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黒猫をもっと知りたい!歴史や性格から言い伝えまで徹底解説

真っ黒な毛並みが美しく、身近な存在でもある黒猫ですが、黒猫についてどのくらいご存知ですか? 今回は、黒猫の歴史や見た目、性格の特徴、飼い方、品種そして黒猫にまつわる迷信まで、黒猫に関する情報を詳しく解説していきます。

黒猫の歴史を紐解こう

黒猫
bojanstory/gettyimages
黒猫は古くから人との関りが深い毛柄のひとつです。

たとえば、人が猫を飼っていたと記録されている日本最古の書物に、『寛平御記』という宇多天皇の日記があります。これは平安時代初期の文献とされていますが、その中には、父親から譲られて黒猫を飼っているという記述があるのだそうです。

また、江戸時代には「黒猫を飼うと結核が治る」といううわさが広まり、黒猫を飼うのがブームになったこともあったのだとか。
海外でも古くから黒猫の存在は確認されており、ケルト神話や北欧神話にも登場します。

黒猫の見た目や性格の特徴とは

黒猫
adogslifephoto/gettyimages

黒猫の見た目の特徴

黒猫の見た目は、その名の示す通り黒一色が特徴です。しかし実は「黒」以外の遺伝子も持っていて、それが現れにくいだけなのだとか。

他の毛柄よりも、ぽつぽつと白髪のようにある白い毛が目立ちやすいのも特徴のひとつで、黒っぽいひげの猫が多いですが、まれに白いひげの黒猫もいるようです。

基本的にメラニン色素の量が多いため、目の色は銅色、黄色、黄緑色など濃くなる傾向にあります。

黒猫の性格の特徴

個体差はありますが、黒猫は友好的な性格の猫が多く、人懐こくて甘えん坊だといわれています。

その一方で、実際に黒猫を飼っている飼い主さんたちからは、怖がりな性格という意見も。単色の黒は自然界の中では目立つため、警戒心が強い猫が多いと感じるのかもしれません。

また、同じ黒猫は性別によって性格に違いが見られるといわれることがあります。どうやらメスの黒猫のほうが警戒心が強く、飼い主さん以外になかなか懐かないことがあるのだとか。

黒猫の飼い方のポイントは?

黒猫
MirasWonderland/gettyimages
基本的には通常の猫の飼い方と大きく変わる点はありません。

しかし、やや甘えん坊の傾向があるといわれるように、愛猫が甘えん坊だなと感じたら、スキンシップや遊びなどのコミュニケーションの時間を増やしてあげるなど、愛猫の性格によって接し方を工夫してあるとよいでしょう。

また、黒猫は薄い毛色の猫よりも汚れなどが目立ちにくいため、お手入れのタイミングに気づきにくくなってしまうケースもあります。特に毛足の長い黒猫であるなら、ブラッシングなどはこまめに行うよう意識してみてください。

黒猫の主な品種とは?

ボンベイのクロミちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
黒猫の品種といえば、「ボンベイ」というイメージの方も多いのではないでしょうか。

雑種の黒猫は、被毛に白や茶色などの毛が混ざることがありますが、ボンベイに認められる毛色は黒一色のみで、漆黒にこだわって育種されたといいます。

また、ボンベイの瞳の色は金銅色に限られていますが、雑種の黒猫は先述したようにさまざまな色を持っている点も、大きな違いのひとつといえるでしょう。

他にもある、黒い毛色が出る品種

ボンベイ以外の品種でも、黒い毛柄が出る品種はあります。

たとえば、ベンガルやアメリカンショートヘアなど、特有の毛柄が印象な品種の中からも黒猫が生まれることが。
その他、マンチカン、ノルウェージャン・フォレスト・キャット、ジャパニーズボブテイル、ペルシャ、バーミーズ、メインクーン、ターキッシュ・アンゴラ、アメリカンカールなどにも黒猫は存在します。

黒猫が横切ると……はウソ? 黒猫は“福猫”だった!

毛布にくるまれたキキちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
黒猫が前を横切ると不吉……なんて迷信を聞いたことはありませんか?
実はこの迷信は、もともと日本に存在していたのではなく、欧米から伝わってきたものだといわれています。

欧州では黒猫は、魔女の使い魔、もしくは魔女が変身した姿であると信じられていました。そのため、中世の終わりころに起こった魔女狩りでは、多くの黒猫もその犠牲になったといわれています。

日本ではそもそも“福猫”だった

一方日本では、昔から黒猫は“福猫”として重宝されていました。「夜でも目が見える」という理由から、魔除けや幸運、商売繁盛の象徴とされていたそうです。

この言い伝えが現在でも残るわかりやすい例が「招き猫」。黒い招き猫は魔除けや厄除けといったご利益があるといわれています。

明治40年前後くらいまでは、黒猫が“福猫”であるという記述が残っているそうで、黒猫は不吉だというイメージは、それ以降に外国から持ち込まれたものだと考えられるでしょう。

あの作家も黒猫を?有名な「福猫」エピソード

著名な作家である夏目漱石の代表作のひとつに、猫を主人公にした『吾輩は猫である』という作品がありますが、そのモデルとなったのも、黒猫だったといわれています。

迷い込んできた子猫を家に置き、その猫をモデルに執筆したそうですが、これがまたたく間に人気を博し、漱石は念願の作家デビューを果たすことに。

まさしく“福猫”として、漱石夫妻に大変可愛がられ、この猫が亡くなったときには、漱石が4人の門下生に“猫の死亡通知”を出したそうです。

黒猫には猫らしい魅力がたくさん

仲良し黒猫姉妹
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
人と密接な関りがあったからこそ、さまざまなイメージがついた黒猫。
甘えん坊だったり、怖がりだったりと、さまざまな表情を飼い主さんに見せてくれることでしょう。

また、「暗いと同化して見えない」「目をつぶっているとどこに目があるか分からない」「ピアノの上にのると遠目じゃ分からなくてもうお手上げ」など、おもしろエピソードが続々と生まれてくる、とてもチャーミングな猫でもあるのです。

ぜひ、黒猫の魅力を愛し、黒猫との生活を楽しんでくださいね!
参考/「ねこのきもち」特別編集『ねこのきもちセレクション KEGARA図鑑』
「ねこのきもち」2017年11月号『読者の愛猫781匹から見えてきた!毛柄×性格相関データFile』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/kagio
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

写真選定協力:石原さくら
猫写真家として、「ねこのきもち」表紙他多数で活躍するほか、メディアの出演・講演も多数。著書・共著に「てらねこ 毎日が幸せになる お寺と猫の連れ添い方」(KADOKAWA)、「かわいいかわいい ねこのかぶりもの」(パルコ)など。愛玩動物飼養管理士1級。A級キャットグルーマー。デボンレックスとシンガプーラのブリーディングの経験もあり、猫の品種についての造詣も深い
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