バリニーズ
- 英語名
- Balinese
- 原産国
- アメリカ
- 公認団体
- CFA・TICA・FIFe・GCCF
- 毛種
- 長毛種
シャム猫(サイアミーズ)の長毛種で、シャム猫と同じ4種類のポイントカラーの毛色をもつバリニーズ。とても甘えん坊で人なつっこい性格をしています。絹のように細いセミロングの被毛をまとう華麗な猫、バリニーズの特徴や性格についてご紹介します。
バリニーズの特徴・性格・毛色
バリニーズは、サイアミーズ(シャム猫)から極めてまれに生まれてくる長毛の猫。シャム猫と同じおしゃれな4色のポイントカラーの被毛をもち、とても甘えん坊で人なつっこい性格をしています。バリニーズという名前は、猫たちの動きがバリ島のダンサーの流動的で華麗な踊りをイメージさせることに由来しています。
バリニーズの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
バリニーズの性格
サイアミーズ(シャム猫)と同じくとても甘えん坊で、つねに飼い主さんのそばに寄り添い、遊んでもらうことを好みます。肩やひざに乗ってコミュニケーションを図り、存在をアピールします。ちょっぴりわがままな一面ももっています。
バリニーズの大きさと体型
被毛の長さ以外はサイアミーズ(シャム猫)と同じで、体重2.6~4.5kg程度。骨格が細く、優美ですらりとした体型です。長い円筒形の体は筋肉質で引き締まっています。顔はくさび形です。
体重:2.6~4.5kg
バリニーズの毛色の種類
バリニーズの毛色は、サイアミーズ(シャム猫)と同じポイントカラー(耳、顔、四肢、尾などボディから出ている部分に濃い色が入る)です。ポイントカラーには、薄いクリーム色の体に黒褐色が入る「シール・ポイント」、アイボリーの体にミルクチョコレート色が入る「チョコレート・ポイント」、青みがかった白の体に深みのある青灰色が入る「ブルー・ポイント」、寒色寄りの白の体にかすかにピンクの混じったグレーが入る「ライラック・ポイント」の4種があります。目はシャム猫と同じ濃いブルーです。
毛の長さはセミロングで、絹のように細く、下毛が少ないため垂れ下がっています。
バリニーズの心配な病気
・心臓の大動脈弁の周囲が狭くなり血流に異常が起こる「大動脈弁狭窄症」
・網膜が徐々に劣化して失明する「進行性網膜萎縮症」
・血液中の糖分をうまく体内に取り込めなくなる「糖尿病」
・リンパ組織の細胞に腫瘍ができる「リンパ腫」
バリニーズの価格相場(2024年)
バリニーズは一般的に入手が難しく、輸入や専門ブリーダーからや、保護猫譲渡がおもな入手方法です。
バリニーズの飼い方
ポイント(1)スキンシップが好きな人向き
バリニーズは、とっても人なつっこく甘えん坊。スキンシップが大好きなので、一緒にいる時間を積極的に作ってあげられる人、楽しい遊びに付き合ってあげられる人などが向いているでしょう。
ポイント(2)誤食につながるものは片付けて
猫の健康のためにも、屋内飼育がおすすめです。猫は基本的に薄明薄暮性の動物で、日中は寝て過ごすことが多いため、安心して寝られるスペースを用意してあげましょう。
また、バリニーズはアクティブな猫種で、上下運動を好むので、猫タワーを設置したり、上っても大丈夫な場所を部屋に作ってあげたりするといいですね。
留守番をさせるときは、入ってほしくない場所には行けないよう制限し、誤食につながるような細かいものなどは片付けておきましょう。
ポイント(3)年齢と目的に応じたフードを与えて
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも食いつきを重視しているため、主食には不向きです。フードのパッケージの裏に総合栄養食と記載されているものを選んで。
猫は、成長や年齢ごとに必要とされる各栄養素の量が異なります。「子猫用」「成猫用」「シニア猫用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
また、猫はもともと飲水量が少なくても生きていける体の構造ですが、そのぶん、結石症や腎臓病にかかりやすいので、なるべく水分を摂らせるように注意しましょう。
ポイント(4)コミュニケーションを兼ねてブラッシングを
長毛種に分類されるものの、短めのセミロングでアンダーコート(下毛)が少ないので、お手入れは楽です。定期的にブラッシング・コーミングをしてあげましょう。バリニーズは飼い主さんとのコミュニケーションが大好きなので、ごほうび代わりにブラッシングを行ったり、飼い主さんの手のひらで優しく体をなでてあげたりすることも喜びます。
バリニーズに似た猫の種類
バリニーズの歴史や背景
バリニーズの基礎は、「シャム猫」から極めてまれに生まれてくる長毛の猫です。これは、「シャム猫」の祖先に紛れ込んだ長毛の猫の潜性遺伝子が現れたもので、一種の“先祖返り”です。1950年代にアメリカで「シャム猫」の両親から誕生し、1958年にCFAで公認されました。現在、バリニーズの繁殖には、バリニーズ同士を交配するか、サイアミーズ(シャム猫)、カラーポイントショートヘア、オリエンタルロングヘアなどと交配します。
猫種名は、猫たちの動きが、バリ島のダンサーの踊りをイメージさせることに由来するもので、発祥とは関係ありません。
監修:
高野八重子先生(
ヤマザキ動物専門学校)
参考:『猫の教科書』(緑書房)
写真選定協力:
石原さくら
猫写真家として、「ねこのきもち」表紙他多数で活躍するほか、メディアの出演・講演も多数。著書・共著に「てらねこ 毎日が幸せになる お寺と猫の連れ添い方」(KADOKAWA)、「かわいいかわいい ねこのかぶりもの」(パルコ)など。愛玩動物飼養管理士1級。A級キャットグルーマー。デボンレックスとシンガプーラのブリーディングの経験もあり、猫の品種についての造詣も深い