知らなかった!猫の体にまつわる珍トリビア
猫のマーキングのニオイ=人の脇のニオイ!?
猫は尿や肛門のうなど、体のさまざまな部位のニオイを使ってマーキングを行っています。そのなかの一つ、アポクリン汗腺から出る分泌液は、実は人の脇や陰部にも集中して見られる分泌液です。
つまり猫は人と同じ汗腺をもっており、そのニオイを使ってマーキング行為を行っているということになります。
猫の腎臓のメカニズムが人の糖尿病を治療する特効薬に!?
猫のすい臓および猫の糖尿病にまつわる研究は、将来的に人の糖尿病を完治させる特効薬になりうる可能性があります。本来肉食である猫は、炭水化物などを分解するためのすい臓があまり強くない動物。そして、すい臓が血糖値を調整するインスリンを正常に分泌できなくなった場合、糖尿病になるリスクが高まってしまいます。
つまり、インスリンの分泌が正常に機能しない原因や猫のすい臓のメカニズムを知ることが、人の糖尿病を治療する手がかりになるのではないかと言われているのです。
猫の頭は脳科学の研究材料だったってほんと!?
猫の頭は犬とは異なり、種類によって形状に差が出ることはほとんどありません。そのため、かつては解剖した脳の比較をする際などに、猫の頭が研究材料に使われていたこともあるのだとか。もしかしたら、個体によって形状に差が生じない猫の頭のおかげで、脳科学は発展していったのかもしれませんね。
猫の骨格の不思議
猫の体は私たちが思っている以上に、不思議に満ちあふれています。続いては猫の骨格の謎を科学的に紐解いていきましょう。
歯が弱ると脳の病気になる可能性が高い?
奥歯から脳までの距離が非常に近い猫は、“歯を支えている上あごの骨”と“脳”との間にある骨も、薄いことで知られています。そのため奥歯の周辺で歯周病を発症した場合、それが悪化すると最終的に脳まで菌が侵入する恐れがあるのです。そうならないためにも、歯磨きをするときは奥歯を念入りに磨いてあげるのが大切です。
柔軟な身のこなしのヒミツは肩にあった!
猫は時々、びっくりするくらい華麗な身のこなしをすることがありますよね。いったいなぜそんなに柔軟な動きができるのか。その秘密は鎖骨と背骨にありました。
猫には体のサイズに対してかなり大きく頑丈な、数ミリ単位の鎖骨があります。これは4足歩行の動物にしては珍しく、さらに背骨の関節も比較的柔軟だとされています。この大きな鎖骨と柔軟な背骨こそが、馬や犬にはできない前足の動きを生み出しているのです。
しっぽの骨の数は個体によって異なる!
猫の体のなかで最も個体差があらわれるパーツがしっぽです。猫のしっぽは「尾椎」と呼ばれる短い骨がいくつも連なっており、その数はしっぽの長い猫でおよそ20個前後。マンクスなどのしっぽが短い猫でも4個程度はあると言われていますが、個体や遺伝などによって骨の数はバラバラなのが特徴です。
またカギしっぽの猫の場合は、尾椎自体がもともといびつに曲がっていることもあります。
爪の出し入れができるのは格納庫があるから?
猫の爪は人の爪とは異なり、状況に応じた出し入れが可能です。猫が爪を引っ込める際に使うのが鞘と呼ばれる部位。この鞘は骨に対して水平ではなく左に傾いて付いているのが特徴で、爪を骨にぶつけることなく格納するのに適しています。
つまり猫が爪をスムーズに出し入れできるのは、格納庫のような役割をもつ鞘が備わっているからなのです。
猫にまつわる驚きの事実も知れば納得
私たちのすぐそばで生活を共にしている猫。性格や好みなどを分かったつもりでいても、猫の体は人と異なることが多く、私たちが知らないトリビアもたくさん隠されています。まだまだ謎の多い猫の体。今後ますます研究が進み、さまざまなことが明らかになっていくことでしょう。
出典/「ねこのきもち」2017年5月号『猫の体を科学する』(監修:日本獣医生命科学大学獣医解剖学教室教授 日本海某学会理事 尼崎肇 先生)
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。