「生まれ変わりかも…？」　ペットロスだった飼い主を救った保護猫兄弟、何ものにも代え難い愛おしい存在に

最愛の愛猫を亡くしたとき、心にポッカリと穴が空いたような感じになることがありますが、そこから救い出してくれるのは新しい出会いだったりすることも。

Instagramユーザーの@ungoro_nyaさんも、悲しみの中にいたところを保護猫兄弟・雅（みやび）くんと樂（がく）くんが救ってくれたといいます。

ねこのきもちWEB MAGAZINEでは、雅くんと樂くんとの出会いや今の暮らしについて、飼い主さんに2回に分けて（2020年12月／2022年6月に取材）お話を伺いました。

先住猫が旅立ち悲しみの中にいたところ、心を動かす出会いが

2020年8月、19年3カ月ずっと一緒に過ごしてきた愛猫・ゆうひくん（愛称：王子くん）が亡くなり、悲しみの日々が続いていたという飼い主さん。

そんなある日、たまたまとある猫カフェのInstagramを検索してみると、ゆうひくんに似ている「笹かま猫」のような保護子猫が育てられていることを知ります。

飼い主さん：
「家に篭って悲しんでばかりいるのも…と思い、癒しを求めて人生初の猫カフェへ行ってみることにしたんです。そこで、とっても小さな4匹の子猫ちゃんと出会いました。

子猫ちゃんたちの親猫は野良さんで、母猫も一緒に保護されましたが、エイズ陽性だったため生まれて1日で母子を離し、人の手で育てることになったそうです」

飼い主さん：
「生後12日の赤ちゃん猫を生で見るのは初めてのことでした。小さな耳がタグみたいにちょこんと頭の左右についていて、毛はホワホワしていて、目も開いたばかりで。小さな体でぷるぷる、よちよちと動き、『ごはーーーん』と鳴く姿を見て、気がつくといつの間にか笑顔になっていました。

それからは週2日、赤ちゃん猫たちの成長を見に猫カフェに会いに行きました」

「もしかしたら、ゆうひくんが生まれ変わったのかも？」と思うように

先代猫のゆうひくんがお空に旅立ち、近くの猫カフェで同じ笹かま猫の子猫が保護されている——「もしかするとコレは生まれ変わりなのかな？　13日で生まれ変わったりするのかな？　贈り猫ちゃんなのかな？」と、飼い主さんは子猫に会う度に、さまざまな想いが膨らんだといいます。

ゆうひくんが亡くなりまだ2カ月ほどしか経っておらず、「ちょっと早いかなぁ…」と悩むこともあったそうですが、ご縁を感じた飼い主さんは雅くんを家族に迎えることを決意したのでした。

雅くんを迎えるまでの間も何度か猫カフェに通っていた飼い主さんでしたが、そのときにこのような想いを抱くように。

飼い主さん：
「最初は雅だけお迎えしようと思ってましたが、会う度に表情がいつも可愛い樂の魅力に惹きつけられて。

兄弟で仲良く遊んだり気持ちよさそうにくっついて寝ていたりする姿を見て、夫に相談し、樂も一緒にお迎えすることになりました」

2匹はいつも一緒にいるほど大の仲良し

おおらかでおっとりしていて、ちょっとしたことでは動じないという雅くん。樂くんが甘え上手なのであまり目立たないそうですが、根はとっても甘えん坊なのだとか。

一方の樂くんは、動きが俊敏で元気いっぱい。飼い主さんが横になっていると顎の近くで寝て、ゴロゴロと喉を鳴らしてくつろぐ姿が見られるのだそう。とっても甘え上手で、よく喋るのだとか。

