イタズラをした猫を大きな声で叱ったり、猫のそばで物を落として驚かせてしまったり……飼い主さんの何気ない行動が、猫の心身にダメージを与えることもあるので注意が必要です。
そこで今回は、獣医師の椎木亜都子先生に、猫にやってはいけない4つの行為を教えていただきました。
1. 大声で叱る・体罰を与える
猫が困った行動をしたとき、「ダメ!」と叱りつけるのは逆効果。本来単独で生きる猫には、「叱られたから反省する」という思考回路はありません。このため、大声を出したり押さえつけたりするなどしてイヤな思いをさせると、飼い主さんを怖い存在と認識し、信頼関係が壊れてしまいます。
すぐにやめさせたいことがあるのなら、別のことで気をそらすか、困ったことをしないように先回りをして未然に防ぐのが得策です。
2. 猫を外に出す
猫を外に出すことで、交通事故、感染症、誤食・誤飲、虐待などさまざまなリスクにさらされ、病気やケガを負う可能性が高くなります。また、室内で暮らす猫が誤って外に出てしまった場合、帰ることができず行方不明になってしまうことも。
猫が快適に過ごせる室内環境を整えて完全室内飼いにすることはもちろん、脱走防止対策も万全に行いましょう。
3. 大きな音で驚かせる
猫を大きな音で驚かせてしまうと、強いストレスや恐怖を感じ、パニック状態になることがあります。大きな音を出す人に対して警戒心を抱いたり、攻撃的になったりすることも。
わざと大きな音をたてることはもちろん、ものが落ちたり倒れたりして愛猫を驚かせることがないよう、室内を見直しましょう。
4. 首の後ろをつかんで持ち上げる
母猫が子猫を運ぶときに首の後ろをくわえることから、ここをつかんで持ち上げようとする人もいるかもしれません。しかし、母猫の力加減を人が再現するのは難しく、首に負担がかかって筋肉や血管を痛めるおそれがあります。
猫を持ち上げるときは、片手を猫の背中に添え、もう片方の手でお尻の下を支えて体を包み込むように抱き上げましょう。
「ついうっかり」でもNG行為をしてしまうと、愛猫との関係が崩れたり、危ない目にあったりするリスクがあります。十分に注意してあげてくださいね。
お話を伺った先生/椎木亜都子先生(獣医師)
参考/「ねこのきもち」2025年11月号『暮らしやお世話でとくにやってはいけないこと、まとめました。猫にご法度12ヵ条』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。