静かに歩いたり、細いところでもバランスよく速く歩けたり、高いところにジャンプしたりと猫の足には不思議がいっぱいです。なぜそんな動きができるのか、今回は魅力がいっぱいな猫の歩き方や足について、哺乳動物学者の今泉忠明先生に教えていただきました。
獲物に近寄るときは「だるまさんがころんだ」
猫は狙った獲物が別の方向を向いているときや、食事に集中しているときは、ササっと獲物に近寄ります。そして、猫の方を向くとピタリと止まり、気配を消すのです。このように、「近寄る」「止まる」の繰り返しは、まるで「だるまさんがころんだ」をしているかのようですね。
子猫がピョンピョン跳ぶのはなぜ?
猫は後ろ足がバネのような構造になっているため、ジャンプするのが得意です。子猫のうちは体重が軽いため、自分の意志とは関係なく跳んでしまうことも。驚いたときなどは、ボールが跳ねるような感じで、横や後ろにピョンピョンと跳んでしまうのです。
木登りができる理由
犬は鎖骨が退化したため、前足は前後にしか動かすことができませんが、猫は鎖骨が残っているため、前足を左右に開き、物を抱えることができます。
これは、単独で狩りをする猫が獲物を仕留めるために必要な特徴ですが、木登りをするのにも役立っているのです。
たまには自分をアピール!?
足音を立てずに歩くのが得意な猫ですが、ときにはわざと足音を立てて歩くことも。とくに飼い猫の場合は、自分の存在をアピールするために足音を立てて歩いたときに、おやつをもらえたなどうれしい体験をすると、そのあとも繰り返すことがあります。
猫の足の不思議についてがわかったと同時に、身体能力の高さがよくわかりましたね。ぜひ日頃から猫の足や動きに注目してみてください。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2023年5月号『華麗な“足運び”の秘密に迫る ここがスゴイ!猫の歩き方』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。