猫と暮らす
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人と人が力を合わせ、 猫のためにできること――新潟市動物愛護センターの取り組み
*記事内容はすべて2025年10月1日現在のものです。
愛護センターを支える パートナーの存在
2〜3時間おきにミルクを与えながら子猫を育てる“ミルクボランティア”との連携体制がしっかりしているのは、新潟市の特長といえるかもしれません。ボランティアの登録者は一般の方が54名のほか、18軒の動物病院も参加しています。
「ときには、本来なら100g程度あるはずの体重が70gしかなく、へその緒が付いたままの生まれたての子猫や、重度の感染症の子猫などもいます。そうした状態が悪い子猫を動物病院に預かってもらって、命がつながった事例は多くあります」
しかし、猫のためとはいえ、自治体の活動に協力的な動物病院が多いのはなぜでしょうか。
「私も先生方に聞いたことがありますが、『県民性かな』とおっしゃっていました(笑)。また、狂犬病予防業務を通じて動物病院の方とお会いする機会が多く、日頃からコミュニケーションを取れていることもあるかもしれません」
また、愛護センターにとって「新潟県動物愛護協会」(以下、愛護協会)も頼れる存在だといいます。
「50年前の設立以来、動物に関する正しい知識の普及啓発を行う協会です。この愛護協会が愛護センターや新潟市獣医師会、動物愛護団体など、関係者をつなぐハブの役割を担っています」
人と人が力を合わせ、 アイデアを形にする
また、多頭飼育崩壊を起こす背景には生活に困窮し、手術費を負担できないという場合が多くあります。この課題について、センター長とボランティア団体「新潟動物ネットワーク(NDN)」の方が話をしていたときに生まれたのがクリニックの構想。愛護協会に相談したところ、新潟市獣医師会の協力も加わり、官民一体となった全国初の不妊手術専門病院が誕生しました。
「公務員である愛護センターの獣医師は、収容された猫しか手術することができません。そこで、外部の獣医師の力をお借りして、愛護センターの手術室をクリニックとして活用することに。受け入れ可能なのは、飼い主がいない猫、多頭飼育の問題がある猫、生活困窮家庭の猫です。獣医師は有償ボランティアで、17名が登録しています」
開院は週1日ほどのペースながも、今年4月から8月までに不妊手術をした猫は316匹にのぼるとか。一番多い日には、1日27匹を手術したそうです。クリニックというアイデアに対してさまざまな関係者が主体的に参加し、形にしていく、このようなチームワークが新潟市の強みといえます。
ほかに、愛護センターでは「新たなボランティア制度」の計画が進行中だといいます。
「今、シニア猫やハンディのある猫、人馴れしていない猫など、譲渡が難しい猫の〝預かりボランティア制度〟を計画しています。たとえば、年齢的に新たに猫を飼うのが難しい高齢の方に預かっていただければ、猫はケージを出て家の中で暮らすことができ、愛情もかけてもらえますよね。預かり先には定期的に報告していただきつつ、飼えなくなった場合はまた愛護センターに戻していただきます。恐らくこうした制度がある自治体は珍しいと思いますが、近いうちに実現させたいと考えています」
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