猫が好き
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生後2週間で保護され、その後に「驚きの事実」が発覚した子猫→約2年が経過した今の姿を追った
澄んだ瞳が印象的で可愛らしいのぶおちゃん。のぶおちゃんは生後約2週間とまだ小さいときに、今の飼い主さんに保護されました。
のぶおちゃんと出会った3カ月半後、飼い主さんも衝撃の「まさかまさかの思いもよらぬこと」が待っていたといいます。
そこでねこのきもちWEB MAGAZINEでは、のぶおちゃんとの出会いや今の暮らしについて、飼い主さんに2回に分けて(2019年3月/2021年3月に取材)お話を伺いました。
軒下から子猫の声が! 探してみるとそこには…
2018年10月5日(金)の夕方。飼い主さんは、予定よりも2時間ほど早く仕事から帰宅したそう。車を停めて外に出てみると、隣の家のほうから子猫の大きな鳴き声が……。隣人の方も外に出て一緒に探していると、どうやら軒下から子猫の声がしていると特定します。
積み重なった重い資材袋を必死にどかしていくと、わずかな隙間に手のひらサイズの子猫を発見したのです。
隣人の方の話によると、どうやら昨夜からどこかで猫の声がしていたのだそう。飼い主さんは、当時のことをこう振り返ります。
飼い主さん:
「見つけたときの第一声は、『え!? ちっさ!』でした。『お母さんは?』『ひとり?』とハテナだらけでした。母猫が引っ越しをしていて、資材袋の上にこのコを置いたものの、下まで転げ落ちてしまったのかもしれません。母猫からはぐれ、少なくとも一晩ひとりでいた様子でした」
あまりにも小さな赤ちゃん猫だったので、飼い主さんは迷わず保護することに。小さな段ボールに、タオルとペットボトルで作った湯たんぽを一緒に入れて子猫を寝かすと、すぐに子猫用ミルクと哺乳瓶を買いに行きます。
飼い主さん:
「今考えると不思議なのですが、その1カ月くらい前からInstagramで、保護子猫の投稿をされている方々をフォローしていて。『ミルクを3時間おきに与える』『とにかく体温維持』などの予備知識があったんですよね」
それはまるで、子猫を迎え入れる準備をしていたかのようだったと、飼い主さんは振り返ります。
動物病院で「男のコ」と診断されるも、じつは…
保護してから動物病院に連れていくと「生後2週間くらいの男のコ」と診断され、飼い主さんはそのコに「信雄」と名付けました。名前の由来について、飼い主さんはこのように話します。
飼い主さん:
「『仁義なき戦い』の山守組長の、どんなことがあってもしぶとく生きている姿が大好きで、そんなふうに図太く生きてほしいなと。そこで、山守組長を演じた金子信雄さんから、信雄という名前をいただきました」
「のぶおくん♪」と呼んで過ごしてきた3カ月半。でも、飼い主さんは日頃からのぶおくんを見て、「女のコみたいに可愛い顔してるな」「男のコなのに小柄だな」と感じていたそうです。
そして、その疑念がさらに深まる出来事あったといいます。
飼い主さん:
「ある日、Instagramでのぶおよりも後に生まれた男のコの『にゃん玉』が投稿されていたんです。それを見たときに、『のぶおのと全然違う!』と驚いて」
飼い主さんはすぐさま、のぶおくんを連れて動物病院へ! すると先生は、「女のコですよ」と答えたのだとか(笑)
飼い主さん:
「ニュアンス的には『女のコですけど、なにか?』くらいだったので、もう大爆笑! 『先生が男のコっていうから、信雄ってつけちゃったじゃないですか!』と言ったら、『え? うちで見た?』って(笑)」
女のコに男らしい名前をつけてしまったことに、飼い主さんの家族も友人も大笑い。Instagramでも報告すると、あまりの衝撃でコメントをくれた方も多かったようです。
ただ、のぶおちゃんが女のコだった事実に、まだ気持ちの整理がつかない飼い主さん。保護してからの写真を振り返り、「このときも、このときも女のコ」と、脳内の記憶を上書き保存していったそう。
「のぶお」に愛着のあった飼い主さんは「信雄」から「信緒」に漢字を変えることに。最近では、「のぶたん♪」と呼んでいるようです。
