猫のポジティブな気持ちやネガティブな気持ちは、しぐさや鳴き声、パーツの動きなどさまざまなところでサインとして表れます。
猫にとっての「イイね」(YES)は“落ち着く”と“わくわく”することで、「嫌だ」(NO)は“怖い”こと。
ただ、気まぐれな猫たちの感情表現は複雑で、「これってYES? それともNO?」と飼い主さんを惑わせることがあるので、それを解明するべく専門家にジャッジしてもらいました。
猫飼いさんにとって、あるあるネタが満載です!
なでられてうっとりしていたのに、急に噛んでくるのは?
YESからのNO 「気持ちよかったけど、もうやめて!」
最初はなでられて心地よくてYESの気持ちでしたが、なでられて続けているうちに、「もうイヤだ!」とNOの気持ちになってしまったのでしょう。猫が「そろそろもういい」と感じ始めた段階で、瞳孔が開いたりしっぽを大きく振ったりと、NOサインを発していたはず。それに気付いてスキンシップを切り上げましょう。
被り物をかぶせても、じっとして写真を撮らせてくれるけど…?
NO 本当はイヤだけど、我慢中…
どうしてもイヤならその場から逃げますが、固まって動かなくなるのは緊張しているときに見せるNOサイン。「そこまで無理じゃないから我慢しているけど……」という気持ちです。写真を撮るならできるだけ早く終わらせて、がんばった愛猫におやつなどのごほうびを与えて。
「シャー」と威嚇してきたのにすぐ「ニャー」と甘えた声ですり寄ってくるのは?
NOかと思ったけどやっぱりYES 「誰かと思ったら飼い主さん♡」
不意に触られるなどしてビックリした猫が、敵と勘違いして思わず威嚇したのかも。相手が飼い主さんとわかり、うれしくなって甘えたのでしょう。愛猫を驚かせないよう、声をかけるなどしてからタッチして。
ゴハンの準備中に噛んでくるのは?
YESとNOが入り混じった気持ち ゴハンを期待するあまり思わず噛むことも
「もうすぐゴハン!」という期待が高まる“YES”の気持ちと、「待ちきれない、早くして!」と催促する“NO”の気持ちを両方持ち合わせています。飼い主さんを噛むのは、噛んだときに急いでフードを与えてくれた経験から、「噛んだら早くもらえた」と学習したからかも。繰り返さないよう、猫がいない部屋でゴハンを準備するなどの対策を。
トイレ砂がないところで砂かけのしぐさをするのは?
NO 「気になるニオイを消し去りたい!」
砂をかけるしぐさは、ニオイを隠そうとする本能的な行動。気になるニオイを消してしまいたいときのNOサインです。消臭効果のあるもので拭くなどして、愛猫が消したがっているニオイを取り除いてあげるといいでしょう。
気まぐれは猫の最大な魅力のひとつです
いかがでしたか?
猫のYES・NOサインは、飼い主さんがどう応えてあげるかによって、個別に変化していきます。ここで紹介したYES・NOサインを参考に、愛猫とのコミュニケーションに役立ててくださいね。
参考/「ねこのきもち」2019年5月号『ポジティブ・ネガティブサインを読み取ろう 愛猫は今YES or NO?』(監修:帝京科学大学助教 小野寺 温先生)
文/SAY
イラスト/タカヒロコ
画像/iStock、Getty Images Plus