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ラグドールの特徴と飼い方 可愛い画像いっぱい|ねこのきもち 猫図鑑

ラグドール

ラグドール

英語名
Ragdoll
原産国
米国
公認団体
CFA・TICA・FIFe・GCCF
毛種
長毛種
  •  ラグドール その1
  •  ラグドール その2
  •  ラグドール その3
  •  ラグドール その4
  •  ラグドール その5
  •  ラグドール その6
  •  ラグドール その7
  •  ラグドール その8

高野 八重子 先生

ふさふさとした、白く長い毛とブルーの瞳が印象的なラグドール。その名も「ぬいぐるみ人形」という意味をもつほど、おだやかで人に抱かれるのが大好きな猫です。体は大きくなりますが、飼いやすさからも大人気のラグドールの特徴や性格、歴史やかかりやすい病気について、ご紹介します。

ラグドールの特徴・性格・毛色

白くてふわふわした長毛と、輝くブルーの瞳が優美なラグドール。体は大きくて、心やさしいラグドールは、人好きで比較的動きも穏やかで、お手入れも楽と、飼いやすい猫です。存在感のある大きさと、抱っこも好む順応性の高さゆえ、新しめの猫種ではありますが、すでに広く人気を博しています。

ラグドールの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向

※このグラフは、『新しい猫の教科書』(高野八重子著、緑書房刊)の記述をもとに編集室で作成。これらはあくまで目安ですので、飼育環境や状況、個体により異なることがあります。

ラグドールの性格

ラグドールは、“ぬいぐるみ人形”の意味の名の通り、人なつこい性格で抱っこが大好き。人に抱っこされると、喜んでリラックスします。穏やかでのんびりしていて、おとなしい性格です。スキンシップやコミュニケーションが取りやすく、体は大きいですが、初めて猫を飼う人でも飼いやすい猫種です。

ラグドールの大きさと体型

大きな三角形の頭、ふっくらとした頬、くりくりとした卵形の目、ふさふさのしっぽなど、全体的に優美さを感じさせ、猫種の中では最大といわれるほど体が大きく、全体的に筋肉質でがっしりしています。体重もあるたくましい猫種ですが、狩りには不向きで、ほとんど興味を示しません。ラグドールが痛みに強いといわれることもありますが、これには根拠がなく、間違いであることが証明されています。

体重:4.5~8kg

ラグドールの毛色の種類

ラグドールの毛色はすべてポイントカラーになり、3種類に分かれます。
①シール(こげ茶)、チョコレート、ブルー、ライラックなどのポイントカラー(耳、顔、四肢の先端、しっぽだけが濃い毛色)、②ポインテッドのバイカラーと、バン・バイカラ―(白×有色のポイントカラーはソリッド、スモーク、リンクス、パーティーカラーなど。顏は逆V字形のブレ―ズが左右対称に白く入り、四肢にはポイントカラーはありません)、③ミテッド(ポインテッドで、足の先や鼻や顎に白色が入っている)が特徴。

生まれた直後は全体的に白く、少しずつ遺伝子がもつ本来の毛色とパターンが現れます。毛質は、全体的にやわらかくなめらかで、美しい毛が特徴です。長さがあるわりにはもつれにくく、アンダーコート(下毛)が少ないため抜け毛も少なめなので、長毛種ですが、お手入れは比較的楽でしょう。
ラグドール
Julia Gomina/gettyimages
ラグドール
Angela Kotsell/gettyimages
ラグドール
Nynke van Holten/gettyimages

ラグドールの心配な病気

・ 心臓の筋肉が厚くなりすぎて、心臓に十分な血液を送り出せなくなる「肥大型心筋症」
・腎臓にたくさんの嚢胞(のうほう/水がたまった袋)ができ、腎臓の働きが徐々に低下し、やがて腎不全になる「多発性嚢胞腎」
・ 皮膚の良性腫瘍で、頭や首にイボのような腫瘍ができることが多い「基底細胞腫」
・ 尿路内に石(ストルバイトおよびシュウ酸カルシウム)が形成され、血尿や膀胱炎の原因になる「尿石症」
・ すい臓に炎症が起き、食欲不振や沈鬱、腹部疼痛を引き起こす「膵炎」
・ 膀胱と尿路に起こる、膀胱炎や尿石症など「下部尿路疾患」
・ まぶたが内側に折れて入り込み、目を刺激して目ヤニや涙が多く出る「眼瞼(がんけん)内反症」
・ 胃や腸など消化器官内に毛球ができ、詰まってしまう「毛球症」

ラグドールの価格相場(2024年)

愛猫の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーから、保護猫などさまざまな方法があります。例えばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。
価格29万円~

