猫が好き
UP DATE
多頭飼育崩壊からレスキューされた黒猫 保護猫カフェでは“問題児”だったけれど、飼い主に幸せをもたらす存在に

今回、オレオくんとの出会いのエピソードを飼い主さんに聞きました。
オレオくんは、多頭飼育崩壊からレスキューされたコだった

その後、愛護センターに収容されていたオレオくん。オーナーさんがほかの猫を愛護センターに引き取りに行ったときに、オレオくんはケージの中からすごい勢いで鳴いて、アピールをしてきたのだとか。「これは連れて行ってあげないと」と思ったオーナーさんは、急遽オレオくんも引き取ることに。
こうして、オレオくんは保護猫カフェへとやってきたのでした。
猫のいない生活はやはり寂しく、「もし次に猫を迎えるなら保護猫を」と、保護猫カフェを訪れることにしたといいます。
「初めて保護猫カフェを訪れたとき、私に興味をもって挨拶に来てくれた猫が何匹かいたのですが、オレオもそのうちの1匹です。オレオの第一印象は、『足が長くて、スタイルの良いカッコいい猫さんだな。クロヒョウみたい』でした。
オレオはほかの猫とは距離を置いて歩き回ったり、窓の外をチェックしたりしていて、『孤独を好む1匹オオカミ的なコなのかな』と思ったのですが、同時に、ときどき周りをうかがっている様子に少し違和感を覚えたんです」
保護猫カフェでは「問題児」だった
「『オレオは決してひとりを好んでいるのではなく、むしろ、ほかの猫と遊びたい思いが強いんだ』と思いました。オーナーさんによると、オレオは育った環境からか、ほかの猫との距離の取り方や関わり方がわからず、しつこく乱暴にしてしまい、ほかの猫たちから“総スカン状態”で孤立しているとのことでした。
カフェでは“問題児”のオレオ。オレオは本当は遊びたいだけなのに、『なんでみんな遊んでくれないの?』と寂しく感じていたのだろうと思います。私が感じた『オレオの態度の違和感』がこれだったと思いました」
猫じゃらしに夢中に猫パンチをするオレオくんを見て、「本当に遊びが大好きなコなんだ。猫同士ではうまく遊べないけど、人間の私なら上手に相手をしてあげられるかもしれない——そんなことを感じていた」と話す飼い主さん。
飼い主さんはオーナーさんに、「正式にオレオを家族に迎えたい」と、思いを伝えたのでした。
トライアルを開始するときに、印象深い出来事が
「オレオは今でもペットキャリーに入るのが大嫌いなのですが、トライアルのときは自らキャリーに乗り込んだみたいです。そんなオレオの姿を見てオーナーさんは驚いたそうで、『新しい家に行けるとわかっていたのかもね』なんて話をしていましたね」
当初、飼い主さんは「オレオとうまく生活できるかな? イタズラとかするかな?」と不安な気持ちもあったそうですが、オレオくんはまったく問題を起こすことなく、すんなりと生活に馴染んでくれたのだとか。
そして、あっという間にトライアル期間を終え、正式にオレオくんをお迎えすることになったのでした。
オレオくんを「我が家に迎えてよかった!」と思う日々

声色を変えて感情を表現したり、無言でじっと目線を合わせて「目で訴える」表現方法を身につけたりと、さまざまな方法でコミュニケーションがとれるようになったのだとか。

そんなオレオくんの姿を見ると、飼い主さんはとても嬉しくなり、「我が家に迎え入れてよかった」と心から思うそうです。
「保護猫カフェにいたときは孤独でクールな印象が強かったオレオですが、我が家で思う存分遊んでもらえるとわかると、目を見開いて夢中で猫じゃらしやボールを追いかけて遊ぶようになりました。
猫は『気まぐれで飽きっぽい』なんて言われますが、オレオは人間側が『もう勘弁して〜』となるまで同じことを繰り返して楽しみます。
『ああ〜これは確かに猫同士では遊べないわ(笑)』と、保護猫カフェでの状況にすごく納得がいったのと、『我が家に迎えてよかった。この性格にとことん付き合ってあげるからね!』と思いましたね」
オレオくんへの思いとは
なでることは早い段階で慣れてくれたそうですが、抱っこに関しては2年くらい経ってようやく「仕方ないな」と我慢してくれるようになったのだとか。
「人間に酷い環境で育てられたオレオには、決して無理強いはしない——と心に決めていました。オレオが嫌がらないように、抱っこも少しずつ慣れていってもらいました。
爪切りや服薬など、オレオが嫌がることはいくつもあります。でも、『本当は嫌だけど、信じて我慢してあげる』というようなオレオの気持ちが伝わってくるんです。
オレオには、『私のことを信じてくれてありがとう!』という感謝の気持ちでいっぱいです」

「私の夢のひとつに、『ご高齢の猫さんとのんびりまったり日々を過ごしてみたい』というのがあります。先代猫さんは、病気で若くして亡くしてしまいました。オレオとはお互いに歳をとって、『もうお互い若くないからね〜』とまったりひなたぼっこでもしたいです。
今は『オレオくん』と呼んでいますが、そのうち『オレオさん』『オレオじいさん』と、私の歳を追い越して大先輩になるでしょう。猫様に歳の取り方を学びながら、一緒に過ごしていきたいですね」
UP DATE