猫は言葉を話せないぶん、しぐさや行動でさみしさを伝えてくることがあります。そのまま気づかずに放置してしまうと、猫にストレスがたまったり、さまざまな問題行動を引き起こす原因になることも。今回は、猫が「さみしい」と感じたときに見せるサインについて、ねこのきもち獣医師相談室の岡本先生が解説します。
①いつもより甘えてくる
普段はクールな猫が、急にひざに乗ってきたり、後をついてまわったりするようになった場合は、さみしさを感じている可能性があります。特に、仕事や旅行などで家を空けたあとにこうした変化が見られたら、かまってほしい気持ちが高まっているといえます 。
②夜中に鳴くようになった
昼間ひとりで過ごすことが多い猫は、飼い主さんが帰宅して寝ようとすると「もっとかまって」とアピールすることがあります。夜間に大きな声で鳴いたり、寝ている飼い主さんを起こしたりするのは、さみしいと感じているサインかもしれません。
③やたらと布団に入りたがる
猫は、自分が信頼し安心できる相手と一緒に眠りたがる傾向があります。特にさみしさを感じているときは、飼い主の体温やにおいに包まれることで安心しようとします。普段よりも積極的に布団の中に入ろうとする様子が見られる場合、猫が飼い主とのスキンシップや触れ合いを求めているサインである可能性があります。
④トイレ以外の場所で粗相をする
これまでちゃんとトイレを使っていた猫が、急に別の場所で排せつするようになったら要注意です。さみしさや不安が原因でストレスがたまり、そのはけ口として粗相してしまうことがあります。叱ることよりも先に、猫の気持ちに寄り添い、心のケアをしてあげるとよいでしょう。病気が隠れている可能性もあるので、かかりつけの獣医師さんに相談すると安心です。
⑤お気に入りのおもちゃに無関心になる
いつも楽しそうに遊んでいたおもちゃに急に興味を示さなくなった場合、気持ちが沈んでいるのかもしれません。さみしい気持ちが長く続くと、猫も元気を失ってしまうことがあります。そんな時は、少しでも猫を遊びに誘ってみて、様子や反応を確かめてみると良いでしょう。ただし、体調不良の可能性もあるので、気になったときは早めに動物病院で相談ください。
飼い主さんにできること
猫のさみしさを減らすためには、以下のような対応が効果的です。
①帰宅した際には、短い時間でも猫と触れ合うように心がける
②毎日決まった時間にコミュニケーションを取る習慣をつくる
③留守番の時間が長くなる場合には、猫がひとりでも楽しく過ごせるような遊び道具や環境を整えてあげる
④声をかけたり、優しく撫でたりすることで猫に安心感を与える
⑤体調面に変化がないか定期的にチェックする
猫は飼い主さんの小さな変化にも敏感です。日々の暮らしのなかで、猫の行動に目を向けることが、信頼関係を深める第一歩になります。
文/ねこのきもちWeb編集室 監修/いぬ・ねこのきもち獣医師相談室
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