家猫は天気を意識することがないように思いますが、ふだん見せるしぐさには、天気と関係するものもあるようです。とくに雨の日は、猫の動きが鈍くなる傾向があるのだとか。
「猫が顔を洗うと雨が降る」ということわざの意味や、猫と雨の関係も紹介します。
雨の日は動きが鈍くなりやすい?
雨が降ると、猫は活発に動かなくなることがありますが、これには野生時代の暮らしが関係しているようです。
狩りがうまくいかない日だから
狩りをする猫にとって、雨は絶好の天気といえません。獲物になる小動物が隠れてしまったり、ニオイで敵を察知することが難しくなったりするからです。そのため野生時代の猫は、雨の日は岩陰で雨をしのぎながら体を休めて過ごしていました。
その名残りが飼い猫になった今も残っていて、雨の日や湿気の多い日は寝ている時間が増えたり、動きが鈍くなったりすることがあるのだそう。雨の日は、猫にとって休息日なのでしょう。
雪の日はより動きが鈍くなる
猫は寒さに弱い動物なので、雪の日は体力と体温の温存に努めます。そのため雪の日は、雨の日以上にじっとしていることが増える傾向があるようです。
「猫が顔を洗うと雨が降る」といわれる理由
「猫が顔を洗うと雨が降る」ということわざがありますが、なぜこういわれるようになったのでしょうか。それには湿気が関係しているようです。
ヒゲに違和感を感じるから
雨が降る前は、湿気により空気が重く感じることがありますよね。猫も湿気でヒゲがしなるので、顔に違和感を感じるようです。その違和感を、前足で顔を拭うことで取り除こうとしているのです。
つまり、「猫が顔を洗うと雨が降る」ということわざは、雨が降る前の湿気で生じたヒゲの違和感を、顔を拭うことで取り除こうとするしぐさからきたようです。
外猫は雨露を飲むことも
雨にまつわる猫のしぐさといえば、もうひとつ興味深い事実があります。それは、外猫は雨露を飲むことがあるということです。
安心して飲める水だから
外で暮らす猫にとって、雨露は貴重な飲み水です。とくに、草木に付着した雨水は泥などの混入物が少ないので、猫が安心して口にできる水といえるでしょう。雨上がりに外猫が草木に顔を近づけていたら、空から降り注いだ恵みの雨で喉を潤しているのかもしれません。
猫は、思った以上に天気を意識したしぐさをしていることがわかりました。野生時代の名残りを知ることで、愛猫の知らなかった一面を見ることができるかもしれませんね。
参考/「ねこのきもち」2017年4月号『飲み水からシャンプーまで、猫と水のお密なカンケイ』(監修:哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。