猫と暮らす
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「先駆け」といわれた名古屋市動物愛護センター。この40年の変化とは
*記事内容はすべて2025年6月1日現在のものです。
動物愛護に向き合うセンターの40年の歩み
「いいえ。時代の先をゆく、というのは少し大げさです(笑)。でも確かに、80年代に『動物愛護センター』という名を掲げた施設は全国的に見ても先駆けだったといわれています。また、『管理棟』のほかに『愛護館』を備えていたのも画期的だったそうです。当時はまだ業務の中心が殺処分だった時代ですので、私たちの先輩は相当な熱意の持ち主だったと思います」。
そう話すのは、所長の山岸純二郎さん。愛護館は、開設当初より「動物愛護と適正飼育の普及啓発」に取り組んできたといいます。2014年にはより市民に開かれた場所になることを目指し、動物とのふれあいを大切にした空間へと大幅にリニューアルされました。また、翌2015年にはセンターが30周年記念事業を開催。その際に「動物愛護宣言」を掲げ、名古屋市は殺処分のない社会の実現に向けて歩み出しました。
多くの人とつながり、命をつなぐセンター
一方、センターでも譲渡に向けて熱心に取り組んでいます。愛護館の壁には職員による手づくりの掲示物がたくさん貼られ、インスタグラムを見れば猫たちの何気ない日常を切り取った動画や写真が満載。1匹ずつに愛情を注ぎながら“家族探し”に尽力している姿勢が伝わってきます。
「じつは、名古屋市では早くから動物愛護を掲げていたにもかかわらず、2009年度に猫の殺処分数が全国の政令指定都市の中でワースト1位になりました。その後、本格的に“命をつなぐこと”に重点を置いた方針へと転換するようになったのです」
写真提供/名古屋市動物愛護センター
取材・文/野中ゆみ
※この記事で使用している画像は2025年8月号『猫のために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
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