猫と暮らす
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猫に必要な栄養素を知ろう!必須栄養素の種類とそのはたらき
飼い猫は自分で食物を選べない。栄養を管理するのはあなた。
栄養が不足すると、健康な体に成長できなかったり、病気をしやすくなったり、寿命に影響が出たりします。
生命を維持するのに必要な栄養素の割合や必須栄養素(下欄参照)は動物ごとに異なります。必須栄養素は「総合栄養食」で網羅できますが、飼い主として正しい知識をもっておきましょう。
食物から摂りたい「必須栄養素」。
水は、生命維持にもっとも必要! 新鮮な水をいつでも飲めるようにしましょう。
動物が1日に必要とする水分量(mL)は、その動物が1日あたりに必要なエネルギー要求量(Kcal)とほぼ同じ。ですが、下痢やおう吐の症状があるときや、フードがウエットかドライかによっても異なります。
新鮮な水がいつでも飲める環境を用意するとともに、愛猫が1日に飲む水の量を把握し、異常に気付いたら動物病院で診てもらいましょう。飲む量の急な増減は、病気の兆候の一つです。
たんぱく質は、体の組織や免疫機能のもと。成長期にはとくに必要!
肉食動物である猫は、炭水化物を主なエネルギー源とする人や犬と異なり、摂取したたんぱく質をふだんからエネルギー源として利用しています。このため、猫は犬よりも多くのたんぱく質を必要とします。また、妊娠・授乳期や、やけどや外傷、がんがある場合などは、より多くのたんぱく質が必要です。
たんぱく質は、必要量だけでなく、内容も犬とは異なる。
ドッグフードには猫にとって充分なタウリンが含まれていません。キャットフードとドッグフードでは、たんぱく質の割合だけでなく、含まれているアミノ酸の種類も違うのです。
炭水化物は、多すぎると、肥満のもとにも。
肉食動物である猫は、フード内の炭水化物が少なくても、たんぱく質が多ければ、充分な血糖レベルを維持することができます。一方、大量の炭水化物を吸収しても、それを効率的に利用する能力が劣ります。
甘みを感じることは、植物を食べ、エネルギー源として糖分を多く利用する
動物には大切な機能です。このため雑食性の犬は糖の味を感じることができます。しかし、植物を食べない猫は、糖の味を感じる機能を退化させてしまっています。猫は大量の糖を利用する能力をもたないので、ご飯(炭水化物)に味噌汁とかつおぶしをかけたような昔ながらの「ねこまんま」は、たんぱく質が足りないばかりか、猫に適切な食事とはいえません。
炭水化物は、乾物ベース(水分を除いた分)で全体の重量の35%程度までなら問題なく利用できますが、果糖は利用できません。猫には甘いものを与えないほうがよいでしょう。
腸内を整える繊維質は、多すぎないように調整されている。
繊維質については、ペットフードの成分の表示に「粗繊維」として記載があります。繊維質については、多すぎるとフード全体のエネルギー量が低下したり、一定の栄養素を摂取できなかったりするおそれがあることから、「○%以下」といった、一定の割合以下を保証する形で記載されています。
脂肪は、効率のよいエネルギー源。一方で、肥満のもとにも・・・。
肥満のもとというと警戒してしまいますが、脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、体内で合成できない必須脂肪酸の供給源となったりといった必要なはたらきもあるので、適切な量をとりたい栄養素です。また、運動量が多いときや妊娠・授乳中のエネルギー源としてや、ほかのエネルギー源の摂取が制限されるときにも多く必要とされます。
必須脂肪酸が適切に含まれた食事を与えたい。
脂肪酸は、エネルギー源となるだけでなく、細胞膜の構成成分となったり、健康な皮膚や被毛を保ったり、ホルモンや酵素などを合成するなどの重要なはたらきをしています。このうち、体内で合成できないものを必須脂肪酸といい、食事で摂取する必要があります。猫の代表的な必須脂肪酸は、リノール酸やα-リノレン酸(ALA)、アラキドン酸です。これらは不飽和脂肪酸で酸化しやすいため、ドライフードは酸化を進める光や高温を避け、空気を遮断して保存します。
ミネラルは、成分表示は部分的でも、大切なはたらきをしている。
このうちAAFCO(米国飼料検査官協会)が摂取基準を定めているのは
12種類で、日本の総合栄養食のキャットフード・ドッグフードも、この指針にならっています。記載の取り決めはありませんが、健康管理のうえで関心の高いミネラルの量については、記載するなどの工夫もされています。
ミネラルの過剰や不足は、他のミネラルのはたらきにも影響が。
カルシウムとリンは、骨や歯の主要な構成成分であるほか、血液や体液の中にも存在し、常にバランスを保ちながら、さまざまな機能を担っています。このバランスがくずれてカルシウムの割合が小さくなると、バランスを戻すために骨のカルシウムが使われて骨密度が低下します。
このように、ミネラルは他のミネラルの機能を低下させたり、助け合って機能したりするという複雑な関係にあります。このため、個々に適正量を摂取するだけでなく、バランスを保つことがとても大切です。
ビタミンは、基本的には必須栄養素。過剰摂取に気をつけるべきものも。
ビタミンは、液体への溶け方の性質から、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。どちらも欠かせない栄養素ですが、水溶性ビタミンは尿に溶けて体内から失われやすいため毎日の必要量を摂取する必要がある一方、脂溶性ビタミンは体内に蓄えられるため適量を超えて摂取しないように配慮する必要があります。脂溶性ビタミンのサプリメントの乱用は避けましょう。
ビタミンは、成長期には専用フードで、しっかりと補いたい。
ビタミンは、成長期と繁殖期には、新たな組織を次々とつくるために多く必要となります。
また、イカなどの生の魚介にはチアミン(ビタミンB1)を分解するチアミナーゼが、生の卵白はビタミンB群のビオチンと結合するアビジンという物質が含まれていて、猫に食べさせると欠乏症が起きるおそれがあります。
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