飼い猫は、猫同士で意思を伝える方法を人にも応用しています。そこで今回は、猫が飼い主さんに「好き」を伝えるしぐさと、猫のキモチに応える方法について、動物看護師の小野寺温先生にお話を伺いました。ぜひ、愛猫と心を通わせるヒントにしてくださいね。
飼い主さんに顔をこすり付ける
仲よしの猫同士が顔や体をこすり付け合うしぐさは、フェロモンで相手に「好き」を伝えるコミュニケーション手段です。
猫が飼い主さんの体にすり寄るのも愛情表現のひとつ。顔から出るフェロモンを付けて、飼い主さんを「自分のもの!」と主張しています。
猫が顔をこすり付けてきたら、顔周りをカキカキして
猫は臭腺の集まる部位を刺激すると喜ぶので、顔をこすり付けてきたら、指で頬・あご・耳の付け根をカキカキしてあげるとよいでしょう。また、猫同士のようにスリスリ・ゴッチンしたがるコもいるので、飼い主さんの頭を差し出してあげるのも○です。
飼い主さんの手をなめる
猫は好きな猫となめ合うことで、相手のフェロモンを感じながら自分のフェロモンを付け、安心するといわれています。
もし猫があなたの手をなめてきたら、それは「好き」のコミュニケーションです。猫が人をなめるのは、本当にその人が好きだから。また、飼い主さんが自分のほうを向いていないときに、気を引こうとしてなめることもあるでしょう。
猫が手をなめてきたら、顔をなでてお返しを
猫が手をなめてきたら、そのままなめられたところを使って、あご下などの猫が自分で毛づくろいできない部位をやさしくなでてあげましょう。こうすることで、猫同士で行うようなニオイの交換にもなります。
しっぽを飼い主さんにくっ付ける
猫のしっぽの付け根には臭腺があり、猫同士がここを絡ませてニオイの交換をするしぐさは、親愛の印といわれています。
猫が飼い主さんの体に、わざとしっぽをくっ付けてくることがありますが、これは自分のニオイを付けて安心するためと考えられます。
猫がしっぽをくっ付けてきたら、臭腺を刺激してあげよう
猫がしっぽをくっ付けてきたら、しっぽの付け根の背中側にある臭腺を触って刺激してあげましょう。付け根をなでた延長で、親指と人差し指を輪っかにして、しっぽの先に向かってスッとスライドさせるのがポイントです。しっぽは握らないように注意しましょう。
猫はおもに嗅覚を使って「好き」や「もっと仲を深めたい」というキモチを伝えています。
猫同士のコミュニケーションをお手本にして、愛猫とのよりよい関係づくりに役立ててくださいね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2021年4月号『猫同士のコミュニケーションがお手本!愛猫と気持ちを通わす“ネコメソッド”』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。