1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 「猫の乳がん」と「キャットリボン運動」が詳しくわかる5つのポイント

猫と暮らす

UP DATE

「猫の乳がん」と「キャットリボン運動」が詳しくわかる5つのポイント

ピンクのリボンを猫が持っている写真、どこかで目にしたことはありませんか?この「ピンクのリボンと猫」は、2019年10月からスタートした「キャットリボン運動」のトレードマークです。
「人間の乳がん」の啓蒙運動「ピンクリボン」にちなんで名付けられた「キャットリボン運動」は、「猫の乳がん」のための啓蒙運動。「ねこのきもちWEB MAGAZINE」では5回にわたり、その活動内容についてご紹介してきました。一人でも多くの飼い主さんに知っていただくために、改めてその内容を振り返ります。

小林 哲也 先生

 獣医師
 公益財団法人 日本小動物医療センター付属 日本小動物がんセンターセンター長
 日本獣医生命科学大学非常勤講師
 米国獣医内科学専門医(腫瘍学)
 アジア獣医内科学専門医(小動物)

●経歴:
1994年 日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)を卒業後、米国インディアナ州パデュー大学で臨床研修を開始
1998年 米国ノースカロライナ州立大学獣医学部腫瘍科レジデント課程、および同大学修士課程を開始
2001年 同大学レジデント課程および修士課程を修了
同年 米国獣医内科学専門医(腫瘍学)として認定(日本人第1号)
同年8月 日本へ帰国
2002年4月~ 日本獣医生命科学大学非常勤講師
2004年10月~ 日本小動物医療センター付属日本小動物がんセンターセンター長
2010年~ JVCOG 日本獣医がん臨床研究グループ代表
2011年~ JFVSS 日本獣医学専門医奨学基金代表理事
2015年~ AiCVIM アジア獣医内科学専門医(小動物)および アジア獣医内科学専門医協会会長
2015年〜 JSFM ねこの医学会理事
2017年〜 日本獣医がん学会理事

●所属:埼玉県獣医師会/米国獣医内科学学会/米国獣医がん学会/日本獣医がん学会(理事)/日本臨床腫瘍学会日本癌治療学会

続きを読む
スヤスヤ眠るスコティッシュフォールドのぎんじろうちゃん
gin_jiro_nyan

猫の死因に多い「乳がん」。乳がんで苦しむ猫をゼロにする活動とは?

現在、猫の平均寿命は伸び続けていて、高齢でも元気な猫ちゃんをよく見かけるようになりました。それはとてもうれしいことなのですが、一方で、動物病院では猫の「悪性腫瘍(しゅよう)」、いわゆる「がん」の診療が増加しているのだとか。
中でも下のグラフのように、「乳腺がん(乳がん)」は猫に最も多いがんの1つなのだそうです。
そこで、JVCOG(一般社団法人日本獣医がん臨床研究グループ)の獣医師さん達が、「乳がんで苦しむ猫をゼロにする!」を目標に立ち上げたのが「キャットリボン運動」です。
“乳がんで苦しむ猫をゼロにする!”をコンセプトに始まったキャットリボン運動。私たち飼い主ができることはあるのでしょうか?

キャットリボン運動で私たちができることとは?>もっと見る

キンカローのノンちゃん
nyaomi3904

猫の「乳がん」はどんな病気?発生年齢・ステージ…家族が知っておくべきこと

「乳がん」は、乳腺(にゅうせん)というお乳を分泌する組織にできてしまう悪性の腫瘍(しゅよう)です。猫には、猫には左右に4つずつ、計8つの乳腺があります。
「多くの方に知っていただきたいのは、猫の乳腺に“しこり(腫瘍)”ができたとき、その約80%が悪性であるということです」とおっしゃるのは、キャットリボン運動の発起人で、JVCOG代表理事の獣医師・小林哲也先生。

乳がんとはどういう病気で、何歳くらいになりやすいのか、予防する方法はあるのかなど、飼い主が知っておくべきことを小林先生に教えてもらいました。
愛猫を「乳がん」のリスクから守るためには、まずはわたしたち飼い主が正しい知識を持つことが重要です。ぜひチェックしてくださいね。

猫の「乳がん」はどんな病気?>もっと見る

リボンで遊ぶエキゾチックショートヘアのPotetoちゃん
ganmo928

猫の「乳がん」は飼主が見つける!「乳がんチェックマッサージ」のやり方とポイント

猫の「乳がん」は進行度合いが進むほど命の危険が高く、初期である「2センチ以下」の段階で発見できるかどうかが、生存期間を大きく左右するのだそうです。
でも、初期の乳がんは痛みなどの症状がなく、猫の様子からは全く分からないのだとか。これが乳がんの怖いところです。
そこで「キャットリボン運動」では、家族が猫と遊びながらお腹のマッサージをして、乳腺にしこり(腫瘍)ができていないかをチェックできる「乳がんチェックマッサージ」を教えています。これを習慣にすれば、乳がんを早期に発見でき、愛猫の命を救える可能性がぐっと高くできるんです。
マッサージのタイミングや回数、注意ポイントまで、詳しく図解入りで解説しています。

