。

サンフラワーキャットクラブセクレタリー、
ヤマザキ動物専門学校において「ネコ学・審査とグルーミング」の講義を担当。
著書に「猫の教科書」(緑書房 高野賢治氏との共著)、「猫の手入れがわかる本」(誠文堂新光社)などがある。

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