※ペットショップ・ブリーダーのウェブサイトを編集部で調査(2024年5月)。

ラグドールの飼い方

ラグドール
Kenneth Chow/gettyimages

ポイント(1)スキンシップ好きな人向け

ラグドールは、とても人なつっこい性格なので、一緒にいる時間を積極的に作ってあげられる人や、スキンシップが好きな人が向いているでしょう。長毛猫なので、まめなブラッシングなど、お手入れをすることが苦にならないタイプがベター。とても飼いやすい猫なので、猫飼い初心者でも心配ないでしょう。

ポイント(2)部屋は広いほうが○

猫の健康のためにも、屋内飼育がおすすめです。猫は基本的に薄明薄暮性の動物なので、日中は寝て過ごすことが多いため、安心して寝られるスペースを用意してあげましょう。

ラグドールは、去勢したオスだと10㎏を超えることが多い大型猫です。部屋は多少余裕があるほうが嬉しいでしょう。

留守番をさせるときは、入ってほしくない場所には行けないよう制限し、誤食につながるような細かいものなどは片付けておきましょう。

ポイント(3)年齢と目的に応じたフードを与えて

主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも食いつきを重視しているため、主食には不向きです。フードのパッケージの裏に総合栄養食と記載されているものを選んで。

猫は、成長や年齢ごとに必要とされる各栄養素の量が異なります。「子猫用」「成猫用」「シニア猫用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。

また、猫はもともと飲水量が少なくても生きていける体の構造ですが、そのぶん、結石症や腎臓病にかかりやすいので、なるべく水分を摂らせるように注意しましょう。

ポイント(4)抱っこが大好き!

ラグドールは、人とのコミュニケーションが大好き。あまり活動的ではないので、じゃらしおもちゃなどよりは、スキンシップを中心に遊んであげるといいでしょう。抱っこはとくに喜ぶ傾向が。

また、猫は高いところに上る習性があり、屋内という限られた空間でも、立体的な上下運動をさせるようにして。猫ができるだけ自由に活動できるよう、猫タワーを置く、タンスや棚をうまく配置して高いところに行けるようにするなどの工夫を。

そして、ある程度の年齢になったら、よく上る場所には行動の手助けになるよう、ステップを設置してあげるといいでしょう。

ポイント(5)換毛期にはシャンプーも

ラグドールは長毛種ですが、もつれにくい毛質なので、ピンブラシでブラッシングしたり、コームでコーミングをしますが割とスムーズにできます。


スキンシップが好きな猫なので、その一環として、手入れをしてあげるといいでしょう。

毛が激しく抜ける換毛期には、とくにまめにブラッシングをしたりシャンプーもおすすめです。長毛種はお尻まわりが汚れやすいので、気になったら拭いてあげてもいいですね。

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ラグドールの歴史や背景

猫種の中では体の大きな部類ですが、くりくりっとしたブルーの瞳、柔らかい毛、ずしりと重いが人の腕に抱かれるとだらりと脱力する姿から、「ぬいぐるみ人形」の意味であるラグドールと名付けられました。ラグドールは、現在知られている中でも、比較的新しい猫種ですが、その歴史は複雑です。

ラグドールの起源については諸説ありますが、確かなのは1963年にカリフォルニア州リバーサイドでその歴史が始まったことです。ブリーダーのアン・ベイカーが自分の飼い猫でバーマンに似たポイントカラーの猫と、近所で飼われていたターキッシュアンゴラ風の長毛の白猫・ジョセフィーヌと交配させ、バーマンによく似たシールポイントのオスのダディワーバックス、メスのバックウィートとフジャンナという子猫をもうけました。

その後、ダディーワーバックスとバックウィートを交配させて産まれたポインテッドの子猫2匹が翌年、NCFA(全米愛猫協会)に初めてラグドールとして登録された猫となりました。CFAでは、2000年にバイカラーの毛色のみが公認され、その後、2008年よりカラーポイントとミテッドのパターンが認められました。
ラグドール
Angela Kotsell/gettyimages
監修: 高野八重子先生ヤマザキ動物専門学校
参考:『猫の教科書』(緑書房)

写真選定協力:石原さくら
猫写真家として、「ねこのきもち」表紙他多数で活躍するほか、メディアの出演・講演も多数。著書・共著に「てらねこ 毎日が幸せになる お寺と猫の連れ添い方」(KADOKAWA)、「かわいいかわいい ねこのかぶりもの」(パルコ)など。愛玩動物飼養管理士1級。A級キャットグルーマー。デボンレックスとシンガプーラのブリーディングの経験もあり、猫の品種についての造詣も深い
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