夏は猫の体が汚れやすいため、しっかりお手入れすることが大切です。しかし、やり方を間違えると、逆に皮膚トラブルを引き起こしてしまうことも。今回は、夏にやりがちなNGなお手入れ方法について、猫専門トリミングサロン代表の花島秀俊先生に伺いました。
アルコール入りウェットシートで体をふく
アルコール入りウェットシートは、人の手指の洗浄には一般的ですが、猫にとっては危険なものです。猫は体内でアルコールを分解できないため、アルコール入りウェットシートでふいた毛をなめてしまうと、体調に異変が起こる可能性があります。
体に汚れがついているときの正しいお手入れ方法
猫の体をふくときは人用のウェットシートは使わず、猫がなめてもOKなペット用として販売されているものを使用しましょう。ブラッシングで余計な毛を取り除いてからふくと、すっきりキレイに仕上がりますよ。
耳の中を綿棒で掃除する
耳の中は皮膚がやわらかいため、乾いた綿棒でゴシゴシこすると赤くなってしまいます。また、猫が動いた拍子に奥まで入り、耳の中を傷つけてしまうおそれもあるため、耳のお手入れに綿棒は使わないようにしましょう。
耳の中の正しいお手入れ方法
湿気による汚れは耳の奥のほうというより、耳の入り口から近いところに付着しがち。耳の中をチェックして、目に見える範囲に汚れがあれば、湿らせたコットンでやさしくふき取るようにしましょう。
あごの汚れをノミ取りコームで取る
あごの下に点々とした黒い汚れを見つけたときは、まず「ニキビ」なのか「食べ物などの付着」なのかを判断しないとなりません。黒い汚れがニキビだった場合、コームやブラシを使って強い刺激を与えてしまうと、炎症や出血のおそれがあります。
あごが汚れているときの正しいお手入れ方法
まずは濡らしたコットンやガーゼで、そっと汚れをふき取ってみましょう。ニキビの場合はふいても取れないことが多いので、そのときは動物病院を受診しましょう。また、毛先についているものが明らかに食べ物カスの場合は、コームを使って取ってもOKです。
目やにを指でふく
目やにや涙を放っておくと、次第に固まってこびりついてしまいます。さらに、目のまわりの毛が変色する「涙やけ」になることも。つい指でこすり取ろうとしてしまいがちですが、爪の先があたると目を傷つけてしまうおそれもあるため、目のまわりには指先を近づけないようにしましょう。
固まった目やにがついているときの正しいお手入れ方法
もし目やにが固まっていたら、水で濡らしたコットンやガーゼでふやかしてから、やさしく丁寧にふき取ってあげましょう。ふき取り用のコットンやガーゼも乾いたままではなく、必ず水で濡らしてから使うようにしてください。
人と同じ道具や方法でお手入れしてしまうと、デリケートな猫の皮膚を傷つけてしまうおそれがあります。愛猫の体を守るためにも、正しい方法でお手入れを行うようにしましょう。
お話を伺った先生/花島秀俊先生(有限会社キティボックス代表 全国キャットクラブ学術顧問 ちば愛犬動物フラワー学園「キャットプロコース」講師)
参考/「ねこのきもち」2022年8月号『間違った方法がトラブルの原因に!? うっかりやりがちな夏のNGお手入れ』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。