一見難しいと思う猫の気持ちですが、どこで何をしているかをよく観察することが理解するヒントに。猫の居場所選びの3つの傾向をはじめ、よくいる居場所での気持ちを解説します。
傾向1 気持ちの変化によって転々と居場所を移動する
猫の気持ちは秒単位で変化するといわれるほどで、気持ちの変化とともに居場所を転々と変えます。コロコロ居場所が変わるのは、「何かしたい」「何かを感じたい」など気持ちが先行して移動しているのです。
傾向2 年齢によって居場所の好みが変わることが
年齢とともに、心身の変化によって居場所が変わることが。高齢になると、好奇心や体力の低下から高い場所には上がらず、安心感を求めて1匹でいるよりも飼い主さんのそばにいることを選ぶ傾向にあります。
傾向3 よくいる居場所は性格が関係することも
好奇心旺盛な猫は興味を優先したり、マイペースな猫は〝ひとり〟でいることを優先したり、甘えん坊な猫は人のぬくもりを優先したり……。もともとの性格によってもよくいる居場所には傾向があります。
猫がよくいる居場所での気持ちは?
高いところにいるときは⇒情報をキャッチしたい気持ち
野生の猫は、敵に見つからないように、また敵を見つけやすいように長時間高い木の上にいました。室内飼いの猫には、命を狙われるような敵はいません。しかし警戒心が残っているので、猫タワーや家具など周囲を見渡せる高い場所から異変がないか状況を把握し、何かあればすぐに対応したいと思っているのです。
外が見えるところにいるときは⇒ワクワクドキドキの気持ち
室内飼いの猫にとって、窓辺から見える刻々と変わる空の色や、風に揺れている葉、動く人や車、鳥など、外の景色はすべてが刺激的。たとえ冷静に外を眺めているように見えても内心はワクワクドキドキしています。朝、カーテンが開くのを心待ちにしている猫も多いはず。
柔らかいところにいるときは⇒子猫に戻ったような気持ち
体が柔軟な猫は、硬い地面に座っても体に負担がかかりにくいといわれています。しかし、布団や毛布、衣服の上など、柔らかいところにいる猫は多いもの。それは、柔らかい感触が子猫の頃に寄り添っていた母猫に似ているから。甘えモードでゴロゴロとのどを鳴らす猫もいるでしょう。母猫のおっぱいを思い出して前足でフミフミすることも。
暗くて狭いところにいるときは⇒気付かれたくない気持ち
野生時代、猫は単独で行動し、敵から身を隠すために、穴蔵などの暗くて狭い場所に身を潜めていました。その名残から、飼い猫も1匹で家具の下や隙間などにいることが。一見、寂しそうに見えますが、猫は誰にも気付かれたくない気持ちで隠れていることがほとんどです。
飼い主さんのそばにいるときは⇒ 親愛に満ちた気持ち
人と暮らす飼い猫にとって飼い主さんは、母猫やきょうだい猫のように信頼できる存在。猫が自ら飼い主さんのそばに寄ってきている場合は、親しみと愛情に満ちた気持ちでいっぱいです。そばにいるといっても、性格の違いによって密着する猫もいれば、少し距離をとる猫もいるでしょう。
いかがでしたか?
愛猫の気持ちがわかれば、信頼関係が築けて絆がより強まるので、ぜひ参考にしてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2019年9月号『どこで何をしてるかに注目しよう 居場所でわかるねこのきもち』(監修:帝京科学大学生命環境学部講師、動物看護師 小野寺 温先生)
文/Betty
撮影/石原さくら、Akimasa Harada 、小森正孝、長谷川里美
撮影協力/猫と本 Miaw
※この記事で使用している画像は「ねこのきもち」2019年9月号『どこで何をしてるかに注目しよう 居場所でわかるねこのきもち』に掲載されているものです。