きみの名は…【渋ネコししまるさん】#2

子猫の頃は＂ある大女優のお顔＂に似ていました。

『きりん』

初めてししまると出会った頃、私は彼をそう呼んでいました。
今日は、そんな『きりん』と呼ばれていた頃のししまるとの出会いについて書こうと思います。

2010年の6月頃の話です。
私とししまるは、近所のホームセンターに併設されているペットショップで出会いました。
結婚を機に引っ越したばかりの私は、近所のホームセンターで必要なものを買いそろえた後、使うことのない謎の工具コーナーを楽しみながら、ふらふらと歩いていました。
すると、店の奥にあったペットショップが目に留まり、動物好きな私は足早にかけよりました。

↑子猫時代のししまる

これが、子猫時代のししまるの写真です。この頃の写真はこれ一枚しかありませんが、実物のししまるは、もう少し個性的な顔をしていました。

私は一瞬で、ししまるのとりこになりました。

妄想から戻った私は、ふと何かに気が付きました。

「この猫、誰かに似ていない？」

と私が妻に言うと、妻はこう答えました。

「なんだか個性的な顔をしてるけど…誰だろう？」

私は、子猫のししまるをじっと見つづけ、頭の回路をフル活動させます。
すると、誰かの顔が浮かんできました。

今思うとあまり似ていないのですが、その時の私は、子猫のししまるが大女優の樹木希林さんに似ているように見えました。
そして私たちは、ししまるを『きりん』と呼ぶようになったのです。

ホームセンターにはよく遊びに行っていたので、子猫のししまるに会うたびに「よう！きりん！元気かい？」と、心の中で声をかけていました。
そうこうしているうちに、私たちは『きりん』という名のししまるに少しずつ惹かれていきました。
でも、いつも心の中でのさよならは、この言葉でした。

「いい人に出会えるといいね」

この時の思いは、ししまるに届いていたのでしょうか？
横で寝ているししまるに、ちょっと聞いてみたくなりました。

今日の一枚「全力睡眠」↓

登場人物の紹介

Taco（たこ）プロフィール

東京在住の漫画家・イラストレーター・キャラクタデザイナー。
「ちいさな猫を召喚できたなら」「3匹のちいさな猫を召喚できたなら」「ぷっちねこ。」（徳間書店）など、好評発売中。「ちいさな猫を召喚できたなら」は重版後、韓国版も発売。今年は中国版とインドネシア版が出版予定。
現在、Web上では不定期に新作漫画を更新中。詳しくは以下のSNSへ。
・Instagram
　Tacoのインスタ： @tacos_cat
　ししまるのインスタ： @emonemon
・Twitter：@taco_emonemon