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岩合光昭さんの新刊写真集は、世界の猫と旅している気分に!

「世界はネコがいるから美しい」

雑誌『ねこのきもち』の人気連載「岩合さんのネコこよみ」ほか、写真展や各メディアで人気の動物写真家、岩合光昭さん。10月11日に新刊『ねこ22(にゃんにゃん)』(ベネッセコーポレーション)が発売されます。

「世界はネコがいるから美しい」というキャッチコピーの通り、世界各国の美しい風景と猫たちのたくましい生命力から元気をもらえる写真集です。写真には、それぞれの猫について岩合さんが想いを綴ったエッセイが収録されています。
掲載された写真の撮影秘話を岩合さんに伺いました。

撮影に協力的なのは「茶トラのオス」!?

「撮影には入念な下調べをしていますが、海外のネコは国内ほど詳細なインフォメーションがないので、出会ったときのこちらのアプローチ次第なんです。毎回、このコはどんなネコなんだろうと思いながら撮っていますね。実際に会ってみたら、ぐいぐい迫ってきてくれて、ああ、このコは大丈夫そうだな、と思ったり、シャイで撮影が難しく、うーん、困ったな、となったりもします。
 本当に毎回“ネコ様次第”。ネコによってさまざまですが、どちらかと言うとオスのほうが撮りやすいですね。とくに茶トラはあまり気にしない性格が多いのか、撮りやすい。メスは、途中でもう嫌! となると絶対に触らせてくれないですね(笑)」(岩合さん)。

母猫が「ひとり」になったわずかな時間にとらえた表情

『ねこ22』表紙は、花の木陰からこちらを見据える三毛猫の華やかな写真です。
岩合光昭「ねこ22」表紙
表紙はバラの木陰で休む母ネコ・ぺルラ。キリっとしたまなざしが印象的
ねこのきもちSTORE
「ペルラという、2匹の子ネコを持つ母親です。チェコの植物庭園の隣の家で暮らしていて、ベランダのポーチに親子でいるところを撮らせてもらったのですが、しばらくしてペルラが塀から隣の庭園に入ってしまったんです。彼女を追って庭園に行き、このバラの木陰で休んでいるのを見つけました。ひとりになりたいわ、という感じだったので、短い時間で撮影をしましたが、自宅で母親としているときと全然違う顔をするんです。家にいるときは優しい顔で、ひとりのときは凛とした顔をしていました」(岩合さん)

まさかのハプニングから偶然の出会いへ

撮影は、写真からはうかがい知れない苦労もあるようです。
(c)Mitsuaki Iwago まったく人見知りをせず、子ネコを撮影させてくれたオルガ 
(c)Mitsuaki Iwago まったく人見知りをせず、子ネコを撮影させてくれたオルガ 
「撮影の約束をしていたお宅がまさかの留守、ということもありました(後で聞いたら寝坊だったそうです)。
困って、そのお宅付近にネコが出てきていないか、スタッフみんなで探し歩いていたところ、偶然出会ったご年輩の女性に“あなた、さっきからキョロキョロしているけど、何探しているのよ”と言われて。日本からネコを撮りに来ていると話すと“うちにネコいるわよ”と誘ってくれて、急遽3時間くらいで撮りました。
それが写真集にも出てくるベルギーのオルガと子ネコです。本当に猫の額くらいの庭だったんですが、オルガはとてもフレンドリーな母ネコでしたし、家の壁、庭のテーブル、草花にベルギーの空気感が出ていて、素敵なお宅でした」。(岩合さん)
 新刊写真集『ねこ22』には、岩合さんが世界をめぐって出会った22匹の猫たちとのエピソードや猫への想いがたっぷりと詰まっています。海外への旅行がなかなかできない今、写真集で旅気分を味わってみてはいかがでしょう。
文/郡司真紀
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