猫が好き
UP DATE
【専門家が解説】猫が死んだふりをするワケとは? かわいいけど、油断は禁物!?
でも、猫の死んだふりは珍しい行動なのでしょうか?また、死んだふりをする猫は、どのような気持ちでそうした行動をするのでしょうか?
そんな疑問に迫るべく、ねこのきもちWEB編集室では、専門家に話を聞いてみました!
犬と同じく、猫も死んだふりをすることがあるの?
「猫でも、そのような行動をする可能性はないとは言えません。ですが、犬よりもさらに稀ではないかと思います。
また、『嫌なことがあると聞いていないふりをする』という行動と、まったく身動きもせず、体を触るなどの刺激に対しても反応をしない『死んだふり』のような反応には、行動の性質に少し違いがある可能性がありますね」
「聞いていないふり」をするワケ
「まず、『嫌なことがあると聞いていないふりをする行動』から見ていきましょう。
たとえば、たまたまそのように振る舞ったら、実際に嫌なことを回避できたなどの、経験からの学習に基づいて身についた意図的な行動であることが考えられます。
これは犬に限らず、比較的多くの動物で見られます」
「もちろん猫でも見られますが、猫の場合には聞いていないふりではなく、人の手の届かない高いところや狭い場所にこっそりと逃げてしまうなど、もう少しはっきりとした拒否の態度をとることも少なくないでしょう」
「死んだふり」をするワケ
「特定のきっかけに対して、まったく身動きや反応をしない状況になる『死んだふり』は、一部の特定の昆虫や動物に見られる本能的な防御行動である、『擬死(ぎし)行動』に近い反応のようです。
通常、犬や猫でははっきりとした擬死行動は見られないものですが、個々の個体の性格や気質によっては、危機が去るまでは身動きしないでやり過ごそうとする、本能的な防御行動をとる可能性も否定はできないでしょうね」
「非常に稀なケースとして、驚いたり興奮したりなど、気持ちが高ぶった際に急に脱力して身動きが取れない状態になる『情動脱力発作(カタプレキシー)』という神経の発作によって、 まったく身動きや反応をできない状況になる場合があります。
もしも気がかりな症状が見られたら、かかりつけの動物病院でまずは相談してみてください」
死んだふりをする場合、多少のストレスを抱えているかも……?
「『嫌なことがあると聞いていないふりをする』という行動については、その嫌なことを避けるために、自分なりに考えた対応をしている、といった状況かと思います。
一方、まったく身動きや反応をしない、死んだふりのような状況になる場合は、その直前に非常に緊張したり怯えたりなど、多少のストレスを感じている可能性も否定はできません。
いずれにしても、その犬、もしくは猫は、嫌なことを避けたい気持ちでいっぱいということでしょう」
聞いていないふり、死んだふりは「個性的な反応」
「個体差はきっとあるでしょう。『嫌なことがあると聞いていないふりをする』という行動は、どんな動物でも経験や学習によって得られる可能性はもちろんあります。
『まったく身動きや反応をしない、死んだふり』のような状況になる行動も、もともとすべての犬や猫において見られる行動ではありませんので、やはり個体差のある、個性的な行動と考えることができるでしょう」
一見かわいい行動に見えますが、過度なストレスを感じていないか、飼い主さんはよく見ておきたいところです。
また、感情が高ぶったあとに脱力した場合はカタプレキシーの疑いがあるかもしれないので、そのときは獣医師さんに相談してみてくださいね!
参照/YouTube(いたずらが見つかり、死んだふりをする猫『寅吉』)https://www.youtube.com/watch?v=BXwUXRk4iC4
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/二宮ねこむ
UP DATE