「みちるが我が家に来てから、毎日が驚きと喜びであふれています」
こう話すのは、元保護猫・みちるちゃん(♀・1才)の飼い主さん。左目を怪我したみちるちゃんは、命の危険にさらされていたところを奇跡的に飼い主さんたちに保護されたのです。
みちるちゃんとの出会い
2018年6月、みちるちゃんとの出会いは突然やってきました。それはある朝のこと。飼い主さんの家の前の空き地で、子猫のような鳴き声がしたのだそう。
鳴き声が気になり外に出て捜索するも、すぐには見つけられなかったよう。しばらく時間が経ち、もう一度鳴き声がして外に出ると、近所の人の足元で子猫が鳴いていたのです。
「カラスにつつかれて左目は腫れ上がり、右目も猫カゼでグジュグジュ。傷だらけでガリガリでした。数日、ご近所さんに通院と保護をしてもらい、3日目に我が家に迎えることになったんです」
「もう、つらい思いやひもじい思いをしなくていいように、幸せが満ちあふれるように『みちる』と名付けました」
大きな怪我を負い、空腹の中、必死に助けを求めていたところを救われたみちるちゃん。
飼い主さんご家族や近所の方など、たくさんの人たちに幸せを願われたみちるちゃんは、ここから新たな猫生を歩むこととなりました。
みちるちゃんは、甘えん坊で活発なコに成長
飼い主さんご家族のもとでたくさんの愛情を受け、見守られながら成長していったみちるちゃん。
今では、とっても甘えん坊で人が大好きなコに♪ 家族だけでなく、お客さんも大歓迎で、インターホンが鳴ると飛んでいってお出迎えしちゃうそう!
活発な一面もあり、おもちゃで遊ぶのも大好きなみちるちゃん。左目のハンデを感じさせない元気いっぱいな姿は、見ているこちらが勇気づけられるような気がします。
忘れもしない、左目の摘出手術の日の出来事
みちるちゃんと暮らし始めて、驚きと喜びであふれる日々を過ごしている飼い主さんご家族。そのなかで、特に印象に残っている出来事を尋ねてみると、避妊手術の際におこなった「左目の摘出手術」だと話します。
化膿した左目がいずれ腫瘍になる可能性があったため、みちるちゃんの左目の手術を決断したのです。
「眼科専門の先生ですし、信頼している先生なのですが、やはり心配で気が気ではありませんでした。なにより『甘えん坊で私と離れたことのないみちるが、入院なんてできるのだろうか』と、ほんとうに心配で…」
「でも、退院の日にお迎えに行ったら『みちるちゃん、スタッフや先生に抱っこをせがんでいましたよ~』『ごはんをお手てから食べさせて~っておねだりしてましたよ~』などの入院中のエピソードを聞き、思わず笑ってしまいました(笑)」
大変な手術を乗り越えたみちるちゃん。きれいに縫合されたみちるちゃんの左目は、まるでウインクをしているかのようですね。
みちるちゃんのおかげで、たくさんの幸せを感じられる
みちるちゃんと一緒に過ごすなかで、飼い主さんはたくさんの幸せを感じているとも話してくれました。
「挙げたらキリがないですが、今までは自分が家族を出迎える側で、 誰かに『おかえり』と迎えてもらうことがありませんでした。
でも、みちるが家族になり、買い物から帰ってきてみちるが玄関の前で待っていてくれると、とても幸せを感じます。独り言のように呟いていた『ただいま』を、心を込めて言える毎日が幸せです」
みちるちゃんが繋いでくれたご縁を大切にしたい
みちるちゃんと出会ったことで、飼い主さんは「保護猫」についても考えるようになったようです。
「みちるを家族に迎えてから『自分にできることをやりたい』と思うようになり、保護猫を家族に迎えるためのお手伝いができたらと、預かりボランティアを始めました」
「みちるが繋いでくれたご縁と毎日の幸せに感謝しかありません」
飼い主さんご家族に、たくさんの幸せを運んできてくれたみちるちゃん。そんなみちるちゃんから、飼い主さんはいろんな影響を受けているようですね。
最後に、みちるちゃんに伝えたい思いを尋ねてみると、次のように話してくれました。
「みっちゃん、お母さんの娘になってくれてありがとう。みっちゃんのお目め、世界で一番可愛いよ。これからもみっちゃんの猫生、めいっぱい楽しく過ごそうね」
左目を失い、過去につらい経験をしたみちるちゃん。でも今、みちるちゃんのそばには、かけがえのない大切な家族がいます。
みちるちゃんのこれからの猫生、きっと幸せが満ちあふれているはずです。
参照/Instagram(
@96chan.0420)
取材・文/雨宮カイ