飼い主さん：
「『兄弟猫ってこんなにずっと一緒なの？』『お互いが自分の体の一部と思ってるのかな？』と思うくらい2匹はとっても仲良しで、いつもくっついています。

遊ぶときは、わーーーっと夢中になる樂と、樂が遊んでるときはそっと譲る控えめな雅。仲良しですが性格はちょっと違いますね」

19年ぶりの子猫との生活、初めは圧倒されることも

19年ぶりに子猫との生活をスタートさせた飼い主さん。最近ではずいぶん慣れたそうですが、ハイシニア猫との生活とは大きく違い、初めは圧倒されていたといいます。

飼い主さん：
「先代のゆうひは、子猫の頃から困るようなイタズラをすることがほとんどなく、穏やかで静かなコでした。

それと比べて、雅と樂はスイッチが入ると何にでも興味津々。何度注意しても我が道を突き進みます。人の食べ物にも興味津々なので、私たちの食事の際は2匹が近づきにくいように、キッチンのカウンターで立ち食いスタイルで食べることもあります（笑）」

飼い主さん：
「我が家に来た日、2匹で嬉しそうに足音を鳴らしながら部屋中を猛ダッシュで追いかけっこする姿を見たとき、あまりにも可愛くて笑ってしまいました。今は2匹の追いかけっこが始まったら、追突されないようにゆっくりと動くようにしています（笑）

また、以前は1頭飼いだったので気にしませんでしたが、雅と樂には愛情や触れ合い方が平等になるようにも心がけていますね」

2匹は何ものにも代え難い愛おしい存在

悲しみの中にいた飼い主さんを救ってくれた、雅くんと樂くん。約19年間、先代猫のゆうひくんがたくさんの幸せを与えてくれていたように、今は雅くんと樂くんが飼い主さんご家族にたくさんの幸せや笑いをもたらしてくれています。

飼い主さん：
「私にとって猫との暮らしは、とにかく笑顔が増え、穏やかで優しい気持ちになれます。癒しのパワーは絶大です。

見た目の美しさや可愛さはもちろん、鳴き声、しぐさ、動き、あたたかさ、空気感、すべてが何ものにも代え難い愛おしい存在ですね」

【2匹のその後に迫る】前回の取材後、どのような日常を送っているのかを聞いた

前回の取材から1年半が経過しましたが、現在の雅くんと樂くんはどのような暮らしを送っているのでしょうか。2匹のその後のエピソードについて、飼い主さんに改めてお話を聞きました。

——雅くんと樂くんはすっかり大人の猫になりましたね。現在の2匹の様子はどうでしょうか？

飼い主さん：
「前回の取材時は、何にでもイタズラをしてしまい目が離せなかった2匹ですが、現在1才9カ月になってだいぶ落ち着いてきました。今は人の食べ物への興味はほとんどなくなり、私たちはキッチンのカウンターで食べることはなくなりました。

雅はいつも物静かでほわんとしており、基本寝ていることが多いですが、遊ぶときになるとエキサイトするので、ダイナミックな動きに驚くこともあります。

樂はよくしゃべり、よく動き、甘えたいときは腕枕を要求してきます。数十分から1時間くらい動けなくなりますが、可愛くてメロメロになっていますね」

仲良しだけれど、関係性に少し変化も

——その後、2匹の関係性に変化は見られましたか？

飼い主さん：
「子猫の頃はいつも一緒だった雅と樂ですが、今はほとんどの時間を各々過ごしており、大人になって関係性に少し変化があったように感じます。

でも、朝夕のニャルソックやにゃんプロ、ごはん催促のチームプレイ、通りすがりの挨拶など、日に数回一緒の時間もちゃんとあります。寒い時期なんかは、ぴた〜っとひとつになりそうなくらいくっついて、幸せそうに寝ていますね」

2匹への思いとは

——改めてになりますが、雅くんと樂くんと過ごす日々をどのように感じていますか？

飼い主さん：
「『雅と樂がいない暮らしは考えられない！』というくらいに、2匹は私たちの生活や会話の中心になっています。2匹のおかげで私も夫も癒されまくり、笑顔も増量。我が家に幸せをたくさん運んでくれています。

『うちのコになってくれて本当にありがとう』と、2匹には毎日感謝の気持ちでいっぱいです」

写真提供・取材協力／Instagram（@ungoro_nyaさん）
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文／雨宮カイ