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まれにオスも発症することも 猫の死因に多い「乳がん」

飼育環境の向上などによって猫の高齢化が進む現代。がんになる猫も増えているといいます。なかでも「乳がん(乳腺腫瘍)」は、発症率が高いので注意が必要でしょう。

そこで今回は、がんのスペシャリストである獣医師の小林哲也先生に、猫の乳がんについてお話を伺いました。

猫の乳がんってどんな病気?

猫を診察する獣医師
Tomwang112/gettyimages
猫の乳腺にできるしこりのうち、約80%が悪性といわれています。その悪性のしこり(腫瘍)ができる病気が、乳がんです。

乳がんは初期症状があらわれにくく、異変に気付いて受診したときはすでに転移していることもありますが、しこりが2cmを超えるまでに見つけて治療を始めれば、その後の生存期間が延びる可能性が高まると考えられています。

猫の乳がんの発症リスクが高まるのは何才? オスもなるの? 

メインクーンと獣医師
gorodenkoff/gettyimages
猫の死因で一番多いと考えられているのが、がん(悪性腫瘍)です。そのなかでも乳がんは、発症率が高いがんのひとつといえるでしょう。

とくに発症リスクが高まるのが12才前後とされていますが、若い猫でも発症することがあります。

オスも乳がんになるの?

乳がんと聞くとメスの病気というイメージがあるかもしれませんが、ごくまれにオスが発症することもあります。しこりを見つけたときに、オスはかからないと勘違いして放置していると、悪化して死に至ることもあるので要注意。性別にかかわらず、早期発見・治療を心がけることが大切です。

猫の乳がんの治療法は? 再発の可能性はある?

診察中の猫
didesign021/gettyimages
猫の早期乳がんの治療では、片側または両側の乳腺とリンパ節をすべて切り取る手術を行うのが一般的です。

すべての乳腺を切除することに「かわいそう」と感じるかたもいるかもしれません。しかし、乳腺とリンパ節はリンパ管でつながっていて、しこりを摘出しただけでは再発や転移のリスクが上がってしまうため、必要な処置と考えられています。

再発の可能性は?

先述のとおり、しこり部分を摘出するだけではがん細胞を完全に取り切れないこともあり、残りの乳腺に再発したり、乳腺以外の部位に転移したりするリスクがあります。そのため、術後も定期的に経過観察する必要があるでしょう。

猫の乳がんの予防法は?

診察を受ける子猫
mapo/gettyimages
乳がんはホルモンバランスと関係があるため、メスは発情を迎える前の1才ごろまでに避妊手術を行うことが予防につながります。ある研究では、1才までに避妊手術を行うと、乳がんの発症率が80~90%程度下がるという結果も出ているようです。
なお、乳がんを早期発見するには、猫のおなかをマッサージするように触って、しこりがないか定期的にチェックするのがおすすめです。愛猫がリラックスしているときなどに、さりげなく行ってみてくださいね。
お話を伺った先生/小林哲也先生((公財)日本小動物医療センター付属日本小動物がんセンターセンター長 小林犬猫病院副院長)
参考/「ねこのきもち」2020年2月号『日々のチェックで早期発見 猫の死因に多い 愛猫を乳がんから守ろう』
文/長谷部サチ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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