猫が「アオーン」と鳴く理由とは？　その鳴き声に込められた猫の心理を解説

突然、愛猫が大きな声で「アオーン」と鳴き始めるのを見て、驚いた経験はありませんか。普段のかわいらしい「ニャー」とは違って力強いこの鳴き方には、実は飼い主に伝えたい何らかのメッセージや気持ちが隠されている場合があるのです。

今回は「アオーン」と鳴く猫のしぐさについて、その時の猫の気持ち注意すべきポイントを踏まえてねこのきもち獣医師相談室の岡本先生が解説します。

猫が「アオーン」と鳴くのは、どのような状況？

「アオーン」という鳴き声は、一般的な「ニャー」と比べて、より低くて長く響くのが特徴です。このような鳴き方は、猫が何らかの強い感情を持っている時によく見られます。特に次のような場面でよく鳴くことがあります。

①発情期によるもの
避妊や去勢手術を受けていない猫は、発情期に入ると異性を呼び寄せるために大きな声で鳴くことがあります。特に夜間に「アオーン」といった長く響く鳴き声を発する場合は、発情によるものの可能性が高いと言えるでしょう。

②ストレスや不安のサイン
環境が変わったり、知らない人が家に来たり、突然大きな音がしたりすると、猫がストレスを感じて「アオーン」と鳴くことがあります。こういった状況では、猫が安心して過ごせるような静かな場所を用意するなど、猫の気持ちに寄り添った配慮が大切です。

③飼い主の注意を引きたいとき
猫が「アオーン」と鳴くのは、かまってほしい、お腹が空いている、トイレが汚れているなど、何かしらの要求や不満を飼い主に伝えようとしている場合もあります。普段の生活の中で猫のルーティンを振り返り、どこか困っていることや不満がないかチェックしてみることが大切です。

④体調不良の可能性も
体に痛みや違和感を感じている時にも見られることがあります。特に高齢の猫や、食欲が落ちている、元気がないといった他の異常が同時に見られる場合は、健康上の問題が隠れている可能性がありますので、できるだけ早く動物病院で診察を受けることをおすすめします。

夜に鳴く場合の対応方法

夜間に「アオーン」と鳴かれると、飼い主の睡眠にも影響が出ることがあります。そんなときには次のような対処が効果的です。

①日中にしっかり遊ばせる
日中にしっかりとエネルギーを発散させることで、夜は猫が落ち着いて静かに過ごせるようになります。猫じゃらしなどのおもちゃを使って積極的に遊んであげると良いでしょう。

②寝る前のルーティンを決める
ごはんやトイレのチェック、少しのスキンシップなどを取り入れたルーティンを作ることで、猫が安心して眠れる環境になります。

③過剰に反応しない
猫が鳴いたときにすぐに反応してかまってしまうと、「鳴けば飼い主がかまってくれる」と猫が学習してしまうことがあります。そのため、鳴き声に対しては落ち着いて様子を見守り、過度に反応しないように心がけましょう。

猫の気持ちに寄り添う姿勢が大切

「アオーン」と大きく鳴く行動には、猫なりの理由や気持ちが込められています。大切なのは、それを一方的に困った行動と決めつけずに、猫の立場に立って原因を探り、対処していくことです。日頃から猫の様子や鳴き声に耳を傾けて、小さな変化にも気づいてあげましょう。猫との信頼関係を築くうえでも、こうしたコミュニケーションはとても大切です。

文／ねこのきもちWeb編集室　監修／いぬ・ねこのきもち獣医師相談室
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