一日でも長く元気に暮らせたら…
「猫エイズウイルス感染症(通称、猫エイズ)」は免疫機能を破壊する猫免疫不全ウイルスが体内に侵入して感染します。深刻な病気ですが、感染しても症状が出ないまま、元気に過ごしている猫が多いのも事実です。そんなエイズキャリアの猫の生活ぶりを飼い主さんに伺いました。
千葉県 Y・Sさんの愛猫、銀四郎くん(オス・9才)は、エイズキャリアです。その暮らしぶりについて聞きました。
のんびり&快適な環境づくりを心がけています
2013年に地域猫の銀四郎と出会い、私にもなついてくれたので、一緒に暮らしたいという気持ちが膨らんでいきました。家に迎える決心をし、動物病院でウイルス検査をしたら猫エイズに陽性反応が……。でも気持ちは変わりませんでした。
飼い主さんと銀四郎くん
一緒に暮らし始め、最初の頃は病気を気にして神経質になったことも。そんなとき、かかりつけ医から「元気なら自然のまま過ごさせて」というアドバイスをもらって、気が楽になりました。部屋を適温にしたり好きな場所をたくさん設けたりと、銀四郎がのんびり過ごせるよう、快適な環境づくりを心がけています。うちには持病のない同居猫もいますが、健康状態や活動量に違いはなく、毎日元気。1日でも長く、このまま一緒にいられたらと願っています。
銀四郎くんの暮らしぶりを拝見!
それでは、エイズキャリアの猫、銀四郎くんの生活を写真とともに拝見!
手作りぬいぐるみをおもちゃに
飼い主さんは手芸が趣味。銀四郎くんにも手編みのぬいぐるみを、おもちゃとして与えているそうです。
基本的に食欲旺盛。便秘のときはサプリを使用
嗜好性の高いドライフードがお気に入りで、食欲も旺盛とか。便秘気味のときは獣医師の勧めで、ペーストタイプのサプリをなめさせることもあるそう。
ストレス解消に一役買う爪とぎベッドは必需品
インテリアにもマッチしている爪とぎベッド。ストレスをためないために銀四郎くんの好きな素材をチョイスしているそう。
同居猫とは付かず離れず、いい関係
同居猫の小夏ちゃん(アメリカンショートヘアー)とはベッタリではないものの、追いかけっこして遊ぶなど、いい関係だとか。
1年中、快適な室温にコントロール
銀四郎くんが快適に過ごせるよう、室温には細心の注意を。夏はエアコン、冬は床暖房で適温にコントロールしているそうです。
存分に日向ぼっこできる場所を開放
一軒家で窓が多く、日向ぼっこできる場所もたくさん。 見晴らしのいい2階の出窓は、とくにお気に入りの場所に。
一緒に寝て、腕枕でスキンシップ
甘えん坊の銀四郎くんは飼い主さん のベッドで、毎日腕枕で寝ているそう。双方ともに至福のときですね!
いかがでしたか。猫エイズは、感染すると間もなく軽い症状が見られ、そのあと感染前と変わらず元気に過ごせる「無症候キャリア期」に入ります。エイズキャリアはこの未発症の状態のこと。発症させないためには、ストレスのかからない環境づくりが最重要といわれています。銀四郎くんのようにのんびりと快適に過ごせるといいですね。
参考/「ねこのきもち」2020年7月号『エイズキャリアです。でも今日ものんびり元気です!』(監修/王子ペットクリニック院長、重本 仁先生)
撮影/奥山美奈子
文/犬神マツコ
※この記事で使用している画像は2020年7月号『エイズキャリアです。でも今日ものんびり元気です!』に掲載されているものです。