猫が好き
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「たとえどんな境遇のコでも引き取る」 生い立ち不明の保護猫を迎えて4年、心を許す姿に幸せを感じる日々
ねこのきもちWEB MAGAZINEでは、しゃこちゃんとの出会いのエピソードや現在の暮らしの様子について、飼い主さんに2回に分けて(2019年2月/2022年6月に取材)お話を伺いました。
しゃこちゃんとの出会い
そのシェルターには、100匹以上もの猫がいたといいます。
「人を見ると逃げてしまうコ、目を合わせないコ、障害のあるコ…さまざまなコに出会いました。人間の都合でつらい思いをしたコがたくさんいることが、悲しくなりました」
まだ生後1カ月の頃に保護されたしゃこちゃん。飼い主さんが初めて会った頃は、生後3カ月だったそうです。
「どこから来たのか、母猫はどうしたのか、気になることはありましたが、過去の話を聞いても家族になることには変わらないので、あえて聞くのをやめました」
前世は犬かも!? 犬みたいな性格のしゃこちゃん
「犬を飼っている友人がしゃこに会うと、『犬みたいな猫だね』といいます。キャッチボールをすると、健気に『ボールを投げて!』と何度も何度も持ってきます。集中力も高く、気の長い性格です。前世は犬なのかもしれません(笑)」
「食事をしていると、自分も仲間に入ろうとします。ただ、肉や刺身のときは大変! ちょいちょいと手を出したり、はじっこを舐めたりするので、食べられないようにと私たちの食事がどんどん早食いになっていきましたね(笑)」
「しゃこは大切な家族のひとり」 そう強く思った出来事が…
「幼いときに母猫から引き離された猫にまれにある癖だと聞きましたが、布を食べてしまうことが数回ありました。それが原因で具合が悪くなり、しゃこは一晩入院することになったんです」
「大切な家族のひとりなんだ」と、しゃこちゃんの存在の大きさをより実感したのだそうです。
寝不足にもなるけれど、必要としてくれることがなにより嬉しい
「しゃこが心を許している姿を見ると、幸せな気持ちになります。あと、帰ってきたり朝起きる前は、全力かまってちゃんになりますが、その健気な姿もかわいいです。おかげで寝不足になったりもしますが、私たちを必要としてくれていることが嬉しいです」
【その後に迫る】家族になって4年が経過、しゃこちゃんの現在の様子は?
「今年の10月で推定5才になるしゃこは、立派な成猫になりました。誰にでも愛想を振りまくタイプのしゃこでしたが、とある日から来客が来ても隠れるタイプの猫になってしまいました。とはいえ、家族には『これでもか!』と甘えてくる、甘えん坊なコに成長しましたね」
印象に残っている出来事は?
「特に印象に残っている出来事は2つあります。1つ目は、2年ほど前に腸閉塞を起こして手術を経験したことです。
元々異物を食べてしまうウールサッキングの傾向があったので、生活にはかなり気をつけていましたが、しゃこは飼い主の留守中にカーテンを食べてしまったんです。レントゲンでは判断できず、開腹手術をすることになりました。
小さな体での手術で気が気ではない日々でしたが、しゃこはなんとか回復してくれました」
「それ以降、我が家はカーテンや布物を一切撤去しています。しゃこはドアを開けてしまう癖もあるので、クローゼットにもドアが開かないようにすべてバリケードをつけたりと、対策をしています」
「夫婦ふたりとしゃこの家族でしたが、1年半前に娘が産まれて家族が増えたことです。
しゃこは母性があるタイプのオス猫ではなかったので、夫婦ともども、しゃこのケアが不安でした。入院中から娘のニオイがするものを嗅がせてみたり、しゃこが精神不安にならないように、動物病院に相談してサプリをあげたりと、娘との対面の日まで緊張の日々でしたね」
「しゃこは、娘のことを『赤ちゃん』という弱い存在だと理解したのか、あまり干渉せず、遠巻きに見ていました。
ただ、人間でいう“赤ちゃん返り”のような様子も見られて。娘を抱き上げた後などは膝に乗り、甘えることが1日に数回あり、“2人育児状態”でした(笑)
このところ動き回るようになった娘ですが、しゃこはうまく逃げつつ、距離感を保っています。早く仲良しになってほしいですね!」
しゃこちゃんへの思いとは
「手術をしたからか、『守ってあげなきゃいけない存在である』という感覚が強くなりました。また、毎年受けている健康診断で、腎臓の数値を指摘されてしまい、毎日腎機能の悪化を抑えるお薬をあげています。
2カ月に一度は通院し、健康診断も受けています。まだ4才にも関わらず、体調面で正直不安になることもありますが、しゃこが健康で幸せに過ごせる環境を作ってあげたいと思います。
この秋、マンションから戸建に引っ越すので、家の中でたくさん運動して元気に過ごしてほしいと思います!」
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