糖尿病は生涯付き合っていかなければならない病気。糖尿病を予防するためには、意識した運動と食事で血糖値の上昇を抑えることが大切です。
そこで今回は、猫の糖尿病を予防する具体的な方法について、獣医師の小林清佳先生に伺いました。
適度な運動でストレスを解消して肥満を予防する
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血中の糖は、すい臓から出るインスリンの働きによって細胞に運ばれますが、このインスリンの働きが弱くなったり分泌されなくなったりすると、糖が血中に残って高血糖の状態になります。この状態が持続するのが糖尿病です。
運動不足になると、このインスリンが機能しにくくなることが知られています。また、運動不足はストレスや肥満の原因にもなり、血糖値が上昇する一因に。適度な運動でストレスを解消し、肥満を予防することが大切です。
食事量や体重を管理して適正体重を維持する
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先述のとおり、肥満は血糖値の上昇の原因となるので、愛猫の体重を管理するために、少なくとも2週間~1カ月に1回は、愛猫の食事量と体重が適正であるかを見直しましょう。愛猫を抱えて体重計に乗り、計測値から自分の体重を引けば簡単に愛猫の体重がわかります。
また、肥満の猫の場合も同様に体重管理は必要ですが、自己流での急激なダイエットを行うのは禁物です。まずは獣医師に相談して、正しいダイエット方法や愛猫の適正体重などを確認し、愛猫に無理をさせないようにしてください。
一気食いを避けて胃の負担を減らす
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猫が頻繁に吐くとすい炎を起こしやすく、最終的にインスリンが出なくなって、糖尿病を発症してしまうことが。一気食いはおう吐の原因になるため、一気食いをしがちな猫の場合は一度に与えるフードの量を減らし、その分食事の回数を増やしてあげるといいでしょう。
また、毛を飲み込むことも吐く原因になるので、こまめにブラッシングしてあげるのも有効です。
愛猫の体重管理や運動不測の解消など、ふだんの生活を少し工夫するだけで、糖尿病の予防になります。愛猫に長く健康でいてもらうためにも、ご紹介した予防方法をぜひ取り入れてみてくださいね。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2025年4月号『なると生涯付き合うことに 日頃からできる対策が予防につながる 猫の糖尿病』
文/東里奈
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