猫を飼育するうえで欠かせないアイテムのひとつが、猫を入れて持ち運ぶための「キャリーケース」です。通院や災害時の避難などに使用するため、愛猫がストレスを感じることなく中に入り、落ち着いて過ごせるようにしておく必要があります。
そこで今回は、愛猫をキャリーケースに慣れさせるための方法を、獣医師の藤井仁美先生に伺いました。
STEP1:おやつで誘導
参考・写真/「ねこのきもち」2025年4月号『ステップはたった4つ。 ポイントは「猫のペースで行うこと」! キャリーケースに確実になれさせる方法』
まずは、おやつをフードボウルなどの容器に入れてキャリーの中に置いたり、キャリーの手前にばらまいたりして、猫がおやつ食べたさに自分からキャリーの中に入るような状況を作ります。キャリーの扉は、猫が「閉じ込められた」と思ってしまわないよう、開けたままにしておきましょう。
また、通常の食事をキャリーの中で食べさせるのも一案です。
STEP2:キャリー内でおやつを食べさせる
参考・写真/「ねこのきもち」2025年4月号『ステップはたった4つ。 ポイントは「猫のペースで行うこと」! キャリーケースに確実になれさせる方法』
猫がキャリーの中に入っておやつを食べていたら、扉は閉めずに、そのまま遠くから見守りましょう。STEP1とSTEP2を繰り返すことで、猫は「キャリーの中はおいしいものが食べられる空間」と認識するようになります。
キャリーの外に出ず、おやつを食べているようなら、安心している証拠ですよ。
STEP3:食べている間に扉を閉める
参考・写真/「ねこのきもち」2025年4月号『ステップはたった4つ。 ポイントは「猫のペースで行うこと」! キャリーケースに確実になれさせる方法』
STEP1とSTEP2がスムーズにできるようになったら、猫がキャリーの中でおやつを食べている間に、静かに扉を閉めてみましょう。おやつがなくなったら通気窓などからおやつを追加し、猫の「キャリーの中はおいしいものが食べられる空間」という認識が持続するようにします。
STEP4:扉を開ける
参考・写真/「ねこのきもち」2025年4月号『ステップはたった4つ。 ポイントは「猫のペースで行うこと」! キャリーケースに確実になれさせる方法』
最後は、猫がキャリーの中でおやつを食べ終わる前に扉を開け、キャリーの中に留まるも外に出るも猫の自由にしてみましょう。猫が「閉じ込められた」と思わないよう、最初は扉を閉める時間を短くし、慣れてきたら徐々に長くしていきます。
STEP1~STEP4を行う間、猫が終始リラックスした様子なら、キャリーに慣れたといえますね。
キャリーケースに入る練習のコツ
参考・写真/「ねこのきもち」2025年4月号『ステップはたった4つ。 ポイントは「猫のペースで行うこと」! キャリーケースに確実になれさせる方法』
キャリーに入る練習は、1日1回が目安です。愛猫の様子を見ながら段階的に行い、もし嫌がるようなそぶりをしたら、練習をストップ。翌日、愛猫の気分が切り替わってから、練習を再スタートするといいでしょう。
ちなみに、猫の気質や性格によって、練習が一気に進むこともあれば数カ月かかることもあります。
通院や災害時に必要になるキャリーケース。猫を迎え入れたら、なるべく早くからキャリーに入る練習をして、愛猫が安心してキャリーに入れるようにしてあげましょう。
お話を伺った先生/藤井仁美先生(獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー)
参考・写真/「ねこのきもち」2025年4月号『ステップはたった4つ。 ポイントは「猫のペースで行うこと」! キャリーケースに確実になれさせる方法』
文/東里奈
※記事と写真に関連性がない場合もあります。