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猫のために、猫のことを相談できる場所

2018年に大阪で誕生した「ねこから目線。」は、猫にまつわる社会問題の解決を目的にさまざまな事業を展開するチームです。日々、助けを必要とする猫のもとへ駆けつけ、経験とノウハウをもとに、猫と人がともに幸せに暮らせるよう全力を尽くしています。

*記事内容はすべて2025年8月1日現在のものです。

困ったときに頼れる、猫のお手伝い屋さん

「ねこから目線。」は、“ノラ猫・保護猫専門のお手伝い屋さん”と掲げる株式会社です。
たとえば、庭に住み着いた子猫を保護したいとき、多くの人は「自力でやる」か「ボランティアさんに頼む」の2択で迷うことになります。
しかし、もうひとつの選択肢となり得るのが「ねこから目線。」のような存在です。一緒に捕獲したり、飼い主募集サイトへの掲載をサポートしてくれたり、保護活動のあらゆる場面で力になってくれます。

「こだわりは、お金を払えば何でもやってくれる便利屋さんではなく、あくまでも猫のための"お手伝い屋さん"だという点です」

お話をうかがったのは、「ねこから目線。」代表の小池英梨子さん。保護から譲渡までを丸ごと請け負わないのは、自らの手で保護したほうが猫への愛着や責任感が増し、地域の猫問題にも意識が向くようになると思うから、だといいます。

「ひとつのボランティア団体が100匹のTNR※をするよりも、100人が1匹ずつTNRしたほうがボランティアさんの負担が減るだけでなく、地域に課題解決力が育まれますよね。
今、社会には『保護活動=ボランティア活動』という意識が根付いていますが、その価値観を少しずつ変えていけたらいいなと思っています」

※「Trap(捕まえる)、Neuter(不妊手術する)、Return(元の場所に戻す)」という、繁殖を抑え、地域猫としてともに暮らすための活動。
画像提供/猫から目線。
TNRを経て、地域の人に見守られている猫。2024年度の活動実績は、TNRサポートが1230匹、レスキュー対応が262匹(迷子猫捜しの成功数は151匹)

人の困りごとを解決し、猫助けにつなげていく

保護活動に限らず“猫にメリットがあると考えられること”なら何でも相談できるという「ねこから目線。」。寄付を一切募集せず、有償で猫問題に取り組む会社というのは非常に珍しい存在です。

小池さんが保護猫活動を始めたのは中学生のとき。高校生の頃に猫を救う活動家になると決めたそうです。大学では心理学を専攻。心理学を選んだ理由は「ノラ猫は、地域からネグレクトされた存在ではないか」と考え、猫の問題に向き合うには人々の意識にアプローチする必要があると思ったからだとか。
大学院では「猫の問題は、人の問題でしかない」という視点から猫問題を解決する目的で対人援助学を学んだそうです。

「たとえば、ノラ猫や猫に食べ物を与えている人の責任を追及しても、問題の本質は解決しませんよね。地域全体を見て、どこに支援が必要なのかを考えることが大切なんです」

卒業後しばらくして、知り合いの獣医師と交わした会話が「ねこから目線。」を立ち上げるきっかけとなったそうです。
獣医師いわく「近所の猫を保護したいけど捕まえられない、といった相談がよく来る。でも、動物病院ではどうにもできないし、ボランティアさんにお願いするのも負担を押し付けるようで申し訳ない」。それを聞いて「試しに時給100円~で、私が何でも引き受けます」と、小池さんはすぐさま「ねこから目線。」と記した名刺をつくったそうです。

「最初は、保護活動にお金をとるなんて、と批判されるかと思いました。でも、意外にも好意的な反応が多かったんです。一般の方にとってはボランティアさんに頼むよりも気軽ですし、ボランティアさんも対応が難しい相談が来たときに『専門業者を紹介します』と私たちに回せるようになり、いい関係を築けています」
画像提供/猫から目線。
「ねこから目線。」では、新潟・燕三条の職人さんとともに捕獲器「TORASUKE」(トラスケ)を開発。従来の捕獲器は扉が閉まる際にケガをする猫もいたが、この捕獲器は"世界でいちばんやさしい"を追求した
震災後、福島に残された動物を撮影してきた写真家・太田康介さんの活動に同行した際の写真(撮影:太田康介さん)。2019年当時、「ねこから目線。」は小池さん(左)と梅本さん(右)の2人で運営していた
画像提供/猫から目線。
家と外の出入り自由の飼い方で、多頭飼育崩壊に陥った家の猫。40匹のTNRをサポートした 
画像提供/猫から目線。
新潟・燕三条で出会った地域猫におやつをあげている小池さん
出典/「ねこのきもち」2025年10月号『猫のために何ができるのだろうか』
写真提供/猫から目線。
取材/野中ゆみ

※この記事で使用している画像は2025年10月号『猫のために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
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