猫が好き
UP DATE
ゴミ置き場で発見された瀕死の子猫→たくさんの愛情を受け、見違えるほどの美猫に
そこでねこのきもちWEB MAGAZINEでは、はなちゃんとの出会いや今の暮らしについて、飼い主さんに2回に分けて(2018年8月/2021年1月に取材)お話を伺いました。
ゴミ置き場でうずくまっていた、小さな子猫
それから数日間はそのコを見かけることはなかったそうですが、その後もあの子猫のことが気になっていた飼い主さんがあたりを探してみると、ゴミ置き場のネットの上で小さく丸まっているあの子猫を見つけたのでした。
飼い主さん:
「慌ててゴハンと水を与えると、立ち上がり食べてくれました。気づかなくてごめんねって泣きました」
どうやら、このコは見つけにくい場所に身を潜めていたようでした。
飼い主さんはすぐに病院に連れて行き、その日のうちに子猫を迎えることに。名前は「はなちゃん」と名付けました。ちょうどこの日は、飼い主さんが飼っていた愛犬の2回目の月命日だったそうです。
弱りきった痛々しい姿 のちに「エイズキャリア」だと判明
「あまりにガリガリで耳はただれて、毛もあちこちハゲてしまっていて目もうつろで……つらそうな姿を見るのは、本当に胸が痛かったです」
病院に連れて行ったもののすぐに劇的に回復するわけではなく、家に迎えてからも治療の日々が続きました。
はなちゃんと飼い主さんにとって、思いもよらないつらい宣告でした。
「エイズキャリアとわかったときは、本当につらかったです。でも、Instagramのフォロワーさんがアドバイスをくれたり、励ましてくださりました。今は、はなちゃんがエイズを発症しないように、のびのびストレスのない環境で暮らしていけるようにと、家族みんなでお世話しています」
この頃のはなちゃんは、皮膚や口の粘膜が弱くゴハンを噛めなかったそうですが、いいサプリメントに出会えて元気になったそうです。
甘えん坊なはなちゃんと、ずっと一緒に暮らしたい
甘えん坊で、抱っこが大好きで、飼い主さんのお腹の上で眠るのが大好きなはなちゃんは、飼い主さんにとって、愛おしくてかけがえのない存在になっています。
【はなちゃんのその後に迫る】前回の取材から約1年半が経過した今、どんな日常を送っているのかを聞いた
飼い主さん:
「病気の不安はありますが、はなちゃんは毎日元気にゴハンを食べ、たくさん遊んで、いっぱい甘えて、普通の猫ちゃんと何も変わらない日常を過ごせています。
エイズキャリアはストレスが一番良くないというので、私自身神経質になりすぎていて、はなちゃんに気を遣いすぎていたところがあったのですが、日向ぼっこをしている姿や私のお腹の上で寝ているはなちゃんの姿を見ていると、『はなちゃん、今すごく幸せなんだろうな』って。最近やっとそんなふうに感じられるようになりました」
飼い主さん:
「夕飯の用意をしていると、いつも私の気を引こうと足元におもちゃを持って来て私の足を巻き込みながらじゃれ始めたり、絶対に手が離せないときに限って飛び乗って来たり。そんな毎日がとんでもなく幸せだなと感じています。はなちゃんが元気でいてくれるだけで本当に幸せで、1日1日がかけがえのない宝物だと感じています」
はなちゃんの生きる強さを感じる出来事が
飼い主さん:
「昨年の5月に、はなちゃんの前足の爪が折れて新しい爪が古い爪の中で壊死してしまい、感染症を起こしてしまいました。はなちゃんは痛がる様子もなく見た目もあまり変わらなくてわからなかったのですが、膿のニオイで気づいて…病院で診てもらうと『あと一歩遅かったら危なかった』と言われたことがありました。
新しい爪は壊死しているので生えてこないかもと言われましたが、なんと新しい爪が生えてきて傷もあっという間によくなったんです! エイズキャリアのコは傷の治りが悪いと聞きますが、はなちゃんはまったくそんなこともなく、自然治癒の力もあって免疫力もしっかりあるんだなって。『はなちゃんすごい、はなちゃんは強い』と思いました」
「それと一昨年、はなちゃんは3回目のエイズの検査をしました。残念ながらエイズ陽性だったのですが、3回とも陽性の線が薄くて。これは、はなちゃんがお母さんからもらったエイズのウイルスが少ない証拠なんだそうで、先生に『はなちゃんは発症しない可能性が高いかもしれない』と言ってもらえたのが嬉しかったですね。
アレルギーの皮膚炎も今ではすっかりよくなり、一昨年までは猫風邪を何度も繰り返していましたが昨年はかかることもなく、はなちゃんの体がどんどん強くなってきているように感じます。
猫エイズの発症以外にも病気にかからないように、はなちゃんにはこれからもいっぱい食べて遊んで甘えて、のびのびと元気に過ごしてほしいと思っています」
はなちゃんの成長を感じる出来事も
飼い主さん:
「最近、ひとり遊びができるようになりました。夜中、ひとりでリビングでお気に入りのぬいぐるみと遊んでいます。ゴロンと転がると私が来てくれるって覚えたらしくて、鳴きながらゴロンゴロンと転がることなんかもありますね」

「また昨年の6月に先住猫・ゆめちゃんが13才で突然旅立ってしまいました。母猫と兄弟猫たちとバラバラになってひとりぼっちだったはなちゃんにとって、初めてできた猫の家族。ゆめちゃんは臆病な性格だったので、はなちゃんと仲良くできませんでしたが、はなちゃんはゆめちゃんが旅立ち半年経った今も、ゆめちゃんを探したりします。
家族のことを忘れないでいる優しいはなちゃん。いろんなことを覚えて賢くなり、日々はなちゃんの成長を感じています」
取材・文・構成/雨宮カイ
UP DATE