「2匹が我が家を選んでくれたんだ」と思い、家族に迎えた保護子猫　のちに飼い主に大きな影響をもたらすことに

「今思うと、2匹が我が家を選んでくれたんだと思います」と話すのは、Instagramユーザー@rikukaikuu0316さん。

保護当時の海くん、空ちゃん — （写真左から）海くん、空ちゃん。保護当時の様子。

2019年11月、飼い主さん家族は保護された兄妹猫・海（かい）くん（撮影時、生後1カ月半）、空（くぅ）ちゃん（撮影時、生後1カ月半）を家族に迎えました。

2匹とはどのような出会いだったのでしょうか。出会いのエピソードや、成長した現在の様子について、飼い主さんに詳しいお話をうかがいました。

猫をお迎えしようと考えていたときに、2匹との出会いが

お迎えしたばかりの頃の海くん、空ちゃん — （写真左から）海くん、空ちゃん。お迎え当時の海くんは猫風邪がひどかったそう。

2匹と出会うおよそ1年半前、飼い主さん家族は13年一緒に暮らした愛犬・陸（りく）ちゃんを亡くしました。「こんなに悲しい思いをするなら、二度と動物は飼わない」と決めていたという飼い主さんですが、娘さんが「どうしても猫を飼いたい」と懇願してきたのだそう。

娘さんの強い思いもあり、飼い主さん家族は猫を迎えることを前向きに考えることに。お迎えするコをペットショップで探し始めたときに、息子さんがお世話になった野球チームのグラウンドに2匹の子猫が現れたのだとか。

その2匹の子猫が、のちに家族になる海くん、空ちゃんだったそうです。

当時の出来事について、飼い主さんは次のように話しています。

飼い主さん：
「主人がその野球チームでコーチをしており、練習から帰ってきて『白い子猫が2匹いた』と言うので、来週までいたら保護しようと話をしていました。

しかし、翌週グラウンドに行くと子猫たちはおらず、グラウンドに来ている保護者に話を聞いたところ『保護してボランティアさんのお宅にいる』とのことだったんです。

監督によると、『ここで30年野球を教えているが、グラウンドに猫がいたのは初めて』とのことでした。私たちがお迎えするコを探していたときに現れたこともあって偶然とは思えず、そのコを迎えたいと思ったんです」

その後、飼い主さん家族はボランティアさんに連絡をとることに。当初は1匹だけのお迎えのつもりだったそうですが、譲渡の条件が「兄妹のため2匹一緒に」だったのだとか。

猫を飼うことが初めてだった飼い主さん家族は、多頭飼いをすることに不安があったそうですが、家族でよく話し合って2匹をお迎えすることを決意したそうです。

「兄妹一緒に迎えられて本当によかった」と実感する日々

海（かい）、空（くぅ）と名付けられた子猫たち。2匹の名前には、次のような思いが込められているのだとか。

飼い主さん：
「亡くなった愛犬が陸（りく）という名前でしたので、海（かい）と空（くぅ）で『陸海空！！』。長女が『陸との繋がりもできていい！　陸のことも絶対忘れないよ』と、次に動物を飼うならこの名前と決めていたんです。長女の思いに全員賛成で、名前が決まりました」

成長した海くん、空ちゃん — （写真左から）海くん、空ちゃん。成長した現在の様子。

飼い主さん家族の愛情をたくさん感じながら育った2匹は、現在4才のおとなの猫になりました。2匹はどのようなコに成長したのでしょうか。

飼い主さん：
「海は何でも食べる食いしん坊で、甘えん坊なコです。すぐおなかを出してナデナデの催促をしてきますが、怖がりなため私以外には懐きません。いつも空にくっついています。

反対に、空は好奇心旺盛で誰が来てもスリスリ寄っていくタイプ。帰ると玄関まで迎えに来てくれたり、最近は台所に立つとオヤツの催促をしてきたりと、甘え上手なコですね」

兄妹とても仲が良いという、海くんと空ちゃん。お迎え当初は多頭飼いの不安があった飼い主さんですが、いつも一緒にいる2匹の姿を見ると、「一緒に迎えて本当によかったなぁ」と思うそうです。

2匹は、飼い主さんに大きな影響を与えていた！

もともと「大の犬派」だった飼い主さんですが、海くんと空ちゃんを家族に迎えたことで猫の魅力を知りました。2匹と家族になって1年半後に、飼い主さんは新たに天（てん）くんを保護して家族に迎えたそうですが、そのことが飼い主さんに大きな影響をもたらしたそうです。

飼い主さん：
「保護した天と一緒に暮らすようになってから、海と空は面倒見がいい姿を見せていました。本当の親子のように過ごす3匹の姿がたまらなく愛おしくて、それからは個人で猫の保護活動を始めるようになったんです。

もともと犬派だった私は、海と空と出会うまでは猫と暮らすことは想像もしていなかったので、娘の懇願がなかったら今の生活はなかったと思うと、娘に感謝ですね」

「1匹でも多くの猫ちゃんたちが幸せになってほしい」

愛猫たちに囲まれて、幸せな日々を過ごしているという飼い主さん。最後に、愛猫たちとの暮らしについてこう話していました。

飼い主さん：
「海や空たちのおかげで『早く家に帰ろう』という気持ちになり、お出かけも少なくなりました。家で過ごす時間が幸せです。お金の使い方も変わり、買い物に行っては猫の物ばかり買っています。

愛猫たちには、ずっと穏やかに過ごしてほしいと願っています。また、1匹でも多くの猫たちが幸せになれるよう、保護活動も頑張っていきたいです」

写真提供・取材協力／@rikukaikuu0316さん／Instagram
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文／雨宮カイ