狭いところに無理やり体を押し込んでいる猫を見たことはありませんか?
これは、「体を何かにくっつけたい」と思っている行動です。飼い主さんや同居猫に密着していることも多いですよね。今回は、3つのキーワードから、猫が密着するワケを解説します。
なぜ猫は密着するの?
人に慣れた飼い猫は、自分から飼い主さんにピタッと密着してきます。それは「体を何かにくっつけたい」と思っているから。体がスッポリ収まるような、狭い場所へ入り込んでいるのを見たことがある方も多いでしょう。なぜ猫は密着したがるのでしょうか?そのワケを解説していきます。
キーワード1:穴蔵
上下、左右、背後が囲われた穴蔵は、野生時代の猫にとって“完璧な居場所”でした。仲間を持たない猫は、一人で身を守らなければなりません。前方の気配だけ注意していればいい穴蔵は、安心できる居場所だったのです。ちなみに、睡眠時も穴の外の異変に気付けるように、外が見える体勢で寝ていたようですよ。
キーワード2:体温調節
寒さに弱い猫は、兄弟や親子など血縁関係にある猫同士で温まり合うこともありました。穴蔵にいても寒さが厳しいときは、体を寄せ合って体温調節をしていたのです。心を許せる身内同士なら、安心感も得られ、身も心もポッカポカになったことでしょう。飼い猫が暖かい家の中でも猫同士で身を寄せ合うのは、安心したいという意味合いのほうが強いかもしれませんね。
キーワード3:ネオテニー化
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「ネオテニー化」とは“子猫らしさを残したまま成長する”ということ。人と暮らす飼い猫は「甘えん坊でかわいいほうがいいことがある」と学習したのでしょう。さらに、人と一緒に暮らすうちに警戒心が減少していき、甘えたい欲求を率直に出してくるようになりました。そのため飼い猫は、飼い主さんや血縁関係のない同居猫にも密着したがるのでしょう。
外で暮らす猫は、寒さをしのぐために密着しているのかもしれませんが、飼い猫の多くは安心したいからくっつくのです。飼い主さんにくっつくのは、信頼している証拠なので、思う存分密着させてあげてくださいね♪
参考/「ねこのきもち」2016年10月号『音が聞こえてきそうなほど!!ただいま猫、密着中です♡』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/HONTAKA
構成/ねこのきもちWeb編集室
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。