長毛種
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ラグドールの特徴と性格・価格相場|猫図鑑

ラグドール
- 英語名
- Ragdoll
- 原産国
- 米国
- 公認団体
- CFA・TICA・FIFe・GCCF
- 毛種
- 長毛種
この記事の監修

高野 八重子 先生
ふさふさとした、白く長い毛とブルーの瞳が印象的なラグドール。その名も「ぬいぐるみ人形」という意味をもつほど、おだやかで人に抱かれるのが大好きな猫です。体は大きくなりますが、飼いやすさからも大人気のラグドールの特徴や性格、歴史やかかりやすい病気について、ご紹介します。
ラグドールの魅力

白くてふわふわした長毛と、輝くブルーの瞳が優美なラグドール。体は大きくて、心やさしいラグドールは、人好きで比較的動きも穏やかで、お手入れも楽と、飼いやすい猫です。存在感のある大きさと、抱っこも好む順応性の高さゆえ、新しめの猫種ではありますが、既に広く人気を博しています。

※文中のグラフは、『猫の教科書』(高野八重子・高野賢治著、緑書房刊)の記述を元に編集室で作成。これらはあくまで目安ですので、飼育環境や状況、個体により異なることがあります。

性格
ラグドールは、“ぬいぐるみ人形”の意味の名の通り、人なつこい性格で抱っこが大好き。人に抱っこされると、喜んでリラックスします。穏やかでのんびりしていて、おとなしい性格です。スキンシップやコミュニケーションがとりやすく、体は大きいですが、初めて猫を飼う人でも飼いやすい猫種です。

※写真:まいにちのいぬ・ねこのきもちアプリの投稿写真より
大きさ
大きな三角形の頭、ふっくらとした頬、くりくりとした卵型の目、ふさふさのしっぽなど、全体的に優美さを感じさせ、猫種のなかでは最大といわれるほど体が大きく、全体的に筋肉質でがっしりしています。体重もあるたくましい猫種ですが、狩りには不向きで、ほとんど興味を示しません。ラグドールが痛みに強いといわれることもありますが、これには根拠がなく、間違いであることが証明されています。
体重 |
4.5~8㎏ |
毛色の種類
毛色は、シール(こげ茶)、チョコレート、ブルー、ライラックなどのポイントカラー(耳、顔、四肢の先端、しっぽだけが濃い毛色)、バイカラー(白×有色でソリッド、スモーク、リンクス、パーティカラーなど)、ミテッド(ポインテッドで、足の先や鼻や顎に白色が入っている)が特徴。
生まれた直後は全体的に白く、少しずつ遺伝子がもつ本来の毛色とパターンが現れます。毛質は、全体的にやわらかくなめらかで、美しい毛が特徴です。長さがあるわりにはもつれにくく、抜け毛も少なめなので、長毛種ですが、お手入れは比較的楽でしょう。
迎え入れ方、価格相場
愛猫の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーから、保護猫などさまざまな方法があります。例えばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。
価格 | 17万円~ |

