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片方がハマれば片方も興味をもつ? 取り合いになる新品ハウスのお話【連載】渋ネコししまるさん#197

ー付録というものは、困ったものだ。雑誌が読みたいだけなのに付録がついてくると、どうして良いか困る時がある。気がつけばタンスの肥やしになり、いざ処分の前に使ってみると、わりと気に入ってしまう。そして結局捨てられなくなってしまうのだ(個人の感想より)ー

 雑誌『ねこのきもち』の付録はどうだろう?その行く末は、猫たちに任せている。僕ができることは、一生懸命にアピールして気を引くだけだ。

 以前届いた付録「さんかくフェルトハウス」。僕はししまるが気づいてくれるまで、それをじりじりと近づけていった。ハウスを獲物に見立てる作戦だ。気がついたししまるは箱からはいでて、猫型に切り抜かれた穴に顔を入れた。作戦は大成功。
「あの猫型の穴は一体…」
 しかし、ししまるはすぐに箱へ戻っていった。広さがお気に召さなかったらしい。僕はしゅんとしてハウスを壁に寄せようとすると、まるこが飛び込んできた。楽しそうにソロキャンプでくつろぐまるこ。これでこの付録は、文句なく我が家の一員となった。
まるこのお気に入りの『さんかくフェルトハウス』
 それを見ていたししまるは、もう一度やってきて穴に顔を突っ込んだ。まるこが慌てて飛び出すと、ハウスは倒れ一枚のシートに戻った。そしてししまるは、その上に座り込んでしまった。
 僕はこれはこれで良いと思った。使ってくれればいいんだ。
付録をめぐる骨肉の争い
 それからししまるとまるこは、ハウスを使い続けた。僕は汚れが染みついたハウスを見て、そろそろ役目は終えたかなと思ったものの、猫たちの視線が「まだまだ」と訴えていた。
 ピカピカでもくたくたでも、付録の行方は猫次第。やっぱり付録は困ったものなのだ。

Taco(たこ)プロフィール

東京在住の漫画家・イラストレーター・キャラクタデザイナー。びゅうたびライターとしても活動中。
「ちいさな猫を召喚できたなら」「3匹のちいさな猫を召喚できたなら」「ぷっちねこ。」(徳間書店)など、好評発売中。「ちいさな猫を召喚できたなら」は重版後、中国版・韓国版・インドネシア版も発売。
現在、Web上では不定期に新作漫画を更新中。詳しくは以下のSNSへ。
・Instagram
 Tacoのインスタ: @tacos_cat
 ししまるのインスタ: @emonemon
・Twitter@taco_emonemon
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