猫が好き
UP DATE
野良子猫を保護して暮らすも、「家庭内別居」状態!? 月日を重ね「相棒」となるまでの変化にグッとくる
「猫を飼ってから生活が変わった」というのは、猫を飼っている人なら共感できる話ではないでしょうか。

Instagramユーザーの@hamaguri0703さんは、家の近くをうろついていた野良の子猫・ハマグリちゃん(♀/取材当時1才)を保護して、一緒に暮らすことになりました。保護してから、ハマグリちゃんにも飼い主さんにもさまざまな変化があったといいます。
ねこのきもちWEB MAGAZINEでは、ハマグリちゃんとの出会いや今の暮らしなどについて、飼い主さんに2回に分けて(2020年10月/2022年3月に取材)お話を伺いました。
車の下でうずくまっている子猫を発見
2020年6月末頃、外で猫が「ミャーミャー」と鳴いているのを聞いた飼い主さん。家のドアを開けると、家の前の駐車場に停めてあった車の下で、茶トラの子猫がうずくまっているのを見つけます。
子猫は警戒しているのか、飼い主さんのほうをジッと見ていたそう。飼い主さんはこのとき、運命を感じてしまったといいます。
飼い主さん:
「子猫を見つけたとき、ちょうどLINEの待ち受けにしていた猫とソックリだったので、驚きました。なんとなく運命を感じたのですが、『まだ小さいからママが迎えに来てくれるかも』と思い、とりあえずごはんを与えて様子を見ることに。
その日から、仕事終わりに猫のごはんを買って帰り、家に着いたら与える、という日々が続きました」
出会いから1週間が経っても、母猫は現れなかったそう。このとき飼い主さんは完全に子猫の虜になっており、子猫に会いたくて仕事を早く終わらせて帰宅していたといいます。すると、子猫も飼い主さんの家のドアの前で待っているようになったのだとか。
そんなある日、飼い主さんは子猫のある行動を見て、保護することを決意します。

飼い主さん:
「子猫にごはんを与えたあとの行動を見ていたら、なんと車のタイヤの部分から車の中に入って遊んでいたんです!
子猫は警戒心が強くて、ごはんを与えたらすぐどこかに消えていたんですが、まさか車の中で遊んでいたとは…。
私は一人暮らしのため、『猫を飼ったら可哀想ではないか?』と思い、保護主さんを探す活動も始めていたのですが、あの光景を見たとき『このままだといつか危険な目に遭う』と考え、保護しようと決めました」
大雨の日、保護することに成功
飼い主さんはインターネットで捕獲方法などを調べ、ダンボールを使ったり、ごはんで釣ったりとさまざまな手段を試してみるも、子猫の警戒心が強くすべて失敗。
捕獲は難しいかもと思っていたけれど、7月の初旬に思いがけない出来事が起こります。この日は大雨だったのですが、飼い主さんがいつも通りに家のドアを少し開けておいたところ、子猫がひょいっと家の中へと入ってきたのだそうです。
飼い主さん:
「今まで全然入らなかったのに、ごはんのところまで来て食べ始めたので、すかさずドアを閉めました。『出してー!』と騒ぐかと思いきや、意外と大人しくて。家の中の探検が始まりました」
うずくまっている姿がハマグリに似ていたことから、飼い主さんは子猫に「ハマグリ」と名付けることに。ここから、飼い主さんとハマグリちゃんの共同生活が始まったのでした。
「抱っこなんて夢のまた夢」と思っていたら、徐々にハマグリちゃんに変化が
気性が荒くて警戒心が強いハマグリちゃん。保護してから1カ月ほど、飼い主さんはずっと威嚇されていたそうです。
実は飼い主さんは、これまでにハマグリちゃんを一度も触ったことがなかったのだそう。近寄るだけで逃げられてしまい、「抱っこなんて夢のまた夢だった」と、当時の心境を話します。
飼い主さん:
「ワンルームなので一緒の空間で生活することになりましたが、ハマグリがソファとクローゼットで生活し、私がベッドの狭いスペースで生活するという“家庭内別居”をしばらく続けてました」
飼い主さんは焦らず、様子を見てナデナデを試みたりと、時間をかけて少しずつハマグリちゃんと距離を縮めていくことに。すると、ハマグリちゃんに徐々に変化が見られるようになりました。
飼い主さん:
「ナデナデが気持ちよかったのか、自分から『撫でていいよ』という顔で見てきたり、寄ってくるようにもなりました。甘えたいけどうまく甘えられない、どうやって甘えていいかわからない…という感じが愛おしかったです。今でもまだちょっとそういう感じですね(笑)」
今では抱っこのおねだりや、お出迎えもしてくれる♪

