さまざまな病気のリスクが高くなる冬は、猫の健康管理が難しい季節。愛猫が病気知らずで元気に冬を乗り切るには、どうすればいいのでしょうか。
今回は、病気の予防と対策につながる冬のお世話のポイントを、獣医師の田草川佳実先生に教えていただきました。
温度・湿度を適切に管理する
寒暖差や冷え、乾燥は猫の免疫力低下につながります。エアコンやヒーターなどの部屋全体を暖める暖房器具と加湿器を使用し、温度・湿度を適切に管理しましょう。温度設定は人が心地よいと感じる24~27℃、湿度は40~60%を目安に。暖かい空気が停滞しやすい高い場所にも猫の寝床を用意しておくなど、自然と暖をとれる工夫をしましょう。
猫トイレは冷える場所を避けて
猫トイレは冷える場所を避け、温度差のない場所に設置を。また、常に清潔を保ち、快適なトイレ環境を整えておきましょう。
いつでも暖かく過ごせる寝床を用意
段ボールや布などの保温性の高い素材の猫ハウスやベッドを用意し、毛布を敷きましょう。下にペット用ヒーターを敷くのもおすすめです。
飲水量を十分に確保する
半砂漠地帯にルーツをもつ猫は、少ない水分で濃い尿をつくって生きられる体のしくみをもっています。しかし、濃い尿は病気を引き起こす原因になるため、なるべく尿が濃くならないよう、十分な飲水量を確保することが大切です。飲み水は複数の場所に用意し、新鮮で清潔な状態を保ちましょう。
愛猫の好みに合わせた水を用意する
食器の材質や形状のほか、水の温度にも猫それぞれに好みがあります。流れる水が好きな猫には、自動給水器を使うのもおすすめ。
ウエットフードや水分の多いおやつを活用する
積極的に水を飲まない猫には、ウエットフードやスープタイプのおやつを取り入れるなどして、水分補給をサポートしましょう。
人がウイルスを持ち込まないように注意する
猫カゼは通年で注意が必要ですが、ウイルス感染性を長く持続する冬場はとくに注意。猫カゼのウイルスは、感染した猫のくしゃみや飛沫、鼻水、涙を介してほかの猫にうつることがあります。帰宅後はすぐに石けんで手を洗って消毒を。外で猫を触った場合は着替えましょう。
症状に気付いたら早めの受診を
冬にかかりやすい猫カゼなどの病気の症状を、飼い主さんが知っておくことも大切です。少しでもおかしいと気付いたら、早期受診・治療を心がけて。
冬の猫の健康管理Q&A
冬の健康管理をするうえで、シチュエーションや猫の特性によっては悩ましいことも。田草川先生には、冬の猫の健康管理に関する疑問にもお答えいただきました。
Q1.夜間は暖房を消していますが、猫のためにつけておいたほうがいいですか?
A1. 居住地域や家の構造にもよりますが、夜間に室温がかなり下がるならつけておきましょう。部屋全体を暖めるのが難しいようなら、ペット用ヒーターなどで暖かい場所の確保を。
Q2. 猫が自ら暖房のついていない部屋に行くのですが……
A2. 無理に連れ戻す必要はなく、好きにさせてかまいません。ただし、別の部屋に行く理由が室温でない可能性もあるので、その部屋の中にも暖かく過ごせる場所を確保してあげましょう。
Q3. 長毛種と短毛種で寒さ耐性に違いはありますか?
A3. 多くの長毛種は寒冷地出身で、比較的寒さ耐性が強いとされています。ただ、毛の長さにかかわらず、暖かく過ごせる場所と、暖房で暑すぎるときに避難できる場所の両方を用意するようにしてください。
健康管理をしっかりと行って、愛猫と幸せな冬時間を過ごしてくださいね。
お話を伺った先生/田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
参考/「ねこのきもち」2026年1月号『室内飼いだから安心、とはいえません 猫が冬にかかりやすい3つの病気』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。