あのとき、大きな声で呼んでくれてありがとう
まさかのハプニングがあったけれど、その出来事があって、飼い主さんはこうも実感したといいます。
飼い主さん:
「戸惑いもあったけど、心から『のぶたんが男のコでも女のコでも、世界一愛おしいうちのコであることには変わりない』と思えて。また、女のコだとわかったときにみんなが笑っていたので、このコはたくさんの笑顔をもたらしてくれるコだな、とも思いました。
そして、紀元前紀元後、戦前戦後のように、『のぶお前』『のぶお後』で世界がガラッと変わりました。まさかこんな幸せな毎日が訪れるとは、思ってもみませんでしたからね」
授乳期から育てているのぶおちゃんは、飼い主さんにとって我が子のような、心から愛おしい存在。のぶおちゃんの行動ひとつひとつに癒され、家族にも笑顔が増えたそうです。
飼い主さんは「あのとき、大きな声で私を呼んでくれてありがとう」と、のぶおちゃんとの出会いに心から感謝していると思いを話していました。
【のぶおちゃんのその後に迫る】前回の取材から約2年が経過した今、どんな日常を送っているのかを聞いた
前回の取材から約2年が経過しました。のぶおちゃんとの現在の暮らしなどについて飼い主さんにお話を伺ってみると、家族が増えてますます賑やかになったといいます。
家族が増えて、のぶおちゃんの新たな一面を発見

2019年の9月に三毛猫の妙子(たえこ)ちゃん、同年12月に茶トラの欣二くん(きんじくん、通称:キンキン)の2匹の保護猫が家族に加わり、のぶおちゃんに姉弟猫ができました。
一人っ子として暮らしていたときは、ツンが強めのツンデレ姫だったというのぶおちゃん。新しいもの好きで野次馬なところや、お気に入りの居場所が転々とするところは相変わらずなようですが、2匹を迎えたことで、のぶおちゃんの性格がずいぶんマイルドになったと飼い主さんは感じているそうです。
「たのきんトリオ」と過ごす毎日は幸せ!
妙子ちゃん、のぶおちゃん、欣二くん、3匹合わせて「たのきんトリオ」と呼んでいる飼い主さん。たのきんトリオと過ごす日々は、とにかく幸せだといいます。
飼い主さん:
「毎日誰かしらが何かおもしろいことをやっていたり、とてつもなく可愛いことをしていたりして、家族とも『ちょっと見て! 妙ちゃんがあんなところに座ってる!』とか、『のぶたんがトイレのドア開けて入ってきたよ』とか、『キンキンが朝までずっと布団の中で寝ていた』とか、猫の話題ばっかりです」
猫と暮らし始めて、安眠できるようになったことも大きな変化
猫と暮らし始めて、飼い主さんには大きな変化があったといいます。飼い主さんは子どもの頃から寝付きや寝起きが悪く、大人になってからは疲れていてもなかなか寝付けなかったりと、これまで安眠できない日々を過ごしていたのだとか。
でも、のぶおちゃんと家族になってからこの悩みが一気に解消し、電気を消したらすぐに眠れるようになったそう。トリオになってからは、さらによく眠れるようになったのだとか! 「猫と暮らすようになって深いところで満たされ、リラックスできているからではないか」と、飼い主さんは感じているそうです。
飼い主さん:
「猫といるだけで、『可愛いね』『えらかったね』『大好きよ』『ありがとう』など、毎日何十回もポジティブな言葉を声に出しているので、それだけでもずいぶん精神的にも良い効果があるのではないかと思います。
それに、どんなに疲れ切っていても、あったかくて柔らかくていいニオイの猫を抱っこするだけで、凝り固まっていた心がほぐれるんです。
たのきんトリオのおかげで、規則正しい生活を送れるようになりました。このコたちが健康で元気に長生きするためにも、私も健康で元気に長生きしようと思います!」
たのきんトリオの日常はInstagramで♪
のぶおちゃんとの出会いから約2年半、たのきんトリオと幸せいっぱいな日々を過ごしている飼い主さん。素敵な日常の様子は、ぜひInstagramでご覧ください!
写真提供・取材協力/@kik0515tanokinさん
取材・文・構成/雨宮カイ
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