夜、寝ようとしたときに、猫が布団に入ってきたり、飼い主さんにぴったりと寄り添って寝ていたりすることはありませんか?実は、このような飼い猫の「密着好き」は、野生時代にルーツが隠されています。今回は、猫が飼い主さんと密着して寝たがる理由を、生態から読み解きます!
密着すると、安心してリラックスできる
野生時代の猫は、外敵から身を守るために、穴蔵で暮らしていました。群れを成さない猫にとって、体の5方(上下、左右、背後)を囲われている穴蔵は、安心して休める居場所。その名残から、飼い猫も安心感を得るために、「好きなもの」や「信頼できる相手」に、体を密着させることを好むようです。大好きな飼い主さんと密着すると、安心して寝られるのでしょうね。
寒さに弱いので、温まりたい
野生時代から、猫は“暑さに強く寒さに弱い”体質です。そのため、穴蔵でしのげないほど寒い日には、「血縁関係のある」猫同士でくっつき合って、体を温め合っていました。もともと単独行動をする猫ですが、信頼のおける母猫やきょうだい猫には、心を許していたようです。その名残から、飼い猫も体温調節のために、飼い主さんや同居猫に密着するのだとか。
ちなみに、猫同士での場合、母猫やきょうだい猫以外では、異性同士の方が仲良く密着しやすいといわれています。一方で、猫と人、猫と犬など異種間の場合は、性格や雰囲気の方が重要視されるようです。
「甘えたい」という欲求が満たされる
野生時代には警戒心の強かった猫ですが、人と暮らすうちに、フレンドリーな性格になっていったといわれています。「可愛くして、甘えているほうがイイコトがある!」と学び、どんどん甘えん坊な性格になっていったようです。飼い主さんと密着して寝ることで、甘えたい気持ちが満たされ、安らげるのでしょう。
猫の性格は、「社会化期」といわれる子猫(約3ヵ月)の時期の過ごし方で決まるのだといわれています。そのため、社会化期のときに人やほかのペットなどと触れ合う時間が多いと、フレンドリーな性格になることが多いのだとか。
猫が寄り添って寝るのは、信頼の証
このように、猫にとって一緒に寄り添って眠ることができる相手は、安心できる相手だということ。飼い主さんを信頼しているからこそ、一緒に寝ることで、安らぎを得られるのですね。飼い主さんはこれからも、猫にとって「安心できる居場所」でいてくださいね♪
参考/「ねこのきもち」2016年10月号『音が聞こえてきそうなほど!!ただいま猫、密着中です♡』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/いけてぃん
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。