私たちが猫を見て「こんなふうに思っているのかな?」と感じていても、実は"予想外の感情だった”ということがあります。噛んだあとになめる気持ちやトイレ掃除を見ている気持ち、ケンカのあとの爪とぎ、スリスリの意味をあなたは正しく理解していますか?
人の手を噛んだあとペロペロなめる
「ごめんね」と謝っている?
こちらは多くの人がしているカンチガイです。猫は野生の頃、獲物を捕まえると羽や毛をきれいに取り除いてから食べていました。人の手を噛んだあとになめるのは、その"狩猟モード"の名残です。「痛かった?ごめんね」という意味でははなく「なめてキレイにしてよう」という気持ちなのかも。
猫トイレの掃除を猫が見ているのは
申し訳なく思っている?
猫のトイレを掃除しているとき、愛猫が近くでその様子を観察していることがあるでしょう。それを見た飼い主さんは「臭くてすいません」とでも思っているのかな?と微笑ましく感じることが。しかし、こちらもカンチガイです。
猫にとっての排せつ場所は、とても重要です。そのため、「ほかの誰かにそこで排泄されたくない」と思っています。つまり、愛猫が近くにいるときは、大切な場所で"何か"をしている飼い主さんのことが気になり、見張っているのです。
ケンカに負けたあと爪を研ぐのは
仕返しの準備?
同居猫とのケンカに負けると、激しく爪を研ぎ始める猫がいます。その光景は、必殺仕事人が武器の手入れをしているよう。「仕返しを考えているのかな?」と思ってしまいます。ですが、ご安心ください!この行動は武器の手入れではなく、動揺している気持ちを落ち着かせるための「転位行動」です。
急にその場とは関係のない行動をとることで「落ち着け!私…」と、動揺を鎮めようとしています。転位行動として、爪研ぎ以外にも毛づくろいや伸びをすることがあります。
人が帰宅したときスリスリするのは
「寂しかったよ」と甘えている?
単独行動をとってきた猫は、あまり"寂しい"といった感情は持たないでしょう。猫がスリスリしてくるのは、外から帰ってきた飼い主さんに付いているニオイを、自分のニオイに上書きするため。猫は知らないニオイがすると落ち着かないので、帰宅した飼い主さんに自分のニオイを付け直して、落ち着く環境をつくり出しているのです。
愛猫がよくする行動の意味には、人がカンチガイしているものもあります。あなたはどのくらい知っていましたか?愛猫の意外な気持ちを知ることで、それまでよりも距離が縮まるとうれしいですね。
参考/「ねこのきもち」2016年6月号『愛猫の行動、こんなふうに思っていませんか?嗚呼、ありがちカンチガイ』(監修:哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。