猫が好き
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「このままでは命を落としてしまう」 壁の隙間でボロボロになって鳴く子猫 4年後には見目麗しい美猫に!
投稿したのは、飼い主の@LastCowboyiさん。
当時、飼い主さんが経営する会社の事務所があった愛知県名古屋市で小さな子猫だった愛猫のトーイちゃんを保護しました。
飼い主さんと事務所のスタッフさんは、子猫の姿を目にして「こんな偶然があるのだろうか」と、びっくり。実は、トーイちゃんと出会う前、会社でよく話題に上がっていたあることが関係しているようで……?
当時の状況や現在のトーイちゃんについて、詳しいお話を伺いました。
■ビルの7階まで届く子猫の悲痛な鳴き声

飼い主さん
「トーイを保護したのは、2019年6月11日でした。そこで、“11”を漢数字にすると“十一”、それを“トゥとイチ”と読むことからトーイに。しかしながら、そのままでは単純すぎてかっこうよくないと思ったので、昔、人気だった漫画のタイトルにあてて命名しました」
トーイちゃんは、現在、先住猫で、同じく元保護猫の男の子「夏芽(なつめ)」くんと女の子「テン」ちゃんと一緒に暮らしています。
トーイちゃんが姿を現したのは、当時、愛知県名古屋市にあった飼い主さんの事務所近くでした。小雨が降り、肌寒かったその日、飼い主さんと事務所のスタッフさんは、窓の外から猫の鳴き声が聞こえてくることに気づきました。急いでベランダに出て耳を澄ませると、7階の事務所からもよく聞こえるほど、はっきりと子猫の鳴き声であることがわかったそうです。
飼い主さんと事務所のスタッフさんは、急いで現場へ駆けつけました。
飼い主さん
「釣り用の網を持って近所を探すと、子猫は、その日、休業していた花屋の壁に入り込んでいました。警戒心が強く、なかなか隙間から出ようとしません。そこで、保護猫の会の知人に連絡。アドバイスを受けた方法で、子猫にアプローチしましたがうまくいきませんでした」

それから30分後、再び、様子を見に行った飼い主さんと事務所のスタッフさんは、ようやくチャンスをつかむことに。
飼い主さん
「さっきまでいた隙間に子猫の姿はありませんでした。すると、突然、背後から子猫の鳴き声が。どうやら壁から抜け出したようで、ずぶ濡れになりながら駐車場の隅っこに身を寄せていました。私は網を片手にスタッフと一緒に子猫を追いかけ、ようやく保護することができました」
■風邪を引いて衰弱した子猫 懸命にケアをする日々

そこで、先住猫の夏芽ちゃんが使用していたケージを組み立て、子猫用のごはんとお皿を用意。中に毛布を敷いて、人肌に温めたミルクを与えながら見守ることにしました。
その後、保護猫の会のサポートを受けて、子猫を連れて動物病院へ。毎日、目薬をさすのはとても大変でしたが、そのかいあって、トーイちゃんの目はみるみるうちに良くなり、しばらくすると完治しました。
飼い主さん
「当時、トーイは生後わずか2ヶ月ほどだったのではないかと思います。そばに親猫の姿は無く、見るからに弱っていることがわかったため『このままでは命を落としてしまう。何とか保護しなければ……。」と、とにかく必死だったのを覚えています」
■何気なく語っていた理想の子猫とのご縁にびっくり

飼い主さん
「トーイをお迎えすることに迷いはありませんでした。以前、保護猫の会が開催する譲渡会に参加して、地域猫や保護猫が増えている現実を目の当たりにした経験あったことから『自分たちでお迎えできる範囲で保護したい』と思っていたためです。また、その少し前から、お互いに白猫が好きだった事務所のスタッフと『白猫をお迎えしたいね。でも、そんなに都合よく出会えないよね」と話していた矢先、白猫のトーイが現れたので、とても不思議な縁を感じました」
こうして、出会うべくして出会ったトーイちゃんと飼い主さん。その後、すくすくと成長して、やんちゃで冒険心にあふれたレディになったそうですよ。
飼い主さん
「トーイは、台所の棚など『どうやってそこに登ったの!?』というような場所によく上ります。そして、自分では下りることができないため、私たちが脚立を使って下すことも。先住猫の夏芽はとても穏やかな性格をしていますが、トーイは正反対です。電話のブッシュボタンを押したり、壁を登ろうとしたり、押し入れの奥に入って出られなくなることあります」
飼い主さんからは「やんちゃ姫」と呼ばれるトーイちゃん。新たにお迎えされたテンちゃんのことは、本当の妹のようにかいがいしくお世話をしているそうです。
飼い主さん
「姉御肌なのか、長男の夏芽を差し置いて、一家の長のように振る舞っています。そんな強気に見えるトーイですが、甘えん坊で臆病な一面も。玄関のチャイムが鳴るとダッシュで逃げます(笑)。また、私が寝ていると毛布に入って来て、私が毛布から追い出されることもあります。抱っこしながらお腹をさすると、『ンニャ〜」と鳴いて喜ぶので、楽器を演奏するかのようにさすって遊んでいます」
■猫たちのために会社を移転 そして新たな猫との出会いも!

飼い主さん
「周りをよく観察することになりました。テンちゃんを保護するきっかけにもなったように思います」
まるで、猫のほうから飼い主さんを見つけてそばにやって来ているように感じられますね。飼い主さんに「猫と暮らす魅力」について伺うと「正直、ある意味大変ですよね。明け方に起こされたり、抜け毛も多くブラッシングが大変だったり……」と率直な考えを明かしています。
飼い主さん
「マイペースで甘えてくれることもあって、とても癒やされます。仕事で『しんどいな……』と思うことがあると、そばにいてくれることも。よくあとを付いて来てくれるところも、かわいくてたまりません。夜更かしをすると『早く寝よう』と訴えるようにこちらを見つめます。そこで、私がベッドで横になると、少し間を置いて、トーイも寝る体勢に入ります」
一見、自由気ままに見える猫ですが、実は、飼い主さんのことをよく観察していることがわかりますね。どうやら、トーイちゃんにとって飼い主さんは親代わりになっているようです。これからも、“きょうだい”や飼い主さんたちとにぎやかで楽しい毎日を送っていくことでしょう。
写真提供・取材協力/@LastCowboy
取材・文/佐東みかん
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