愛猫のためにも、防災対策を行っている方は多いでしょう。いつ・何が起こるかわからないからこそ、あらゆるリスクを考えて入念に準備しておくことが大切です。今回は、想定外の事態に直面した飼い主さんの体験談をご紹介。専門家の香取章子さんに、災害時の備えについて伺いました。
2024年1月 能登半島地震の体験談(1)
家具が倒れて避難バッグが取り出せず、猫のフードやペットシーツなど、思いついたものを持ち出して山の方へ避難。車中避難が長期間続き、猫の飲み水や器がないことにとても焦りました。避難バッグを置く場所や、持ち出せなかったときのことを考えた備えも必要だと痛感しました。(石川県 S・Sさん)
防災グッズはすぐ持ち出せる「玄関」に!
防災グッズを備えている人は多いものの、盲点なのは「いざというときに持ち出せるか」ということ。防災の奥にしまい込まず、玄関周りのすぐ取り出せる場所に置きましょう。(香取さん)
2024年1月 能登半島地震の体験談(2)
揺れの反動で本棚が倒れかけ、愛猫の近くに本が落下してヒヤリ。幸い無事でしたが、驚いて部屋の隅に隠れてしまいました。その後、なんとか愛猫を連れ出して避難。数時間後に避難先から帰ると、愛猫はすぐさま2階にこもってしまい、ゴハンも食べずトイレに行く気配もありません。安全だけでなく「安心」についても考えておくべきだと感じました。(新潟県 T・Tさん)
災害の恐怖やストレスから猫が体調を崩すことも
災害時、意外にも多いのが内科的な不調。恐怖心に加え、いつもと違う飼い主さんの様子や避難生活のストレスも一因です。素早く避難準備をしつつ、猫に対してはやさしく声かけをするなど「ふだんどおり」を心がけて。(香取さん)
2011年3月 東日本大震災の体験談
電車が止まり、職場から帰宅できたのは0時過ぎ。部屋に入ると本棚の本が落ちていて、愛猫が怯えた様子で机の下から出てきました。その後も余震が来るたび机の下に隠れてしまい、恐怖心は消えない様子。ストレスから下痢も続くようになってしまいました。水道管の故障による水質の異変も考慮し、愛猫の飲み水は備蓄していたものに切り替えました。(東京都Y・Iさん)
災害時には安全な飲み水の確保が難しいことも
たしかに、地震などによって上下水道に影響が出る可能性もあります。水質によっては人の飲み水との共有が難しいこともあるので、人用とは別に猫用の水を備蓄しておけると安心です。(香取さん)
備えておきたい持ち出し品
参考・写真/「ねこのきもち」2026年3月号『「想定外」なことは、いくらだって起こり得ます。実体験から考える 災害時の備え』
最後に、防災バッグに必ず入れておくべきアイテムをご紹介します。
必ず用意するもの
■飲み水
最低5〜7日分の軟水。硬水は猫の結石の原因になるためNG。
■フード
最低5〜7日分。療法食を与えている場合は、獣医師に相談のうえ可能な量を常備。
■フードボウル・水飲みボウル
軽量かつ割れない素材のもの。
■常備薬
獣医師に相談のうえ、可能な量を常備して。
■トイレ砂・ペットシーツ
最低3〜7日分。折りたたみ式のトイレ容器もあると便利。
■猫の情報がわかるもの
はぐれたときのため、猫の特徴や飼い主さんの連絡先などをまとめた手帳や、飼い主さんが一緒に写った写真を用意。
■ポリ袋
避難所で猫の排泄物の処理などに。
■大判のタオル
キャリーケースの上に目隠しとしてかけ、猫のストレス軽減などに。
このほか、ウエットティッシュ(ノンアルコール)やペースト状のおやつ、お気に入りのおもちゃなども用意しておくとベター。この機会に、改めて防災対策について考えてみましょう。
お話を伺った先生/香取章子さん(特定非営利活動法人ちよだニャンとなる会業務執行理事 一般社団法人東京都人と動物のきずな福祉協会代表理事 フリーランス・ライター)
参考・写真/「ねこのきもち」2026年3月号『まさか愛猫が 対策していたのに「想定外」なことは、いくらだって起こり得ます。実体験から考える 災害時の備え』
文/柏田ゆき
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。