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【猫と法律】飼い猫を置き去りに引っ越した前の家主。責任は問える?

近所で、一軒家に飼い猫を置き去りにして、引っ越していった人がいました。1年後、新たに入居してきた人が、同じ猫が頻繁に庭に侵入してくるのを不審に思い、調べたところ発覚したそうです。猫は野良猫として過ごしています。元の飼い主に法的措置はとれるのでしょうか。

ペットに関する法律にくわしい、弁護士の渋谷寛先生にうかがいました。
イラスト/タニモトハル

元の飼い主のしたことは、有罪になる可能性が。 新たな入居者への損害賠償が発生することも

画像/iStock、Getty Images Plus
 まず考えなければいけないのは、その家の庭に頻繁に侵入してくる猫が、引っ越していった人の飼い猫であることを証明できるかということです。マイクロチップを装着していれば飼い主は明らかになりますが、そうでないと証明は難しいかもしれません。仮にそれが証明できるとすれば、元の飼い主は、飼い猫を遺棄していると評価できるでしょう。動物の愛護及び管理に関する法律に違反するので、有罪となる可能性があります。 

 有罪となると1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処されます。猫を飼い始めたら、その一生の面倒を見るのが基本です。もし、猫を遺棄した人を見かけた場合、実際に立件されることはまれかもしれませんが、警察に届けましょう。

 一方、新たに入居した人は、この元の飼い主に対して「妨害排除」を請求することが考えられます。自分の所有地に、他人が飼っている猫が侵入しているのですから、それをさせないように猫の飼い主に対して請求できそうです。その猫が家屋を傷付けたり、所有地内に排泄していたりすれば、その損害賠償も請求することができるでしょう。

動物の愛護及び 管理に関する法律 第44条

愛護動物を遺棄した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

民法 第198条

占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
参考/「ねこのきもち」2022年9月号『もしものときの猫の法律相談所』(監修:弁護士 渋谷 寛先生)
文/犬神マツコ
イラスト/タニモトハル
※この記事で使用しているイラストはねこのきもち2022年9月号『もしものときの猫の法律相談所』に掲載されているものです。
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