※写真:まいにちのいぬ・ねこのきもちアプリの投稿写真より
寿命と心配な病気
・ 心臓の筋肉が厚くなり過ぎて、心臓に十分な血液を送り出せなくなる「肥大型心筋症」
・ コロナウイルスというウイルスが原因で、発熱、食欲不振、嘔吐、下痢などの症状により徐々に弱ってしまい、一度発病すると死亡率が高い病気。排泄物に含まれる菌が口、鼻経由で感染する「猫遺伝性腹膜炎(FIP)」
・ 皮膚の良性腫瘍で、頭や首にイボのような腫瘍ができることが多い「基底細胞腫」
・ 尿路内に石が形成され、血尿や膀胱炎の原因になる「尿石症(ストルバイトおよびシュウ酸カルシウム)」
・ すい臓に炎症が起き、食欲不振や沈鬱、腹部疼痛を引き起こす「膵炎」
・ 膀胱と尿路に起こる問題のことで、膀胱炎や尿石症など「下部尿路疾患」
・ まぶたが内側に折れて入り込み、眼を刺激して目ヤニや涙が多く出る「眼瞼(がんけん)内反症」
・ 胃や腸など消化器官内に毛玉ができ、詰まってしまう「毛球症」
ラグドールの飼い方
ポイント(1)スキンシップ好きな人向け
ラグドールは、とても人なつっこい性格なので、一緒にいる時間を積極的に作ってあげられる人や、スキンシップが好きな人が向いているでしょう。長毛猫なので、まめなブラッシングなど、お手入れをすることが苦にならないタイプがベター。とても飼いやすい猫なので、猫飼い初心者でも心配ないでしょう。
ポイント(2)部屋は広いほうが○
猫の健康のためにも、屋内飼育がおすすめです。猫は基本的に夜行性の動物なので、日中は寝て過ごすことが多いため、安心して寝られるスペースを用意してあげましょう。
ラグドールは、去勢したオスだと10㎏を超えることが多い大型猫です。部屋は多少余裕があるほうが嬉しいでしょう。
留守番させるときは、入って欲しくない場所には行けないよう制限し、誤食につながるような細かいものなどは片付けておきましょう。

※写真:まいにちのいぬ・ねこのきもちアプリの投稿写真より
ポイント(3)年齢と目的に応じたフードを与えて
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも食いつきを重視しているため、主食には不向きです。フードのパッケージの裏に総合栄養食と記載されているものを選んで。
猫は、成長や年齢ごとに必要とされる各栄養素の量が異なります。「子猫用」「成猫用」「シニア猫用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
また、猫はもともと飲水量が少なくても生きていける体の構造ですが、そのぶん、結石症や腎臓病にかかりやすいので、なるべく水分を摂らせるよう注意しましょう。

ポイント(4)抱っこが大好き!
ラグドールは、人とのコミュニケーションが大好き。あまり活動的ではないので、じゃらしおもちゃなどよりは、スキンシップを中心に遊んであげるといいでしょう。抱っこはとくに喜ぶ傾向が。
また、猫は高いところに上る習性があり、屋内という限られた空間でも、立体的な上下運動をさせるようにして。猫ができるだけ自由に活動できるよう、猫タワーを置く、タンスや棚をうまく配置して高いところに行けるなどの工夫を。
そして、ある程度の年齢になったら、よく上る場所には行動の手助けになるよう、ステップを設置してあげるといいでしょう。
ポイント(5)換毛期にはシャンプーも
ラグドールは長毛種ですが、もつれにくい毛質なので、ピンブラシでブラッシングしたり、コームでコーミングをしますが割とスムーズにできます。
スキンシップが好きな猫なので、その一環として、手入れをしてあげるといいでしょう。
毛が激しく抜け変わる換毛期には、とくにマメにブラッシングをしたりシャンプーもおすすめです。長毛種はお尻まわりが汚れやすいので、気になったら拭いてあげてもいいですね。
まとめ
猫種の中では体の大きな部類ですが、くりくりっとしたブルーの瞳、柔らかい毛、ずしりと重いが人の腕に抱かれるとだらりと脱力する姿から、「ぬいぐるみ」の意味であるラグドールと名付けられました。ラグドールは、現在知られているなかでも、比較的新しい猫種ですが、その歴史は複雑です。
ラグドールの起源については諸説ありますが、確かなのは1963年にカリフォルニア州リバーサイドでその歴史が始まったことです。ブリーダーのアン・ベイカーが自分の飼い猫でバーマンに似たポイントカラーの猫と近所で飼われていたターキッシュアンゴラ風の長毛の白猫ジョセフィーヌと交配させ、オスのダディーワーバックス、メスのバックウィートとフジャンナという子猫をもうけました。
その後、ダディーワーバックスとバックウィートを交配させて産まれたポインテッドの子猫2匹が翌年、NCFA(全米愛猫協会)に初めてラグドールとして登録された猫となりました。CFAでは、2000年にバイカラーの毛色のみが公認され、その後、2008年よりカラーポイントとミテッドのパターンが認められました。
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