何かが見えている!?　猫が不意に見せる『不思議なしぐさ』の理由

猫と一緒に暮らしていると、ときどき「なぜ？」と感じる行動を目にすることがありますよね。帰宅するといつも爪をといでいたり、何もない一点をみつめて立ち止まったり、ときにははいていた靴下のニオイを嗅ぎ始めて赤面させられたりすることも。猫が不意に見せる、不思議なしぐさの理由を解説します。

飼い主さんが帰宅した直後に爪をといでいる

飼い主さんが帰宅すると、そのタイミングで愛猫が爪とぎをはじめることがあります。「よし、やってやるぞ！」と気合が入っているようなしぐさにも見えますが、なぜ猫は、飼い主さんの帰宅を待って爪をとぐことがあるのでしょう。

帰宅を待っていたのではなく、帰宅する音で起きたから

帰宅した直後に愛猫が爪をといでいたら、飼い主さんが家に入る音や気配で起こされたからかもしれません。留守中は昼寝をして過ごし、目覚めたから、活動を開始するための準備運動として爪をといでいるのでしょう。飼い主さんに対して何かしたいのではなく、自分の体を動かすためにやっているようです。

なかには不満を感じているケースも！

なかには、起こされたことに不満を感じて、ストレスを解消するために爪をといでいるケースも。もし、愛猫がイライラしている雰囲気を漂わせていたら、もう少し寝かせてほしかったのかもしれません。

何もない天井や壁を見つめている

猫と一緒に生活していると、愛猫が、突然誰もいない方向をみつめて立ち止まる姿を目撃することも。その視線の先に目を向けるも、特に気になるものが見当たらないと、人には見えない何かを見ているんじゃないかとちょっと怖くなりますよね。なぜ猫は何もない一点を見つめるのでしょう。

飼い主さんが気付けない音を察知している

猫は人よりも聴覚が優れているため、天井裏でネズミが動く足音のような、人には聞こえない小さな物音が聞こえています。そんな小さな物音に耳をすましているときは、集中して、音のする方向を見つめてしまうことも。
ただ音が小さすぎて人には聞こえていないため、視線の向けられた先に気になるものが見当たらないと、人には少し怖い行動に感じてしまうのでしょう。

長時間はいた靴下のニオイを嗅ぎに来る

靴下をはいた足に夢中になるスコティッシュフォールド（メス） — ねこのきもち投稿写真ギャラリー

一日中はいて汗が染み込んだ靴下のニオイを、愛猫が嗅ぎにくることが。なぜ、猫は長時間はいた靴下のニオイを嗅ぎたがるのでしょう。

猫のフェロモンのニオイに似ているから

猫はニオイで情報を収集するので、もともとニオイを嗅ぐ習性があります。そして人がはいた靴下のニオイは、猫が分泌するフェロモンのニオイに似ているので、どうしても気になってしまうのだそう。気になる気持ちがおさえられず、クンクンと嗅いでしまうのです。

人からすると不思議な行動に見えてしまうのも、猫の習性と優れた感覚が原因のようです。ときにする予想を超えた行動も、猫が人々を魅了する理由かもしれませんね。

参考／「ねこのきもち」2021年2月号『いろんな意味があったなんて！猫の「なぜ？」行動クイズ』（監修：哺乳動物学者「ねこの博物館」館長日本動物科学研究所所長今泉忠明先生）
文／こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。