図解入りで解説!乳がんチェックマッサージのやり方 >もっと見る

ジャパニーズ・ボブテイルのうりちゃんといくらちゃん
uri_to_ikura

猫の「乳がん」の治療法、手術、費用は?飼い主がすべき判断とは

「乳がんチェックマッサージ」でもしもしこりが見つけたら、飼い主はどうしたらいいのでしょう?怖いけれど、一番大切な部分ですよね。

「乳がんは早期発見が何より大切です。猫の命を救うため、しこり(腫瘍:しゅよう)らしきものを見つけたり、何か気になることがあったら、先延ばしにしないですぐ検査を受けることが大切です」と小林先生はおっしゃいます。

検査ではどういうことをするのか、乳がんだったらどんな治療が必要なのか、そして手術の際、飼い主がするべき決断とは何かなど、愛猫を救うためにぜひ知っておきたいですね。

猫の「乳がん」の治療法、手術、費用は? >もっと見る

リボンを乗せたロシアンブルーの麦ちゃん
russiaby2

家族と獣医師が協力して猫を笑顔に!【キャットリボン運動 1stイベント@TOKYO 報告】

「キャットリボン運動」では上記のような「乳がん」の情報発信だけではなく、直接飼い主さんや獣医師さん達が参加できるイベントも開催しています。
その第1回イベントが東京で開催され、「ねこのきもちWEB MAGAZINE」も密着してきました。
イベントでは、3人の獣医師の先生方による「猫の乳がん講座」や「乳がんチェックマッサージ実演」、「猫と楽しく暮らすには」レクチャーなどが行われました。さらに、飼い主さん同士がコミュニケーションできる手作りワークショップもあり、会場は大盛り上がり!

どんな雰囲気で、どんなことが語られたのか、詳しくは下記レポートをチェックしてみてくださいね。

イベントレポートを見る

「キャットリボン運動に参加します!」と手を上げる飼い主さんも続々!

始まったばかりの「キャットリボン運動」ですが、多くの飼い主さんがSNSを中心に、「私も参加します」「応援したい!」と声をあげています。猫の飼い主さんたちはこの運動をどう感じているのか、1stイベントに参加されていた方々にお話を伺いました。

ゆうかさん、パクくん(1歳8ヶ月・オス・日本猫)

「夏にペット栄養管理士の講座でキャットリボン運動の発起人の小林先生の講義を受け、この運動と猫にも乳がんがあることを知りました。イベントに参加して、さらに猫の乳がんの危険性・重篤性を知ることができました。また、飼い主が正しい知識を持って、手術の決断や相談ができるようになる必要性も感じました。
私自身もいかに早期発見が大切か、自宅でのチェックが大事かをSNSなどで伝えていきたいです。SNSにイベントについて投稿をしたところ、”関西でもやらないかな?”という声がありました。ぜひ日本各地でイベントをしていって欲しいです」

中村利三子さん、ベルくん(3歳・オス・ミヌエット)、すずくん(1歳・オス・スコティッシュフォールド)

「しこりの見つけ方やマッサージ方法を知り、日頃の何気ない“なでなで”が、意味のある“なでなで”になりました。こういう知識は本当に大切だと実感しています。
猫の乳がんの早期発見は自分に託されていると思うと、より愛おしく思えてきました。1匹でも多く、乳がんで苦しむ猫を減らしたいです」

ヒロトさん&ショウコさん、麦くん(2歳・オス・日本猫)

「早期の不妊治療が発がん率を下げることを知り、少しでも長く心地よく一緒に過ごせるようにしたいと改めて思いました。日常でできるケア(乳がんチェックや歯磨きなど)をやっていきたいと思っています」(ヒロトさん)
「自分の猫を守ってあげることができるのは、飼主しかいないので、知識を身につけることが大切だと思いました。心も身体も健康で一緒に楽しく過ごせるようにしたいです」(ショウコさん)

モニグルさん&モンミネットさん、メルくん、リヴィくん(ともに1歳・オス・ブリティッシュショートヘア)

「うちの猫は2匹ともオスなので、乳がんの発生確率はデータ上低いと思いますが、日々、マッサージでチェックしていこうと思います。猫の乳がんやキャットリボン運動について、SNSなどで広めたいと思います」(モニグルさん)
「まだまだ乳がんに対してわからないことが多いので、今後も勉強会などに参加し、我が家の猫たちが健康に過ごせるように知識を増やしていきたいです。
他の病気に関するイベント・勉強会などもあるとさらにうれしいです。できる限りキャットリボンの活動に参加していきたいです」
キャットリボン運動は今後もまだまだ続きます。近くでイベントなどが開催されるときは、ぜひ参加してみてくださいね。
「ねこのきもちWEB MAGAZINE」も引き続き、キャットリボン運動を応援して行きます。

これまでのお話はコチラから

キャットリボン公式サイト

監修/小林哲也先生(日本小動物がんセンターセンター長)
文/かきの木のりみ(ライター)
CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る