出会いから4カ月が経過した頃には、飼い主さんが帰宅するとハマグリちゃんは「ニャー」とお出迎えしてくれたり、抱っこをねだるまでになりました。
寝るときも飼い主さんの顔の横で寝たり、飼い主さんのトイレやお風呂にも毎回ついてくるほど、ハマグリちゃんは甘えてくるようになったそうです。
飼い主さん:
「抱っこも諦めていましたが、やっぱり甘えたかったんですね。ある日ベッドで寝てたら、ハマグリが横に来て、私の顔をずっと見ていたことがあったんです。私は寝たフリをしていたんですが、そこから少しずつ距離が縮まったような気がしています。
そして、病院の先生に撫で方を教えてもらい、ごはん中にナデナデが成功したぐらいから一気に縮まりましたね! やっぱりナデナデされたいなんて、子どもなんだなって…ほんとに可愛いです」
飼い主さんはハマグリちゃんと接するとき、なるべくハマグリちゃんのほうから寄ってくるのを待つように心がけているのだそうです。「距離感を大切にし、リアルにソーシャルディスタンスを取っていた」とも話していました。
ハマグリちゃんとの出会いで、毎日幸せを感じられるようになった

ハマグリちゃんに変化があったように、飼い主さんの生活にも変化があったそうです。
飼い主さん:
「恥ずかしいのですが、『幸せ』を感じるようになりました。転勤で知り合いも少なかったなか、寂しい毎日に急に幸せが舞い込んできたって感じです。とにかくハマグリが可愛くて…行動のすべてが可愛いです! 」
当初は、仕事が忙しく猫を飼うのを躊躇していたものの、実際に生活してみると、ハマグリちゃんと飼い主さんの生活のサイクルが合っていたため、猫との暮らしを楽しめているようです。
ハマグリちゃんの「その後」に迫る!
前回の取材から約1年半が経過しました。飼い主さんに改めてお話を伺うと、「ハマグリは絶対に欠かせない相棒になった」といいます。
——ハマグリちゃんとの暮らしで印象に残っていることはありますか?
飼い主さん:
「実は最初の頃に一度、ハマグリが脱走したことがありました。そのときはまだハマグリを迎えたばかりで、脱走防止柵なども立てておらず、私が玄関のドアを開けたタイミングでスルッ…と蛇みたいに外へ抜けていってしまったんです。
ハマグリは外に出て走り回り、車の下で毛繕いなどを始めて。それを見て、私は『あ、終わった』と一気に顔が青ざめました。
大人なのに夜中に外で大泣きしていたら、ハマグリが車の下から『え? 大丈夫?』と心配するかのように寄ってきてくれて。このタイミングを逃してはいけないと、ガッとハマグリを捕まえて家の中に連れ戻すことができたんです」
——無事に捕まえることができて、本当によかったですね。
飼い主さん:
「ハマグリを脱走させてしまったことが本当に申し訳なくて。捕獲後に家の中で大泣きしていたら、ハマグリも『なんかゴメン…』みたいな顔になっていて。それからのハマグリは、玄関にも来なくなり、外に出たいというしぐさを一切見せなくなりました。
ハマグリはたぶん、『自分がいなくなったらこの人は…』と心配になったのかもしれませんね」
今では大切な相棒に
——飼い主さんにとって、ハマグリちゃんはどのような存在ですか?
飼い主さん:
「私が熱で数日会社を休んだとき、ハマグリは心配そうにずっと横についてくれたり、お気に入りのネズミのぬいぐるみを私の横に置いてくれたりと、気遣ってくれたことがありました。
最初は、私はハマグリの『親代わり』のつもりでしたが、今はお互い助け合って生活していて、もう『絶対に欠かせない相棒』という感じです。
ただ、家具はほとんどハマグリに占拠されたので、私のほうが立場が弱くなってきていますね(笑)」
素敵な信頼関係を築いているハマグリちゃんと飼い主さん。出会えたことに感謝の気持ちを抱きながら、飼い主さんは今日もハマグリちゃんと楽しく暮らしています。
写真提供・取材協力/Instagram(@hamaguri0703さん)
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文/雨宮カイ
UP DATE