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ケーキも夜景も猫に小判! 肉食動物ならではのざんねんな味覚&色覚【ざんねんな猫の生態】
「ケーキって何? 食べ物?」甘さに鈍感な猫の味覚
逆に、鈍感なのが甘み。猫飼いさんが甘〜いお菓子を食べていても、まったく欲しがらないのはそのためです。そもそも、ニオイも猫好みではありません。
例えば、イチゴのショートケーキ。上にのっているイチゴは酸っぱさしか猫は感じないので「腐っているもの」と判断して残してしまうでしょう。かろうじて、生クリームの脂肪分においしさを感じ、少し口をつける程度でしょう。
裏を返せば、猫が生きていくうえで、「甘み」は必要ないわけです。人間がおいしいと感じるほどの甘みは、猫にとって百害あって一利なし。猫にねだられて困る心配がないので、飼い主さんも安心してケーキが食べられますね。
デートの常套手段が通じない? 絶景の魅力半減な猫の色覚
夜行性の猫にとって、目が利くのは夜。真っ暗な中でも自由自在に動き回ることができます。逆に、昼間はあまりよく見えず、特に色覚が弱いため、人間ほど鮮やかな色は認識できないそうです。
例えば、澄みわたった青空は暗くくすんで見え、星の瞬きが美しい夜空は暗視カメラで見ているように明るく感じるとか。人間が鮮やかで美しいと感じる風景は、ほとんどの場合、猫には逆に見えます。「夜景を見せて口説く」というデートの常套手段は、残念ながら猫ちゃんには通用しないのです。
[監修]今泉忠明先生
哺乳動物学者。「ねこの博物館」館長、日本動物科学研究所所長。
「おもしろい!進化のふしぎざんねんないきもの事典」「おもしろい!進化のふしぎ続ざんねんないきもの事典」(ともに高橋書店)など、著書多数。
出典/「ねこのきもち」2017年12月号『ざんねんな猫の生態』
イラスト/モリヤ リョウコ
文/ヤマモト トモミ
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