猫が好き
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「もう大丈夫だよ」庭に現れ悲痛な鳴き声をあげる子猫、保護後の甘えん坊な姿にほっこり
むぎちゃんと飼い主さんが初めて出会ったのは、2024年3月11日、早朝のこと。庭から猫が何かを訴えるように鳴き続けていたため、様子を見に行くと、そこにはよく庭に姿を現す地域のボス猫に連れられてやって来たむぎちゃんがいました。
実は、飼い主さんがこのように猫がほかの猫を連れて来るのを目にしたのは、むぎちゃんが初めてではありません。先住の親子猫ロクちゃん(取材時、2才)とふーちゃん(取材時、3才)、そして、アッシュちゃん(通称・あっちゃん、取材時、8才)もまた、ボス猫から「このコを頼みます」と託されるように出会い、お迎えしました。
飼い主さん:
「今回も『ああ、また来てしまったか……』と思いました。これまでにも、オス猫は現れてもそのうちどこかへ行ってしまいますが、メス猫はそのままいついてしまいうちのコに……。そのため、むぎちゃんが姿を現した瞬間、『さて、このコはどうしてあげるべきか』と、すぐに考え始めました」
飼い主さんは、「庭からいなくなった場合は、そのまま様子を見る。保護する場合は、お迎えしてくれるおうちを探すか、うちでお迎えする」ことに。その結果、むぎちゃんは、庭から立ち去らず、ずっと鳴き続けたのです。
飼い主さん:
「その間、ボス猫はずっと、むぎちゃんに寄り添っていました。一瞬、鳴き止むことはあっても、窓辺で様子を見ているロクちゃんとふーちゃんの姿をみつけると、再び、大きな声で鳴き始める……。その鳴き声は、凄まじく、とても切実な様子で、『家の中に入れて』と訴えているように感じられました」
飼い主さん:
「このままではあまりにもかわいそうだと思い、親の同意を得て、保護しました」
飼い主さんのおうちに迎えられたむぎちゃんは、しばらくの間、飼い主さんの部屋で過ごすことに。最初は、粗相をしたり、鳴き続けたりと落ち着かない様子でしたが、少しずつ慣れていきました。
飼い主さん:
「だんだんと本来の人懐こさが見られるようになり、寝転がって『嬉しい』とアピールするように……。『もう大丈夫だよ』と優しく声をかけると、ホッとしたような顔つきになって、ゴロゴロとのどを鳴らしながら毛づくろいをする姿を見たときは、とてもうれしかったです」
お転婆ガール・むぎちゃんと過ごすにぎやかな日々
一方、新しい家族を迎え入れることになったロクちゃん、ふーちゃん、あっちゃん。むぎちゃんとは、現在、どのような関係性を築いているのでしょうか?
飼い主さん:
「ロクちゃん、ふーちゃんは、比較的、すんなりとむぎちゃんを受け入れ、興味津々といった様子でしたが、むぎちゃんが強く拒絶するので、どう接していいかわからず敬遠している状況です。また、むぎちゃんは、あっちゃんのことも威嚇し、さらに攻撃を仕掛けます」
「もともとは、『ロクとふーちゃんvsあっちゃん』、今は『ロクとふーちゃんvsあっちゃんvsむぎちゃん』という対立関係になりました。ロクちゃんは、穏やかで中立的であるものの、女のコ同士のバトルはなかなか激しく……。仲良くしてもらうためにはどうしたらいいのか、悩みどころです」
飼い主さん:
「むぎちゃんは、好奇心旺盛でお転婆。避妊手術後、しばらく療養生活をしていたとき、棚から棚へと渡って天井近くにある大きな絵画の額縁裏に入り込んだことも。年季の入ったホコリを落としてくれました」
どうやら、むぎちゃんは、おうちでの生活を満喫しているようですね。改めて、飼い主さんに“猫と暮らす魅力”について伺いました。
飼い主さん:
「猫と暮らす魅力は、最上級の癒やしと幸せでしょうか。猫と触れ合うことで、幸せホルモンが脳内大放出され、ストレスが軽減される気がします。ごはんやトイレなどのお世話をすることも喜びのひとつ。トイレは発掘調査みたいで楽しいですし、撫でたり猫吸いしりすると、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが出て気持ちよくなります」
「一緒にハイハイしたり、頭コッツンコしたり、ぱちぱちと瞬きをして愛を伝え合ったり、猫の鳴き方で会話したり……。ときどき猫になって、猫と戯れます。とても人には見せられないそういった姿で猫と過ごすとき、この上ない幸せに包まれるのです」
写真提供・取材協力/@shizuku_drop31さん/X(旧Twitter)
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文/佐東みかん
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