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保護した警戒心の強い野良猫が心を開くまで “3年かけて築いた絆”に胸があたたかくなる

人を拒んでいた警戒心の強い野良猫。少しずつ心を開き、家族に甘えるようになるまでには、長い時間がかかりました。
推定6才になったサビちゃん。
推定6才になったサビちゃん。「出会った9月1日を誕生日、迎えた12月1日を“うちのコ記念日”にしています」と飼い主さん。
@mdr_1010
カメラに向かって穏やかな表情を見せる猫。X(旧Twitter)ユーザー@mdr_1010さんの愛猫・サビちゃん(取材時、推定6才)です。

2025年9月1日、飼い主さんはサビちゃんの写真とともに、こんな思いを投稿しました。

「あなたの本当の誕生日も年齢も知らない。どこから来たのかもわからない。でも、ここに来てくれて今ここにいる——その日が最初の記念日。6才の誕生日おめでとう」
今の穏やかな姿からは想像できませんが、サビちゃんは外の過酷な環境で生き抜いてきたコだったといいます。

警戒心の強い野良猫だったサビちゃん 約1年かけて保護に成功

保護する前のサビちゃん。
保護する前のサビちゃん。
@mdr_1010
出会いは2021年9月1日。飼い主さんが自宅の敷地で、数匹の子猫が遊んでいるのを見かけたことから始まりました。当時、家の周辺には野良猫がよく現れたため、飼い主さんは「保護したい」と思いながら見守っていたといいます。

しかし、その日を境に子猫たちは姿を消してしまいました。それでも諦めずに見守り続けたところ、約1カ月後、母猫と思われるサビ猫が姿を現しました。それが、サビちゃんでした。
保護する前のサビちゃん。
保護する前のサビちゃん。
@mdr_1010
サビちゃんを保護することを決意し、保護に向けて準備を進めたという飼い主さん。しかし、そう簡単にはいかなかったようです。
飼い主さん:
「サビはとても用心深く、姿だけ見せては去る日々。それでも諦めず見守り続け、姿を確認してから1年3カ月後の2022年12月1日に、ようやく玄関に入ってくれて保護に成功しました。

とても長い道のりで、保護できたときは本当にホッとしました」

“生粋の野良猫”だったサビちゃん “家猫”3年目の今は、家族に甘えられるように

保護して間もないころのサビちゃん。
保護して間もないころのサビちゃん。
@mdr_1010
推定3才と思われるサビちゃんを無事に保護できましたが、ここからが本当のスタートでした。

人と接してこなかったと思われる“生粋の野良猫”だったサビちゃん。お迎え当時は夜に大きな声で鳴いたり、床に体をこすり付けたりするなど、落ち着かない様子が続いていたといいます。
保護して間もないころのサビちゃん。
保護して間もないころのサビちゃん。「テーブルの中が安心する場所でした」と飼い主さん。
@mdr_1010
動物病院に連れて行くのも一苦労で、力加減を知らないサビちゃんは本気で噛んでしまうことも。飼い主さんは手を怪我して通院したこともあったそうです。
遊び疲れたサビちゃん。
現在のサビちゃん。「おもちゃでたくさん遊んで大満足」な一枚。
@mdr_1010
こうした日々を経て、飼い主さんは「一生、人には懐かないかもしれない」と覚悟していたといいます。しかし、3年が経った今では、嬉しい変化がたくさん見られるようになりました。
飼い主さん:
「警戒心が強くて臆病なのは相変わらずですが、甘えん坊で優しいコなんです。今ではナデナデが大好きになり、お返しに“鼻チュー”をしてくれたり、顔や髪をなめてくれたりします。

家族が忙しいときは遊びたくても我慢したりと、健気な一面も。遊んでいるときに間違えて人を引っ掻いてしまうと、すぐにやめて『悪気はなかったんだよ』というように目を閉じるんです」
ヘソ天するサビちゃん。
無防備なヘソ天ポーズもできるように!
@mdr_1010
人に対して無関心だったサビちゃんは、飼い主さん家族の前では甘えられるようになりました。飼い主さんは「こんなにも心を開いてくれたことが、嬉しくてたまらないです」と話します。

かつては、声をかけるだけで逃げていた日々もあったといいます。それでも少しずつ距離が縮まり、今では名前を呼ぶとしっぽを振り、ゴロゴロと喉を鳴らすようになり——。

人との暮らしのひとつひとつに時間をかけながら、サビちゃんは少しずつ“家族の一員”になっていったのです。

「外での過酷な暮らしもすべて忘れてしまうくらいに、今を幸せに生きてほしい」

まったりするサビちゃん。
美しい横顔に惚れ惚れ。
@mdr_1010
今年で推定6才を迎えたサビちゃんは、あたたかい飼い主さん家族の家で“第2の猫生”を歩んでいます。

サビちゃんとの出会いを振り返り、飼い主さんは「外での過酷な暮らしもすべて忘れてしまうくらいに、今を幸せに生きてほしい」と思いを語っていました。
飼い主さん:
「サビは外で暮らした3〜4年の間、大雪の中でもひとりで生き抜いて、何度か子猫も育て上げていたのでしょう。

サビの子猫たちのことは、今となってはもう知ることはできません。子猫たちに何もできなかったことはとても悔やまれますが、そのことも含めて、せめてサビのことは安心して暮らせるように守っていこうと思います。

サビがいつかその命を終えるときには、『ここに来てよかったなぁ』と感じてほしい。それが、私たち家族の一番の願いです。そう感じてほしいから、これからも精一杯愛し続けます」
写真提供・取材協力/@mdr_1010さん/X(旧Twitter)
取材・文/雨宮カイ
※この記事は投稿者さまに取材し、了承の上制作したものです。2025年11月時点の情報であり、現在と異なる場合があります。
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