猫の糖尿病は、シニア猫や肥満の猫がなる病気だと思われがちですが、実はどんな猫でも発症するリスクがあります。いざというときのためにも、糖尿病がどういう病気なのかを知っておくことが大切です。
そこで今回は、糖尿病になりやすい猫の特徴や糖尿病の症状などを、獣医師の小林清佳先生に伺いました。
猫の糖尿病ってどんな病気?
Photo by Getty Images
糖尿病とは、血糖値の高い状態が持続する病気です。本来、血中の糖はすい臓から出る「インスリン」というホルモンによって細胞に運ばれますが、さまざま要因でインスリンの働きが弱まったり、分泌されなくなったりすると、糖が血中に残る高血糖の状態になります。
糖尿病になりやすい猫は?
Photo by Getty Images
猫の糖尿病は、食習慣(肥満)や運動習慣(運動不足)が発症に関わることがあると考えられています。また、ストレスに弱い、吐きやすいといった性質も、糖尿病のリスクを高める一因に。どれも現代の飼い猫にはありがちで、だからこそ発症を見逃しやすいともいえるので、注意が必要です。
また、愛猫がどの特徴にも該当しない、少ししか当てはまらなかったとしても、糖尿病は高血糖が続けば発症しうる病気です。一般的に5才以上の猫がかかりやすいといわれているので、年を重ねればどんな猫でも発症するリスクがあるといえます。また、5才未満の発症例もあるので、若いからと油断はできません。
こんな症状が見られたら要注意!
Photo by Getty Images
糖尿病の初期症状で、とくによく見られるのが「多飲多尿」「多食」です。オシッコ後、トイレ砂の塊がいつもより大きかったり、水を飲む1回の時間が異様に長かったりする場合は注意してください。
なお、糖尿病を治療しないまま進行すると、さまざまな合併症を引き起こすおそれがあります。体重の減少・おう吐・かかとを床につけて歩く・視力の低下・昏睡状態といった症状が見られたら、早急に動物病院を受診しましょう。
糖尿病はよく聞く病名のひとつですが、放置して悪化すると取り返しのつかないことになるケースもあります。糖尿病がどういう病気なのかを知り、愛猫との生活に役立てましょう。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2025年4月号『なると生涯付き合うことに 日頃からできる対策が予防につながる 猫の糖尿病』
文/東里奈
※記事と写真に関連性がない場合もあります。