猫と暮らす
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猫を看取ることはどうしてつらい? 猫との関係性について専門家に聞いた
今回は、猫の看取りがどうしてつらいのかについて、ご自身のペットロスの経験から「猫社会学」を立ち上げた、大学教授の赤川学先生にお話を聞きました。
猫を看取る経験の構造的把握
研究テーマとして手がけたのは、「猫を看取る経験の構造的把握」。分析の結果、猫を看取る経験は、「飼う躊躇」「衝動飼い」「猫の家族化」「モノ化する悲しみ」「自然に還る死」「消えない悲嘆」「悔いなき看取りと死の受容」の7種類のシンボルマークに整理することができました。
このなかでも、「猫の家族化=猫は対等な家族の一員であり、猫の死は人間の家族並みに悲しい」という気持ちがうかがえます。また、「モノ化する悲しみ=猫が遺体・遺骨となっていく過程を観察するのは、つらく悲しい」「消えない悲嘆=猫の死のつらさ・悲しさは克服困難であり、悲嘆は消えず、後悔の念にもかられる」という気持ちがうかがえます。
同時に、「悔いなき看取りと死の受容=天寿を全うすべく悔いなき看取りを行い、死を受け入れ、他の猫と暮らし始める」という、愛猫の死を受け入れ悲嘆から回復する気持ちもあることがわかりました。
現在は家族のあり方が変わってきた
近年、「血がつながっているから家族」といった考え方が希薄になってきている一方で、「愛していれば家族」と考えられるようになってきました。
猫だからこそ築ける関係性がペットロスをつらくする
ペットロスがつらいのは、猫と築けたこの関係性の純粋さゆえかもしれません。
また、飼い主さんは猫に対して子ども、恋人、老いた親……と愛情が変化していくため、別れの際にはいろいろなかたちの悲しみがあふれ、大きな悲しみになっていることも予想できるのです。
参考・写真/「ねこのきもち」2024年12月号『大学教授・歌人・イラストレーター・臨床心理士 その人の目線で綴ってもらいました。私とペットロス』
文/岩井まどか
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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