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室内飼いの猫も蚊に刺されることがある! 刺された場合の恐ろしいリスクとは?

毎年、蚊が出る時期になると、人の場合は蚊よけ対策などしますよね。ただ、対策をしていても家の中に入ってしまうことも…。猫飼いさんは、猫が蚊に刺されないか不安になったりしないでしょうか? 

今回は、猫は蚊に刺されるのか、刺された場合にどんなリスクがあるのかなどについて、ねこのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみることに!

猫も蚊に刺されることがある?

見つめる猫
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ーー猫も蚊に刺されることがあるのでしょうか?

ねこのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「ありますね。とくに体の中でも毛が薄い部分、耳の外側、鼻すじが刺されやすく、刺されると跡ができます。小さい痂皮のあるボコボコと腫れた湿疹ができ、とても痒そうに見えるでしょう。

猫自身は掻いていないと言われることが多いですが、アレルギー反応なのでつらいと思います」

ーー「こんな猫は刺されやすい」という傾向はありますか?

獣医師:
外に出る機会が多い猫は刺されやすいです。また、黒い猫は刺されやすい傾向にありますね」

猫が蚊に刺されることのリスク 猫もフィラリア症に感染する恐れも

眠る猫
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ーー猫が蚊に刺されるとどのようなリスクがあるのでしょうか?

獣医師:
「猫もフィラリア症になることがわかっています。蚊から寄生虫がうつり、心臓に寄生虫がすみます。そうすると苦しくなるので心臓が悪くなったり、突然亡くなったりする恐れがあるのです。

猫がフィラリア症に感染した場合、初期症状としては咳、食欲不振、嘔吐、下痢などが見られます」

ーー心臓に寄生虫…死んでしまうこともあるとは怖い病気ですね。フィラリア症は犬でよく聞く病気ですが、猫も感染する恐れがあるのですね。

獣医師:
「猫の場合は犬と違い、気づかれないケースが多いです。猫にフィラリアが寄生した場合、犬のように体内で成虫にまで発育しないことが多く、大部分は途中で死滅します。しかし、稀に猫の体内でフィラリアが成虫になることもあり、成虫の大きさは10cm以上になります。

成虫が寄生しても無症状のまま経過することが多いのですが、虫体の寿命が尽きたら血液に流され、比較的太い血管につまって猫が突然死するリスクが生じる、というわけです」

ーー寄生しても無症状だということは、飼い主さんも気づくことが難しいですよね…。

獣医師:
「猫の場合、犬のようにフィラリアの検査が容易ではありません。確実な診断と、体内に寄生したフィラリアの成虫の治療は、犬よりも難しいとされるのが現状です。

刺されてすぐにフィラリア症になるわけではないですが、フィラリア症は月に1回のお薬で予防できます。飼い主さんは、ぜひとも予防してもらいたいです」

猫のために飼い主さんができる「蚊対策」

見つめる猫
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ーー愛猫が蚊に刺されないように、飼い主さんができる対策はありますか?

獣医師:
「室内の蚊を退治するのであれば、通常の蚊対策の製品でよいと思います。猫がいたずらして摂取する可能性があれば、動物用を使いましょう。

外での蚊をよけるのであれば、動物用の蚊よけの製品が役立つかもしれません。私も周りの患者様も使用したことがないので、効果はわかりませんが」

ーー動物用の蚊よけ製品もあるのですね! 先述のように、猫が蚊に刺されることで怖いのはフィラリア症なので、月に1回のお薬で予防するのが効果的だといえそうですね。

獣医師:
「そうですね。完全室内飼いの猫でも、フィラリア症の感染が報告されることが増えているようです。完全な予防を考えるのであれば、動物病院で猫用のフィラリア予防・駆除剤を処方してもらうようにしましょう」


(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/柴田おまめ
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